販売が好調なプジョーさんではありますが。
他のメーカーがブランド強化と販売促進には既存オーナーのエクスペリエンスが大切だ、ということでイベントやSNSの活用によるオーナーとの接点を積極的に持つ施策を打ち出す中、まるで逆張りするかのように徹底して既存オーナーを無視し続ける我らがプジョーさん。
その分新規顧客の獲得のために販促予算を振り向けていたようで、雑誌のタイアップ広告やベタなバナー広告など、非常にオーソドックス(悪く言えば古臭い)宣伝ばかりが目に付く状況でした。
ディーゼル投入以降、プジョー車は愚直に商品力の向上に勤め、それが販売実績に結びついたことは見事な成果だと思いますし、そのことを否定するつもりは全くありません。
ただ、こうした極端な
“釣った魚にエサを与えない姿勢”
こそが、
プジョーオーナーのブランドに対する忠誠度が向上しない原因
になっているというのが当方の考えです。
そうしたオーナーの熱量の低さを表すような事例があります。
PCJ(プジョー・シトロエン・ジャポン)は新車登場やキャンペーンに合わせてたまにtwitterやInstagramで投稿企画を実施してきました。
例えば #PeugeotFans や #MYNEWC3 で投稿を呼びかけた企画などのことです。
企画の情報はそこそこ拡散されるものの、実際の投稿数はイマイチ伸びずに終了してしまいました。
この盛り上がらなさこそが、現在のオーナーの熱量の低さを表すものであると言えるでしょう。
比較対象としてルノーが展開しているカングーオーナー向けのハッシュタグ #withkangoo を追ってみれば、その熱量の差がご理解いただけるかと思います。
投稿企画が盛り上がらないことほどプロモーションにおいて悲惨なことはありません。
実は一昨年シトロエンが実施した「CITROEN NEW C3 フォトキャンペーン」という企画で、思うところをtwitterに投稿して、こんなエントリーを書きました。
その後twitterの投稿がキャンペーンの応募扱いになってミニカーが当選してしまう、という珍事がありました。
恐らくあれ、応募者全員当選してたのでは?
そのぐらい投稿が集まってませんでしたので。
そのぐらい投稿が集まってませんでしたので。
プジョーならびにシトロエンのSNSアカウント運用に関しては、SNS運用を手掛ける業者に丸投げというおよそやってはいけない運用の典型例であったと言えます。
PCJが何を考えてこのような逆張りの施策を続けてきたのかよくわかりませんが、このままでいいとは思ってない人も少しはいるのかな?と思える動きがありました。
現在PCJ本社があり旗艦店でもあるプジョー目黒(&シトロエン目黒)にて、オーナーから愛車の写真を集めたギャラリー企画を実施するとのアナウンスがありました。
PCJ本社のあるプジョー目黒で珍しくこの手の企画を開催するそうで。ただ、サンプルの写真がイマイチ。こういうのは引きで撮ったサンプル載せなきゃ意図が伝わらんでしょ|プジョー目黒 - プジョー目黒フォトギャラリー2019 ~ あなたのプジョー車の写真でぜひご応募ください! https://t.co/DGAmKpaH7L
— 海鮮丼太郎@無念FBM欠席 (@kaisendon) 2019年8月9日
プジョー全体ではなくあくまでプジョー目黒の企画という体ではありますが、オーナーとの接点を作ろうというPCJの意図が感じられます。
ただこの企画、プジョー目黒の利用者だけが対象と思われているようで、情報がなかなか拡散しませんでした。
このまま地味に企画倒れで終わるのかな…?と思っていたら、なんとプジョー目黒からオーナー向けにDMハガキが届きました。
おいおいマヂかよ…
今までいろんなDMが届くことがありましたが、投稿を呼びかけるDMを受け取ったのは初めての経験です。
これを見て感じたことは、
「力を入れた企画の割に投稿が集まらず苦戦してるのかな?」
ということでした。
…なんだか必死さが伝わってきたこともあり、当方も何か手持ちで良さげな写真があったら投稿してみようと考えました。
この手のギャラリー企画では求められる要素ってものがあります。
っていうか、当方が企画するならこういう写真を集めたいと考えます。
・オーナーの愛と情熱が感じられる
・車がオーナーのライフスタイルを豊かにしている
これらはすなわち、今のプジョーブランドのイメージに最も欠けているものだからです。
その視点で投稿を促すプジョー目黒のブログの写真を見てみましょう。
間に合わせで掲載したんでしょうが、これはあまりにヒドすぎます…
せめてもう少しウケそうな写真を選びましょうよ…
ってことで、ラジオ番組で読まれるために工夫をこらすネタ職人としての血が騒ぎます。
16年におよぶプジョーさんの写真の中からとっておきの一枚をセレクトして投稿しておきました。
締切後にプジョー目黒の企画担当の方からメールがありました。
応募総数は30を超えたそうです。良かったですね。
すべての写真をパネルにしてギャラリーに展示するとのことです。
ってことで当方の写真もギャラリーに並ぶようですので、他のオーナーの方がどんな写真を投稿されたのかってのも含めて、冷やかし半分に見に行ってみようと思います。
【プジョー目黒 フォトギャラリー2019】
日程:2019年9月13日(金)~10月1日(火)※水曜定休時間:10:00~19:00場所:プジョー目黒(東京都目黒区碑文谷5-1-3)※どなたでもご覧いただけます。ご予約や費用等はございません。
…できればこの企画の担当者さんにいろいろインタビューしてみたいんですが、今週末いらっしゃいますかね?
この記事へのコメント
ゴビゴビ
海鮮丼太郎
コメントありがとうございます。
当方がプジョーに対して興味を失ってBLOGを書くモチベーションが下がったのも昨今のこうした姿勢があったから、というのが一因だったりします。
どんな商売でも共通している事ですが、客を気持ちよくさせることで関係が継続するっていう当然のことが、意外と実践できていないケースはよくありますね。
クルマに関しては定期的なメンテナンスが発生しますので必ず定期的にディーラーを訪れるわけで、他の商売に比べれば客との接点が恵まれているはずなのに、その機会を活かしていない営業マンが多いのがとても気になります。
客側はきっかけ(機会)が欲しいんですよね。
メンテナンスにおいても単に現状維持のためだけでなく、今よりライフスタイルを豊かにしてくれる提案があればお金を払う意志もあるわけです。
そのためには営業担当が個々の客が何を考えているのか、それを会話の中から引き出して知識としてストックしておくことが大切なわけです。
たとえば家族構成が変わったとか、新たな趣味を始めたとか、そういう切り口から自社で扱っているオプション類を提案するっていうのは、継続した付き合いがあってこそ可能になります。
当方のように307swを気に入って乗り続けている客に無理に乗り換えを薦めるのはバカのやることです。
当方が付き合いのある営業担当はその辺よく理解していてくれて、適度な距離感を取って接してくれています。
ゴビゴビさんのようにお子様が免許を取っているという話があるのなら、当然認定中古車を薦めてきてもいいでしょうし、場合によっては現車の左前にへたくそ棒(コーナーポール)の装着を提案してくれてもいいわけですよね。
そういうのは何気ない会話の中からお客さんの立場に立って考えれば自然と出てくる話だと思います。
結局のところ、客が欲しいのは
『プジョーに乗る理由』
であるわけです。
プジョーに乗っていて良かったと思えること。
それはプジョーというクルマがもたらすドライバビリティというハードウェアの楽しさに加えて、プジョーというブランドを所有することによる満足感というソフトウェアの両輪であるべきだと思っています。
そうしたソフトウェア的な施策が欠けているのが、エントリーで書いたオーナーの熱量の低さである、と思います。
果たしてプジョーは変わる意志があるのか?
ギャラリーの様子から見えてくるものがあると思いますので、今週末にお邪魔してこようと思っています。