プジョーさんがやってくれました。
今週末から六本木ヒルズで開催される「PEUGEOT SHOW 2019」に合わせてプロモーションを強化する方針のようですが、その斜め上っぷりに少々驚かされました。
ってことで、プジョーのLINEスタンプですってよ、奥様。
LINEスタンプといえば、まぁ、あれですよ。
昨今のコミュニケーションに欠かせない表現手段であることは理解しています。
ただスタンプ市場も飽和しつつあり、余程インパクトのあるものか使い道がなければなかなか活用してもらえません。
で、今回のスタンプのデザインを見たときに一番感じたことは、
「これはどこを狙ってるんだろう?」
という点です。
ここで過去の類似例を見てみることにしましょう。
ブランディングの方法も含めて昨今のプジョーさんがお手本にしていると思われるBMWのプロモーションも、情報発信が主体でコミュニケーションの姿勢はほとんど見られません。
しかし、何をとち狂ったか、2017年にLINEアカウントでスタンプを配るという珍事をやらかしています。
「ミスターBMWスタンプ」
これまたどう活用したらいいんだこれ?みたいなデザインのスタンプでした。
使用期間はダウンロードから180日限定と、おおよそ活用してもらうことを考えてないプロモーションでした。
以降BMWはこの手の取り組みをやめてしまったように思われます。
プジョーさんも同じ轍を踏んでしまうのでしょうか?
デザイナーであるNEGIさんには何の恨みもありません。
ひとえうさぎはかわいいですし、その技術はすばらしいと思います。
ただ、プジョーという素材をスタンプにするというオーダーに、どのように活用されることを目指しているのか、その擦り合わせはちゃんとやってたんでしょうか?という率直な疑問が湧きました。
(得てしてこういうのはデザインをオーダーする側の問題ですが)
ようするにこれ、どこで使うの?ってヤツです。
まず、プジョーライオンちゃんですが、この認知度が世間的に限りなくゼロであることと、さらに不幸なことにプジョーオーナーの中でも認知度はそれほど高くないという事実があります。
デザイン的にアレな感じに揶揄されることもありまして…
蓮かよ… QT @Peugeot_Japon: メリークリスマス。
— 海鮮丼太郎sw (@kaisendon) 2015年12月24日
誰ですか?気持ち悪いとか言ってるのは? pic.twitter.com/JTVYWgiNDQ
以前のライオンちゃんはもう少し可愛げがあったんですが…
で、このプジョーライオンちゃんを題材にしたスタンプですが、当然ながら認知度がほぼない状態で使ってどのようなリアクションが得られるでしょうか?
「NEGIのデザインしたひとえうさぎとプジョーのコラボスタンプ。このライオンはプジョーのキャラクター。」
一目見てプジョーに関連したスタンプであることがイメージしづらく、“ひとえうさぎのコラボ”という一点からのアピールになっている感じです。ここまで説明してようやく意図が伝わる感じじゃないでしょうかね。
説明しなければスルーされてしまいそうですし。
説明しなければスルーされてしまいそうですし。
一目見てプジョーに関連したスタンプであることがイメージしづらく、“ひとえうさぎのコラボ”という一点からのアピールになっている感じです。
このスタンプを活用できる場面というのは、同じプジョーオーナー同士のコミュニケーションといったところでしょうが、それではプジョーブランドを広く知らしめる効果はあまり期待できません。
まったく新規のキャラクターをデザインするわけにもいかないですし、現時点でプジョーさんが活用できる素材がライオンちゃんだけってのはわかるんですが、それだったらむしろ現行プジョー車を前面に出したスタンプにしてしまった方がよほど使い勝手が良かった気がします。
しかもこのスタンプ、ダウンロードから180日間しか利用できません。
契約が関係しているものと思われますが、長く愛されて使って欲しいというメッセージはここからは感じられませんね。
LINE公式アカウントの運用は他の輸入車ブランドでも普通に運営されてますから特別なことではありません。
ただ、今まで一方的に情報を発信するもののコミュニケーションを取ろうとしなかったプジョーさんが突然スタンプというフレンドリーな形で接してきて、受け手としてどうリアクションしたらいいか困惑している、ってのが当方の正直な感想です。
公式アカウントを開設して登録を促進するためにスタンプをリリースするっていうのは、LINEからの導線を考えれば定番のプロモーション手法なんですが、代理店の言われるままにこれらが企画されたのだとすると今までのtwitterやfacebookページと同様、能がありません。
先日から当BLOGでも触れてきているように、プジョー(とシトロエンとDS)が客とのコミュニケーションの方向にプロモーションの舵を切り始めたことは明白です。
だったら一つ一つの取り組みにきちんと意味を持たせて欲しいわけです。
今回の取り組みを今後に活かす方法があります。
この路線を続けることです。
誰が何と言おうとライオンちゃんをプジョーのキャラクターとして前面プッシュしていくことです。
(ライオンちゃん路線じゃなくてもいいですけど)
それでブランドイメージがどうなるかは知りません。
今までのように何かやってはすぐやめて、みたいな散発的な動きをするぐらいだったら、例え失笑を買ってもこの路線を貫いていった方が、それが突破口となってコミュニケーションは案外成立してしまうものですよ。
やりっぱなしが一番良くありません。
果たしてプジョーさんは今後プロモーションの軸をどう転換させるのか?
あんまり急にハンドル切ると事故りますので、何事も着実に安全運転で。
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