[今北産業]
・シトロエン名古屋中央運営の渡辺自動車が民事再生法の適用を申請
・「お客様に迷惑を掛けないよう可能な限り協力する」とのシトロエン公式コメント
・神戸のGLIONグループが支援に名乗り。人員含めてそのまま継続の方針で調整中
久々の更新がこんなネタですいません。
208の記事は書いてる途中で消えちゃったので…
ってことでちょっと残念なお話です。
当社は、1933年(昭和8年)創業、1986年(昭和61年)4月設立の自動車販売業者。長年の業歴を有する当地区老舗の輸入車販売業者で、仏・シトロエンの車種を主力としていた。従前は、ジャガーやランドローバー、マセラティといった高級車種も取り扱い、整備や車検のほか自動車保険の代理業務も手がけ、2017年12月期には年売上高約41億円を計上していた。しかし、高額な欧州車を中心に取り扱っていたため、景況感や為替相場の煽りを受けやすい業況で、同期には約3億2600万円の最終赤字を計上していた。その後も個人消費の低迷が続いたこともあって売上、収益ともに回復せず、2019年12月期は年売上高約24億3900万円に対し、約7億3900万円の最終赤字となり債務超過に転落していた。その間、関東の輸入車販売を主に手がける企業グループの傘下に入り、業況回復を図ったものの奏功せず、社有不動産の売却なども不調に終わり自力での再建を断念。法的手続きの下で事業再生を進めることとなった。負債は約30億円。なお現在、スポンサー候補企業との間で支援獲得のための協議が進められている。
当方は関東在住のため東海、関西方面のディーラー事情には疎いのですが、それでも渡辺自動車の名前はいろんなところで目にしております。
一番印象的なのは、フレンチブルーミーティングに向けて毎年ツアーを組んで参戦され、グループパーキングで楽しそうに語らっている皆さんの姿でした。
輸入車ディーラーが販売台数を追求するあまりシステマチックな対応で効率化を進める中、オーナーとの接点を大事にする姿勢は輸入車という嗜好品の商売において理想的な姿だと、半ば羨望の目で眺めておりました。
苦境の最大の原因は販売の低迷ではありますが、シトロエンに関してはPSAの方針がコロコロ変わったことにより販売する車種が最悪期は2車種しかなく、売りたくても売るものがないという時期が長く続きました。
その責任の一端はPCJにもあると言わざるを得ません。
販売方法に問題はあったとはいえC4カクタスのスマッシュヒット、そこから続く新型C3、C3/C5 AIRCROSS、ベルランゴに至ってようやく売れる車種のバリエーションが揃ってきた中での老舗の倒産情報というのは残念という気持ちでいっぱいです。
さて気になるのは運営していたシトロエン名古屋中央店の今後ですが、いったいどうなるのでしょうか?
twitterで教えてもらったところでは、前日まで納車イベントとかの様子がfacebookにアップされていたりしましたし、7月には業界初を謳う洗車、オイル類交換、基本整備をコミコミで提供する定額サポートプラン『WATANABE Car Premium Club』を立ち上げたりと、ギリギリまで日銭を獲得する涙ぐましい取り組みを一生懸命やっていた、という感じですね。
上記記事では“スポンサー候補企業との間で支援獲得のための協議が進められている”とのことですので、何らかの形で事業継承が行われるものと推測しますが、運営会社が変更になった場合意外と面倒な手続きが必要だったりすることがあります。
たとえば整備記録を含めた個人情報に関しては運営会社が変更になると移管には本人の許諾を得なければならなかったり…
とはいえ今まで培ってきたノウハウが散逸することは防ぎたいところですし、なにより顧客に不安を与えないためにも迅速なバックアップ体制と告知が成されることを期待します。
現在シトロエン広報にも状況について問い合わせをしていますが、公式に情報がでてくるのを待つことにしましょうか。
何か情報をお持ちの方はお教えいただけると幸いです。
なんでこんなにナーバスになっているかというと、以前東京圏で夜逃げのように逃げ出したチューガイという運営会社がありまして、そこで難民となったオーナーの方がえらい苦労されている姿を見てきたからなんですね。
あの時は酷かった…
その他チューガイに関するエントリーはこの辺でいろいろ書きました。
最終的にプジョー直営のプジョーシトロエン東京が一部店舗を引き継ぐ形でなんとか事態を収めましたが、それでもかなりの時間を要しましたからね…
[追記1 10:05]
シトロエンコール(0120-55-4106)に確認したところ
「特に何も聞いていないので販売・整備に関しては通常通り行われているはず」との回答でした。
シトロエン名古屋中央店の代表番号へ電話したところ、コールはするものの誰も出ない、という状態です。今日はもともと定休日でした。
倒産の場合保全措置が取られて店舗に立ち入りできないなんてことはよくあるので、ひょっとするとそういう事態になっているかもしれません。
シトロエンコールがその状況を把握していない可能性は十分あり得ます。
続報あれば更新します。
[追記2 12:15]
グループPSAジャパン広報の森さんより回答をいただき、また同時にプレスリリースも出ました。
株式会社 渡辺自動車の民事再生法について
回答内容はプレスリリースのものと同内容でしたが、PSAJとしてはお客様に迷惑が掛からないように可能な限り協力するという公式コメントが出ておりますので、一時的な混乱はあるかもしれませんが再起動に向けて調整が進んでいると考えてよろしいかと思います。
[追記3 9/3 11:10]
神戸のGLIONグループが支援に名乗り。設備、人員をそのまま引き継いで再建を目指すとの報道がありました。
民事再生法申請の渡辺自動車 神戸の同業者が支援へ 事業・従業員引き継ぎ再建
シトロエン名古屋中央ショウルームに話で話を聞いたところ、現時点で営業・整備ともに通常通り営業中とのことでした。
お客様にご迷惑をお掛けしないようにがんばります、とのことでした。
この記事へのコメント
プロックス
私も他の地方在住ながら、渡辺自動車さんのお名前は
存じ上げていたので、このニュースに大変驚かされました。
渡辺自動車さんは毎週火・水曜日定休とのことなので、
電話が繋がらないのは、単にそのせいかもしれません。
(逆に言えば、混乱を避けるために定休日のタイミングを
見計らって、今回の申請を行ったのかもしれません)
スポンサーと協議中との話もありますが、
渡辺自動車さんはJLR部門もいつの間にか手放されたようですし、
30億円もの負債があるようでは、シトロエン一本・1店舗での
再生はかなり厳しいのでは、、と思います。
老舗ということもあり、旧世代のシトロエンにお乗りの
ユーザーさんもいらっしゃるでしょうし、スタッフさん含め
なんとかいい形で継承されることを祈っております。
海鮮丼太郎
コメントありがとうございます。
今日はもともと定休日でしたね…すいません早とちりしておりました。
自動車販売が今後緩やかに下り坂に向かう中、電動化による充電設備の投資なども今後必要になる中で、輸入車ディーラーがどのように生き残っていくのか?と考えるとなかなか頭の痛い問題ではありますが、少なくともこのディーラーと付き合ってて良かったと思える顧客を増やすことが大切だと思っています。
また、渡辺自動車はそうした取り組みをされてきたと思いますので、このまま無くなってしまうのは惜しいですね。
渡辺自動車は数年前にセントラル技研の資本を受け入れて傘下に入っていたとの話もありますので、そうした関係でなんらかの仕切り直しの話し合いが行われているものと推測します。
PSAJとしても可能な限り協力するとの方針を出しているので、債権者との話し合いがうまい方向にまとまることを期待したいです。
債権放棄させられる側はたまったもんじゃないですが…
https://www.fukeiki.com/2020/09/aichi-bank-debt-collection4.html