エビちゃんのトークショーから見えるプジョーさんの狙い


東京モーターショーに合わせるような形で独自イベント開催をサプライズ告知したプジョーさんですが、そのイベント内容について詳細な案内ページができていました。

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初お披露目となる『208』『e-208』『Rifter』の展示や現行車種の体験試乗については既報の通りですが、何やら妙なトークショーの告知がありまして…


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蛯原友里 × 崎谷治(LEE編集長)トークイベント開催

ファッションモデル蛯原友里さんと、女性ライフスタイル誌 LEEの編集長、崎谷治氏による、「女性目線・ファミリー目線でのクルマ選び」「ファッション、ライフスタイルとプジョー」をテーマとしたスペシャルトークショーを開催いたします。

座席数に限りがございますので、参加ご希望の方は下記フォームよりお申込みください。

日時 10月19日(土)15時~(予定)
参加お申込み締切 10月10日(木)まで
※当選の場合、10月11日頃にメールにてご連絡いたします。
(落選の場合、ご連絡は差し上げませんので予めご了承ください。)

えーと…今日は10月8日です。
締め切りは10月10日です。

3日間の募集ってのもなかなか切羽詰ったスケジュールですね…

会場規模からいくと定員50名程度ってところでしょうか?
興味のある方はエントリーお忘れなく。

すげー興味があるんですけど、10月19日は予定が入ってて行けないんですよね…




...って、単なるイベント告知だけのエントリーで終わらせるわけがありません。

このトークショーから今後プジョーブランドが狙っているところを予測してみましょうか。

「女性目線・ファミリー目線でのクルマ選び」
「ファッション、ライフスタイルとプジョー」

この辺に散りばめられてるキーワード、どちらかというと今のプジョーさんには希薄なものが多い気がします。

女性オーナーがいないわけではありませんが、女性が積極的に選ぶクルマとしてプジョーの選択肢というのは他社のそれに比べて秀でているとは言えません。

ではファミリーはどうでしょうか?

実はこれ、プジョー自身はファミリーのイメージをあまり積極的にアピールしてきませんでした。

しかし実際のところ販売の主力である昨今のSUV路線の主要な顧客はファミリー層であり、また彼らはプジョーで出かけることで様々なライフスタイルを楽しんでいます。

その辺りは先日のギャラリー企画でも見事に可視化されていました。

つまり、従来の広告路線であるところの「プレミアムな無国籍感(高級感の演出)」「生活感を感じさせないスマートさ(泥臭いイメージを使わない)」「どことなく漂う男性目線のアピール(GQ JAPANのタイアップ等)から、「女性」「ファミリー」「ライフスタイル」といったどちらかというと大衆的なイメージへとアピールの方向を変えてきているように感じられます。
(「ファッション」についてはあえて触れませんw)

206から始まったワンモーションフォルムの時代は、その丸みを活かしたデザインからフェミニンなイメージを持たれることのあったプジョーが、新型3008から顕著になった直線を大胆に使ってスタイリッシュでスポーティなデザイン路線により、わかりやすくカッコよい方向へと大きく変貌しました。

そしてそれらの路線はが与えるイメージはある意味男性的なデザインであると言えます。

だからこそ今までのイメージと決別するようなアピールを行ってきたのだと考えられます。


では何故ここへ来ての路線変更なのでしょうか?

それは行き過ぎた男性的なアピールの揺り戻しと、新たにRifterによって獲得したい客層を想定しているから、と考えられます。

女性が主体的に選ぶブランドとして認知させたいならば、女性誌と組んでアピールするのが最も効果的です。
この辺り、雑誌の影響力はまだまだ死んでいないのです。

そして当初はLAV(Leisure Activity Vehicle)のカテゴライズでアピールしていたRifterが狙う市場は、ルノーカングーが切り開いた市場そのものです。

日本においてルノーが築いた特殊かつ熱狂的な「カングーという文化」に挑むには、まず同じ土俵に立つためのイメージ戦略が必要です。

すなわち豊かなライフスタイルを実現する、楽しいクルマであること。

そのためのアピール要素として「ライフスタイル」「ファミリー」要素の演出は必要不可欠です。

既存のプジョーオーナーが豊かなライフスタイルを実現していない、という意味ではありません。
むしろその逆であるのに、プジョー自身がそのことをアピールしてこなかっただけです。

プロモーションの路線変更にはいろんな反応が付きものですが、それを払拭するのは「説得力」と「継続」です。

イベントの時だけ都合の良いことばかり言っててもそれが続かなければ消費者の反応は冷めたままです。

商品力と従来のイメージ戦略で年間1万台規模を実現した今、より高みを目指すためにはきちんと腰を据えて今まで取りこぼしてきた層をじっくり獲得するための覚悟が求められます。

最盛期は年間1.5万台の規模があったわけですが、やり方によってはそれに迫る事はじゅうぶん可能だと当方は考えております。


…ところで。

ハードル上げまくってますが、エビちゃんはそもそもクルマについてどの程度のトークスキルをお持ちなんでしょうか?

「プジョーってオシャレですよね」

とか底の浅い発言したら会場から盛大に野次ってあげましょう。





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