男が育児で出来ること(2)

gyudon_papa.jpg

男性も積極的に育児に関わっていくべきだ。

では具体的にどうやって?

日常の家事分担は個々の家庭の事情に応じて調整するべきであって、やるやらないの話ではありません。どうやるか、という話です。

ここで主題にしたいのは、もう少し広範囲の育児への関与です。


幼稚園や保育園に通わせるようになると、大抵の場合は園とのやりとりはママが担うことになります。

日常的な様子を連絡ノートでやりとりすることで子供の状況を把握するわけですが、これらに目を通して情報を共有しているパパさんはどれぐらいいるものでしょうか?

そんなヒマねえよ、ってところでしょうが、当方も実際そんなものです。


こうしてパパだけ距離が開いていき、育児への関与がなかなか増えないのはある意味しょうがない話です。

とはいえ、パパとしてもできることなら育児に参加する機会を作りたいし、ママの負担も軽減したい。


そのために娘さんが通っている幼稚園には任意参加のパパ会があり、幼稚園行事のヘルプから独自イベントの企画まで、さまざな活動を行なっています。
(この幼稚園に決めた大きな理由にこのパパ会の存在がありました)

パパ会というのはある意味大人の部活動のようなもので、BBQの仕込みをしたり花火大会やミニ運動会などを開催することで、子供のためとはいいつつも、大人自身がその準備を楽しんでいたりする側面があったりします。

そりゃ大人になって園庭に石灰で白線を引くとか、ダンボールで迷路を作るとか、米20kgを炊いてカレーを作る経験する機会なんて、ほとんどなかったりしますからねぇ。

その準備のための会合や、メインスタッフによる事前打ち合わせを兼ねた飲み会は、パパ同士の親睦を深める意味あり、その活動意義は素晴らしいものだと感心しております。

当方は諸事情でフルコミットメントできない状況ですが、それでも参加していると疲れますが楽しいし充実感も味わえております。

で、このパパ会の活動の主目的はパパの育児参加とママの負担軽減にあるわけで、イベントがあるとその参加資格は基本的にパパとママの揃った家族ということになります。

当然と言えば当然なんですが、ここでちょっと引っかかる経験がありました。


昨年の話ですが、年少の娘さんと同じクラスの子のママさんと、ばったりドーナツ屋で出会いました。

親同士は面識がなかったのですが、娘さんを見つけて声を掛けてくれたそうです。

当方がパパ会に参加していることを知っていて、しきりに羨ましがっていました。

「旦那さんもパパ会に参加されてみたらいかがですか?」

とお伝えしたところ、

「旦那は単身赴任中なので…」

あ…なるほど。

多感な時期を迎えた小学5年生のお兄ちゃんと、3歳の娘さんの2人をそのママさんだけで育てているので、なかなか気が休まらない…というグチから始まって、出てくる出てくる育児の悩み。

当方は人の悩みを聞くのが趣味というか特技ですので、思いの丈を思う存分吐き出してもらいました。

いいんですよ、いくらでも聞きますから。


月に一度は旦那さんも帰ってくるそうですが、やはりそれで日常を回すことは難しいわけです。

旦那が悪いと言いたいわけではなりません。

世の中いろんな家庭の事情があって、それぞれに悩みがあるんだなぁ、ということを今更ながら気づかされました。

一通り話したらそのママさんもスッキリしたようで、また今度飲みながらでもグチを聞いてください、と言って別れました。


幼稚園のイベントにはもちろんそのママさんと娘さんも参加できるわけですが、パパ会独自のイベントには、そうした家族は参加できないのが今のルールです。

本来のパパ会のあるべき姿としては、男手を集めることで子供と一対一以上リソースが確保できるわけですから、自分の嫁さんの負荷軽減だけでなく、こうして何らかの事情でパパが不在のママさんなどの負担も軽減してあげることはできるんじゃないの?とか思い悩んでしまうわけです。

現実問題として、仮に子供を預かってママさんは自分の時間を過ごしてもらう、みたいな運用になったとき、万が一怪我でもしたらその責任は?とか、旦那さんに余計なプレッシャーをかけることになるのでは?といった懸念があります。

とはいえ、一人で育児をしてヘトヘトになってるママさんを見かければ、何らかの手を差し伸べられないか?と思うのはパパ会だからとかそういうのは関係なく、人として普通の感覚なんじゃないかな、と。

自分の嫁さんのケアも万全とは言えず、娘さんの躾も十分にできていないのに、他人の心配ばかりしてる場合か、とも思うんですけどね。

男として生まれて、結婚して子供を授かることができて、さてこれから自分は何ができるだろうか?みたいなことを考えると、せめて自分の手の届く範囲の人たちに笑顔でいてほしい、とか思うようになるんですよ。

おこがましいでしょうかね?


…結局、上記のママさんは今年に入って旦那の単身赴任先に合流する形で引っ越していきました。

どういう理由かは直接聞いてないのでわかりませんが、その話を嫁から聞いたとき、「あぁ、助けてあげることができなかった…」と感じました。

せめて口約束だった飲みながらグチを聞く会を開催しておくべきだった、と。

これは自惚れが過ぎるというものでしょうかね?


育児に悩むママさんの話を耳にすると、あのドーナツ屋での出来事を思い出してしまうのでした。

前回のエントリーでも書いたように、ただ話を聞いてあげるだけでも状況が楽になるのであれば、そういう活動でも立ち上げてみようかしら?などと考える今日この頃です。



この記事へのコメント