前回はフォトギャラリー企画について話を伺いました。
今回は販売会社であるプジョーシトロエン東京(PCT)におけるマーケティングの立場からどうお客様に向き合っていくのか?ということをメインにお聞きしました。
──販売会社であるPCTとしてマーケティングのお仕事をされる意味とは?
先ほどもお話した通り、自動車業界は初めてだし、いわゆるBtoCも初めての経験ではあります。
その分、自動車業界やディーラーはこういうものといった固定観念がなく自由な発想が出来る人材をPCTが探していたようで、そこで迎えてもらった次第です。
一番最初に言われたのは、いかにお客様に来てもらえるショウルームにするか?という点です。
「いろんな人が来てもらえるようするために仕事をして欲しい」
と言われたことを心に留めながらいろんな仕事を考えています。
──既存のお客様と新規のお客様で対応は変わりますか?
新規、既存というのはあまりこだわっていません。
本当に買わなくちゃいけない、買うと決まってる人は自分で場所を調べて来店されます。
では、いつか車が欲しいとかいつか買い替えるかもしれないという、潜在ニーズはあるものの表に出ていないお客様をどうやってディーラーに来てもらえるようにするのか?その観点に立つと、他のブランドからの乗り換えなども含めて、車に乗るすべての人を対象として考えています。
実は、プジョーというブランドを知らないって人はそんなにいないと思っています。
でもクルマを買おうと思ったときに候補として思い出してもらえるか?プジョーってどこにお店があるんだっけ?そういった選択肢にプジョーが浮かび、ショウルームがここにあると認識して頂くことで初めて来店に繋がってくるわけです。
だからプジョー目黒を忘れないで…という気持ちですね。
──メーカーは広告を打つことで商品の認知度を高めることが出来ますが、ディーラーとして出来ることは何だと思いますか?
メーカーが商品の広告を打っても、それがどこで見れて商談できるのかが伝わらなければなりません。ですから、目黒や中央などのディーラーがここにあるよ、ということをどうやって伝えるかが大切になります。
まずご存じない地域の方にどうアプローチするか。これは各店舗の管轄になっている地域にプジョーディーラーを知ってもらうためローカルな広告活動を行っています。新規のお客様も大切ですが、すでに登録されているお客様ともいかにコミュニケーションを続けていくかも併せて考えていかなければなりません。ギャラリー企画もそうした観点の動きに含まれます。
──各店舗の特徴を教えてください。
PCTが運営しているプジョー目黒、シトロエン目黒、プジョー中央、シトロエン中央、DS青山、そして有明サービスポイント。
これらの店舗の来客数を向上させるのもミッションの一つです。とはいえいくつもあるのである程度優先順位を付けて対応しています。
プジョー目黒は歴史もあってお客様は割と自発的に来店される方が多いです。
しかし目黒エリアは人がたくさん住んでいますが、競合店も多いので、どうやってプジョーのブランドを際立たせるかが難しいですね。とにかくこの界隈に住んでいる方に、プジョー&シトロエン目黒をどう認知してもらうかを常に考えています。
しかし目黒エリアは人がたくさん住んでいますが、競合店も多いので、どうやってプジョーのブランドを際立たせるかが難しいですね。とにかくこの界隈に住んでいる方に、プジョー&シトロエン目黒をどう認知してもらうかを常に考えています。
今年新規にオープンしたDS青山は、まだリピートで買うお客様がほとんどいない状態なので、まずはショウルームにどう来店していただくかをずっと考えています。
DSはブランド戦略としてあまりガツガツした売り方をしない…ように見えて、けっこうガツガツとやってはいます。
とはいえDS青山は国内のDS Storeの中でもフラッグシップで代表的な位置付になりますので、ショウルーム内はDSの世界を空間で感じられるような作りにしています。ですので、訪れた方が買わなくちゃいけないとか売りつけられるとかそういうことはない雰囲気にしています。
青山という土地の持ってる雰囲気とDSの雰囲気は会ってるので、あそこにあることが一つの広告になっています。
とはいえDS青山は国内のDS Storeの中でもフラッグシップで代表的な位置付になりますので、ショウルーム内はDSの世界を空間で感じられるような作りにしています。ですので、訪れた方が買わなくちゃいけないとか売りつけられるとかそういうことはない雰囲気にしています。
青山という土地の持ってる雰囲気とDSの雰囲気は会ってるので、あそこにあることが一つの広告になっています。
ただ商売ですからある程度お客様が来てくれないと商売になりません。ですので今はとにかく、なるべく多くの方に見ていただきたい。来客していただく方を増やすことが今のミッションですね。
一方でプジョー中央とシトロエン中央は、湾岸エリアの再開発によって新しいマンションなどが多いエリアなので、自発的に来店されるお客様が多いですね。
引っ越しされてとか、家族構成が変わって買い換えるといったことがちょうどあの地域には多いタイミングなのかもしれません。
ギャラリーへの応募もキャンプなどレジャー風景のものが多く見られましたので、アクティブなファミリー層にプジョーやシトロエンのSUV路線が浸透しているとも言えますね。
──ブランドによる客層に合わせて打つべき手は変えてるのですか?
プジョー、シトロエン、DSと一般的にブランドの位置付けが決まっているように思われることもありますが、実際はそこまで完全にカテゴリ分けされてるわけではないと思っています。いろんな方がいるので、あまり決めすぎてそこにしか伝わらないことをしてしまうと、本当に求めてる人に届かないこともあるのでは?と考えています。
これはギャラリー企画で集まった写真の傾向などによって見えてくる部分もありますので、そうしたところからお店に適した方針を薦めていければと思っています。
──PCTとしてどういうディーラーでありたいと思いますか?
PCTの社長はインポーターであるPCJの社長でもあるクリストフ・プレヴォ氏が兼務しています。
プレヴォから言われているのは、ディーラーとインポーターは常にチームとして一緒に働いて一緒にいいものを作って欲しい、というものです。
プレヴォから言われているのは、ディーラーとインポーターは常にチームとして一緒に働いて一緒にいいものを作って欲しい、というものです。
ディーラーとしてのあるべき姿は、「何かあったらあそこへ行こうかな」と思ってもらえるような場所であることですね。
今は組織的、体制的に沢山の方がいらっしゃってもこまめに対応できる仕組みがないし、いろいろなケアができる状況ではありません。ただ、私としてはディーラーが何か思い出してちょっとあそこに聞いてみようかな、という所になれればいいな、と思います。
どんなものでもそうですが、買わないのにお店に入るのって「何しに来た?」って思われるかもしれないし、実際嫌な思いをしてしまうこともあったかもしれません。だから、何か来ていただく理由を作ろう。
「フォトギャラリーを見に来ました。」とか「何かやってるって聞いたから来たんです。」など、何か一つ理由があれば入りやすいと思うんです。そういうお客様が来やすいきっかけを作ることをこれから時々でも出来るといいな、と思っています。
──営業担当の方とはどのように連携されているのですか?
営業担当は日々お客様の対応をしているので、日常的に時間をとってミーティングすることはなかなか難しいのです。
こまめに拠点を回って空いてそうな時間を使って、営業担当を捕まえてアイディアに対する意見をもらったり、お客様がどんなことを仰ってたかなどを教えてもらったりといったコミュニケーションをとっています。
──自由な情報発信手段としてのスタッフブログはどう捉えていますか?
メーカーから発信する共通の内容は、PCJがフォーマットで送ってくれて、それを掲載しています。それ以外の部分はお店の自由度があって好きにしていい、ということになっています。
スタッフがあまりプライベートを出し過ぎるのは良くない、と一度だけ通達があったようですが、あまり厳密なガイドラインを作らずに好きに書いてもらっています。ただ、更新頻度のムラは何とかならないかと思ってますが(笑)
内心もうちょっとこうした方がいいのに…とか、これを使えばいいのに…というのもありますが、あまり指摘してしまうとお店それぞれの味が出なくなってしまうので、今は見守っている感じですね。写真の撮り方とかせめて縦横を直そうよとか大きい写真じゃなくてトリミングしようとか思うところはありますが、ブログのプロじゃないんだし、そういうおっちょこちょいなところも営業の個性(味)として感じてほしいですね。
──小平店ブログの心温まるエピソードをご覧になってどう思われますか?
(注)2016年に話題になった、乗り換えのお客様がこっそり隠した手紙のエピソードの件です。
初めて拝見しましたが、素敵なお話ですね。
お客様に一番近くで接している営業担当はこういった素敵なお話をいっぱい持っているのかもしれません。ただそれをブログにアップするという発想があまりないのかもしれませんが、素敵なお話を皆さんに知っていただく役割は果たせるかもしれませんね。それによってお店の事をより身近に感じていただくことにも繋がりますし。いいヒントをいただいた気がします。
──オーナーとしてプジョーのロゴが付いたグッズを買いたいというニーズはあると思いますが、最近はそういうものがあまり充実していない印象です
そうでしたか。あまりその点については意識していませんでした。
毎年PCTとしてフレンチブルーミーティングの会場でグッズを販売していますが、毎回たくさんのお客様が買いに来られるという話は聞いています。そういった雰囲気がディーラーにも日常的にあると、それは嬉しいことですね。
──グッズはブランドロイヤルティの表れだと思うので充実すると楽しいと思います
PCTという販売会社としてよりインポーターであるPCJマターの話になりますが、確かにグッズ、アクセサリーが充実していることでオーナーの方が喜んでくださることはあると思います。フレンチブルーミーティングに私も販売応援で行くので、そこでお客様がどういったグッズを選ばれるのか、勉強してこようと思っています。
──フレンチブルーミーティングについてはどうお考えですか?
実は入社するまでまったく知りませんでした(笑)
今年もPCTとしてグッズの販売を、PCJは508を持ち込んで展示&試乗会を開催します。そのお手伝いに行きますが、毎年とても忙しくなると聞いて戦々恐々としています。たくさんのブースがあってどこまで見られるかはわかりませんが、フランス車のオーナーの方がどのようにカーライフを楽しまれているか、この目で見てたくさん勉強できればと思っています。
──楽しいお祭りですので、ぜひ楽しんできて下さいね。今日はありがとうございました。
2019.9.28 プジョー目黒にて
この記事へのコメント
acatsuki-studio
美辞麗句が並ぶけど、インポーターとディーラーの関係はまだ現実的におっしゃるようなものになっていないと感じます。
海鮮丼太郎
仰るとおり、まだまだだと思います。
だからこそ、継続した取り組みで認知が広がっていくことを期待して、応援したくもなりました。
PCTの取り組みが全国各地に広がって、日本中のプジョーオーナーがプジョーを選んで良かったと思えるような環境になるといいですね。
そのために改革すべきことは山ほどありますが。