コロナ禍の状況において大きな打撃を受けている自動車業界ですが、外出自粛による商談機会の減少が販売台数大幅減という形でえげつない現実を見せつけています。
公共交通機関を忌避するマインドが高まり、パーソナルな移動手段としてクルマが見直される機運があるものの、今後の景気の先行き不透明感は嗜好品としての側面を持つ輸入車の販売にも影を落としているのが2020年の状況と言えましょう。
1月~5月までの実績では業界全体で117,425台(前年同期比78.7%)と、世界的な大混乱の中ではこの程度で踏み止まっていると見えなくもありません。
ただし5月単月で見た場合は23,273台(同53.4%)と惨憺たる状況でした。
各ディーラーも休業もしくは訪問の事前予約制を徹底するなど、まともな販促活動が成り立たない中で非常に苦労しながらビジネスを回す努力をされておりました。
某ディーラーの営業マンが
「いやぁ、やることないので草むしりと花壇に水をあげてましたよ」
って笑ってたのがなんとなく救いにも感じたものでした。
で、世の中withコロナ、Afterコロナであります。
慣れというのは怖いもので、あれだけ毎日の感染者数に一喜一憂していたところが、緊急事態宣言解除に伴い東京で50人/日越えをしてもさして驚かなくなってきました。
重症化が低確率であること、特効薬が開発されるまではコロナのリスクを受け入れて生活しなければならない事実を前に、「with」の状況を認識しつつ、個々の生活を回していくための覚悟を一人一人が持つようになったといえます。
経済活動も再び動き始め、複数のディーラーでお話を聞いても6月後半はかなりのハイペースで受注が戻りつつあるとのことです。
不安で抑え込んでいた消費への意欲が一気に爆発したようなある種のボーナスチャンス突入ということで、各メーカーともこの機会を逃したくはないでしょう。
そして悪夢の上半期が終わり、下半期へ明るい展望を描くための仕込みが始まっております。
豊かな収穫はまず種まきから。
下半期はクルマに限らず各業界で明るい話ができるようになるといいですね。
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