
■史上最大の作戦会議
かろうじてAirHが繋がる状態で、とにかく天気がどうなっているのか確認する。
そうか、ここは長野といっても日本海寄りだった。
雲の流れは関東と反対、日本海側から押し寄せてくるんだった。
天気図を見ると、雨雲がどんどんと厚くなって良くなるどころか大雨の確率がどんどん高まっているようだった。これはもたもたしてられない。
30分でカラオケ屋を出ると、幸いにして雨は上がっていた。
遠くを眺めると、分厚い雲が山のかなり低いところまで立ち込めていた。
天気予報では、韮崎まで降りてくればとりあえず雨の心配はないようだ。
ここで大きな判断を迫られた。
このまま韮崎を目指すのか、戻って上信越道を走るのか。
韮崎を目指すには、目前に広がるあの低い雲の立ち込めるエリアを走らなければならない。
ただ、これを抜ければ比較的早めに帰ることができるはずだ。
どうするか?
結論としては、このまま韮崎へGO!
雨が降らない今のうちに、とにかく距離を稼ぐのだ。
足止めを食ったので時刻は17:30。
この賭けが吉と出るか凶と出るか…

■韮崎のオアシス
結果として、韮崎を目指したのは正解だったようだ。
佐久から韮崎に抜ける国道141号線は、八ヶ岳の麓を抜けていくルートだったため、雨も比較的おとなしめだった。
しかもこのルート、途中野辺山を経由して清里へ抜ける道だった。
一昨年に天文台へ遊びに行ったときに走ったルートを逆走する形だった。
懐かしさを感じつつ、空を見上げると雲の間から少しだけ夕日が顔を出していた。
鉄道最高点を超えて、緩やかに清里へ向かう下り坂に差し掛かる。
清里でほうとうでも食って帰るか、と思ったが店は軒並み閉まっていたので泣く泣くスルー。
腹減ったなぁ…
そして、韮崎についた、らしい。
このあたりまで来ると、クルマやバイクで何回か来ているので、勝手がわかる。
特に、旅の帰り道で疲れを取るためによく立ち寄る道の駅の温泉があるので、今回もここで一休みすることにした。
道の駅にらさき&ゆ~ぷる にらさき
流れるプールと温泉が併設されたこの施設で、とにかく疲れをゆっくり取る。
営業時間は21:00までなので、まぁ急ぐこともなかろう、ということで露天風呂で死ぬほど暖まって、マッサージチェアでマッサージしながら…寝た。
「お客さんそろそろ閉館なんですけど」
と起こされたのは21:00を回っていた。
慌てて外に出て、出発の準備を整える。
■残り150km
空は曇っているものの、雨が降りそうな気配はまったくない。
家までの距離もあと150kmぐらいだ。
勝手を知ってる道だけに楽勝だ。
だからということでもないのだろうが、なんでこれだけ疲れていながら、一般道を走って帰ろうなどと思ったのか?
やはり今になっても理由がわからないのだが、多分高速代がもったいなかったのだろう。
国道20号(甲州街道)を一路東京方面に向かって走り出した。
韮崎から甲府、大月。時刻は22:00を回っていたので、道はまったく空いている。
いい感じのペースで走っていたら、ガソリンの残量が微妙だということに気が付いた。
ここから先は営業しているガソリンスタンドはほとんどない。
八王子に辿り着けるかギリギリの計算だが、多分なんとかなるだろう。
相模湖ICを過ぎて、大垂水峠を楽しく全開で走りぬけ、八王子の街に入る手前でガス欠気味。
しかもリザーブ使い切ってるし。高尾から八王子までずっと下りで助かった。
辛うじて営業していたガソリンスタンドで満タンにしたら見事にタンク容量と同じだけ入った。
我ながら、見事な計算だと感心してしまった。
その後、休憩も兼ねてサイゼリアで夜食。
とにかく喉が渇いた。ひたすら水分を取って、眠気が起こる前に出発。
時刻は0:00を超えていた。もう18時間近く走ってるぞ…
ここから家まで35kmぐらい。
やっと長い旅路も終わる。
1:00ちょうどに家に着き、mixiの日記に生存報告を残して、気絶するように眠りに落ちるのだった。
総走行距離 617km
所要時間 18.5時間
我ながらよく走ったもんだ。
距離を稼ぐツーリングだったため、観光地の下見をしに行った様なものだったが、クルマとは違った心地よさが残った。
今度はさすがにこんな無理な行程にはせずに、尾瀬や日光などピンポイントを楽しむようなツーリングにしようかと思う。
っていうか、行きと帰りは高速道路を使おう…
こうして、ロマンチック街道と言うにはあまりにもロマンチックとはかけ離れたツーリングは終了したのでした。
■総括(ロマンチック街道をツーリングしたい人へ)
・まず、時間に十分余裕を持ちましょう。
・地図と事前のペース配分を考えれば、ロマンチック街道全制覇は無理な話ではありません。でも、ちょっと無茶な気がします。
・日光~沼田、もしくは沼田~上田というルートであれば、観光地めぐりをしながら充実したツーリングが楽しめると思います。
・今から紅葉が始まるちょっと前までが一番いいシーズンだと思います。
・晴れていてもレインウェアは用意しておきましょう
(当たり前ですね)
それでは皆さん、よいツーリングを。
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