
※9月に書きかけのネタが今頃出てきたので一応うpしてみたりして。
正直、私は今混乱している。
そもそも、ヤマト査定とは何だったのか?
それと並存するヤマト車検とはいったい何がやりたかったのか?
そして、たかが板金修理のネットワーク構築にあれほどの巨額の宣伝費を投入したカーコンビニ倶楽部とは、どんな道楽事業だったのか?
沖田艦長ふうのキャラが立ち、その後ろには羽の生えた宇宙戦艦ヤマト気味の戦艦が飛んでいる看板は、確かに目立つので気にはなっていた。
その看板を初めて目にしたのは、3年ぐらい前の両国駅そばのラッキーウィングの壁面に描かれたイラストだった。

盗作にしては大胆だし、松本零士がなんでこんなイラストを描いてるのかも良くわからない。そもそも、松本零士のファンとバイク買取店の客層に接点はあまり見出せないし、どういう基準でこのイメージに決めたのかがさっぱり想像が付かず、前を通る度に首を傾げていたものだった。
それから数年後、このイラストと謎の『ヤマト査定』の看板はいろんなところで見かけるようになり、これがカーコンビニ倶楽部の系列であることを知った。
カーコンビニ倶楽部と言えば、クルマのちょっと傷ついた程度の板金修理を、短時間&低価格で仕上げる全国チェーンだ。
従来、町の板金工場みたいなのはいくつかあったが、評判も良くわからないため入りにくかったのは事実であり、これをチェーン化することで入りやすい店作りにしたのは大きな功績だと思うが、その修理の仕上がり具合を聞くと短時間で作業を行った分完璧とはいかず、評判はあまり芳しくないようだ。
フランチャイズ制なので、元々板金屋を営んでいるところは仕上がりも丁寧だが、そうでない店も多いようで、評価が割れる傾向があり客の方も迷っている感じが見受けられる。
小キズ程度の板金修理とは、主に板金を叩いて成型を整え、パテによって表面をキレイにして時間を掛けて乾かした後に塗装して仕上げを行う。
カーコンビニ倶楽部では、この板金作業の効率化と速乾性のパテを利用する事で大幅に時間を短縮し、その分人件費を抑えることで工賃が安くなるという仕組みだ。(他にもいろいろ工夫はあるのだが)
一部雑誌などでは、カーコンビニ倶楽部は高額なフランチャイズ料金を取っており、その資金で次々と積極策を打ち出していたようだが、実際のフランチャイズ側は加盟料に比較して実際の収入が少なく悲鳴を上げているとの報道もあった。
こんな状態でどこまで規模を広げていけるのかと他人事ながら心配していたのだが…
ってことで、何が言いたいかというとこういうことだ。
オリンパスキャピタル、翼システムを傘下へ-人材投入し事業見直し (リンク先消失)
米系投資ファンドのオリンパスキャピタルが、自動車整備業向けシステム最大手の翼システム(東京都江東区、酒井道元社長)を傘下に収める方向で最終調整に入ったことが14日、明らかになった。
翼システムのグループ会社である板金塗装フランチャイズチェーン「カーコンビニ倶楽部」なども一体的に買収する模様。
翼グループは積極経営が裏目に出て経営不振に陥っている。オリンパスキャピタルは新規資金供給や人材投入などにより翼グループの再生を目指す。
オリンパスキャピタルは翼システムの過半数以上の株式を取得し、経営権を握る方向で調整している模様。翼グループの多岐にわたる事業を見直し、選択と集中を進めることで高収益企業へと脱皮させ、最終的には株式公開を目指す。
(日刊工業新聞) - 9月15日8時29分更新
日本人ってクルマを道具ではなく資産と考える傾向が強いので、”早く仕上がる”というよりは”時間を掛けても丁寧に仕上げて欲しい、しかも安く。”という気質が強い。"早くて、そこそこの仕上がりで、だけど安い"というのが一般的にどうなのか?とも思ったのだが、フランチャイズ料で儲けるビジネスモデルも崩壊ってことのようで。
本業であるカーコンビニ倶楽部がこの有様で、親会社ともども買収されてしまう状況で、今後の展開が気になるところではあるが、とりあえずネタとしてのヤマト車検とか査定はキライではないので、ぜひとも例の艦長もどきのキャラには今後も頑張っていただきたい。
ただただ、今はそれを願うのみ。
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