駅前の憂鬱

随分前から言われるようになってきた、地方と都心の格差。
そんなものがここ数年で一気に加速した感がある。
その象徴的な光景として、JRなどの主要鉄道駅前商店街の閑散とした光景があげられる。
乗り換え駅やベットタウンなどを抱えて、過疎化というほどではない駅でさえも、こんな感じなのだ。

実は随分前から、この地方(とはいえ名の知れている)駅前商店街をぶらぶらするのが好きで出かけたときはよく散策するのだが、商店街のシャッターが閉まっている率が極めて高い。
営業している店と言えば、コンビニと小さな喫茶店&果物、八百屋ぐらいのもので衣料品店や薬局、本屋、電気屋などはかつてそこで営業していた痕跡を残し、閉じられてから時間を感じさせるシャッターの汚れが目立つ感じだ。
この背景には、自動車所有率の高まりとライフサイクルの多様化というものがあるのだろう。
ほとんどの人は駅前で買い物をせず、クルマでちょっと離れた郊外のショッピングセンターでまとめ買いするようなライフスタイルが定着してしまった。
これは人が豊かになってきて、「もっと便利に」を追求していった結果であり、その便利さを提供するために郊外にはどんどん巨大なショッピングセンターやモールができる。
観光もおいらみたいにクルマで移動が主流になってしまって、駅から徒歩圏内というところはむしろ足が遠のいてしまっている。
お年寄りや免許を持たない高校生ぐらいまでは、自転車で自宅圏内を移動するだけだから、駅前商店街にはそれなりの刺激が欲しいだろうが、家賃が高い&駐車場が確保できない&集客力低下のトリプルコンボで、積極的に店が出来にくい状況もあるのだろう。

ってことで、前置きが長いのはいつものことだが、何とびっくり秋田駅がこの問題に直面しているらしい。

イトーヨーカドー 秋田駅前から撤退?

ここも、イトーヨーカドーの進出で地元商店街の活気がなくなり、そのヨーカドーも郊外の駐車場が潤沢なショッピングセンターに押されて、駅前の店舗の採算性が問題になっている、という皮肉なパターンだ。
で、イトーヨーカドーとしては存続の条件として、駅前公営駐車場の利用料金を無料にするよう圧力を掛けているという。
セブン&アイグループとして巨額の利益を出している割にはやることがセコい。そこまでしないとイオングループに対抗できないのか。

この手の問題が根深いのは突然撤退をほのめかして、破格な見直し条件を提示、当事者に検討する時間を与えないことだ。
ダイエーの時もそんなことで揉めたことがあったよな。

地元にとって、確かに駅前のそれなりに大きい店がなくなってしまうのは打撃が大きいだろう。
かといって、6000万もの収入を捨ててまでイトーヨーカドーを存続させるとなると、公正な地方自治の観点からは問題だろう。

話はぜんぜん変わるのだが、5月にわたらせ渓谷鉄道に乗るために桐生を訪れた。
ここも地方都市の憂鬱に包まれた、停滞感でなんとなく時がゆっくり流れる駅だった。
ただ、そこにいる人たちはそれなりに等身大の生活を営んでいるふうにも見えた。
まず、駅前の店が日曜日ということで休みを取っていた。観光客も人通りもそこそこ多いにも関わらず、だ。
駅の立ち食いそば屋では、客と店のおばちゃんがどこの誰がそろそろ子どもが生まれるという話を楽しそうにしていたり、ちょいとガラの悪いチャリンコの高校生を呼び止めた警官が、最近の学校での出来事やアルバイトの話とかいろいろ話しかけて、それを斜に構えつつもきちんとウケ応えする高校生。根はけっこう素直なんだろうな。

こうした人々が普通に暮らしの出来る、言うなれば等身大の商店街作りというのはできないもんだろうか?
駅前にデカい店を作るだけが街づくりじゃないわけだし。
全国チェーンの店では採算性に問題があるとしても、地元で完結させることができる店であれば、それはそれでいいような気がする。
なんでも郊外のショッピングセンターで買えるご時世で、そんなのと張り合うのではなく、必要なもの&他では手に入らないようなものが売ってる商店街なんていうのは、それこそ地域興しの観点からも取り組んでいく課題ではないかと、ほんのちょっとだけ思うのだ。
具体的にどうすればいいのかっていうのは、申し訳ないが現時点では自分の中でもアイディアがまとまらない。
ただ、地元の人たちだったら自分達に何が必要なのかっていうことはわかってるだろうから、大手に頼って背伸びせずとも自分達の商店街づくりをしてみたらどうだろうか?
別にだからって自然食品とか健康食品売れって意味ではないけどねw


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