以前よりウワサされていた通り、帯広から札幌を中心とした8都市での開催に変更となった。
「ラリージャパン」 今年は札幌など道央圏8市で開催
自然破壊だなんだと世間の風当たりに耐えながらラリー北海道で地道にラリー開催の下地を作り、WRCの誘致に尽力した帯広の人たちの思いはいかほどのものか。
F1の開催地を富士に持ってかれた鈴鹿のような心境か。
とは言いつつ、帯広は交通の便の悪さがどうしてもボトルネックになっていたと言わざるを得ない。
おいらは2003年に開催されたラリー北海道を観戦したことがある。
買ったばかりのプジョーさんで10日間ほど休みを取って、北海道をぐるっと観光で回り、最後にラリー北海道を見物してから苫小牧でフェリーにのって帰ってくるという旅程を組んだのだが、ラリー終了してから当日夜のフェリーまであまり時間がなく、余韻を楽しむ間もなく帯広を出発。
同じように考えているであろう他県ナンバーのクルマたちと、あんまし公に出来ないような走り方で苫小牧を目指したのだった。
観戦疲れの身体で200kmをなんとか走りきりフェリーには間に合ったが、これを逃すと翌々日まで足止めを食ってしまうため、かなり焦ったものだ。
こんな感じで、例えば本州からクルマでアプローチするには苫小牧を使わざるを得ず、飛行機で来たら空港のある新千歳空港まで延々とドライブしなければならない。(レンタカー使わずに電車使えば2時間半で新千歳空港だが、北海道の楽しみが半減してしまう)
そんな交通の便が微妙な帯広にあって、宿泊施設などの数も十分とは言えず、不満の声が一部で上がっていたのも事実だ。
そんな訳で、どうしても多くのお客さんを呼んで興行としての成功を考えると、アクセスが良く人口も多い札幌を基点にするという判断もわからないではない。
それだけ注目度が高くなり、国際的な位置付けも上がったということなのだろうから。
かといって、帯広の人たちのボランティアで成り立っていたラリーの雰囲気を考えると、素直に喜べないものもある。
ラリーイベントは、F1などのようにサーキットで行うレースではないので、市街地や郊外の森林に設定されたコース、ステージ間の移動などさまざまな場面でボランティアの協力があって成り立っている。
2003年のラリー北海道は、手際は悪かったがボランティア諸氏は一生懸命ラリーを成功させようと頑張っていた。
その雰囲気が、帯広という土地柄も相まってとてもいいイベントだった。
札幌に移ることでラリージャパンは昨年以上に盛り上がりを見せることだろう。
そしてラリーの認知度も高まることになるはずだ。
そこで帯広の人々には、WRCがなくなったことを嘆くのではなく、独自に国内ラリーイベントを開催して、草の根レベルでラリーを根付かせていって欲しいと思ったりするわけだ。
今までの開催の経験を活かせば、いろんなことができるはずで、それらを活用しない手はないでしょ。
ってことで、WRCは持ってかれちゃったけど、ラリーイベント開催のノウハウは残っているんだから、それを活かしてがんがれ帯広。
応援しているぞ。
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