シェアサイクル事業の難しさ

会社が千代田区にあるので当方にとっては「ちよくる」としてよく利用しております。

シェアサイクル、とても便利なんですよね。

最近でこそいろんな会社がシェアサイクル事業へ参入してきているわけですが、日本で最初に事業を立ち上げ最大の事業規模を誇るドコモでさえ赤字で苦しんでいるわけです。

DMMのように事業参入を高らかに宣言しながらサービス開始する前に撤退を発表するなど、事業として成立させるのが非常に難しいビジネスだと思います。

シェアサイクル事業はポート(貸出拠点)を整備さえしてしまえば後は勝手にお金が入ってくるだろうみたいな甘いものではなく、利用者の偏りによって生まれる自転車配置の最適化や、酷使される自転車のメンテナンスコストがもろに経費として跳ね返ってきますので、無尽蔵に事業を拡大するのも考えものであります。

DMMの例を出すまでもなく、特にベンチャーがこの手のコストを甘く見積もっているようで気になります。


シェアサイクルの最大のメリットは、借りたいところで借り、返したいところで返せるという自由度の高さにあります。

ポートの数が増えれば増えるほど、その自由度はさらに高まります。


千代田区内だけで展開していた「ちよくる」を例に考えてみましょう。

例えば当方のように神保町で借りて秋葉原で返すといった利用が可能なわけです。

地下鉄より圧倒的に早く、そして安く移動できるのでこれはとてもありがたいわけです。

ただ皆が同じように利用すると、神保町のポートに貸出用の自転車がなくなり、秋葉原のポートは返却された自転車で溢れかえることになります。

そのためドコモはポートに自転車が溢れかえる懸念がある場合、トラックを出動させて物理的に自転車を引き上げて不足しているポートに再配置するというかなり泥臭いオペレーションをしています。

駅前の放置自転車を撤去するトラックを見たことがあるかと思いますが、あんな感じです。

もちろん利用者の行動パターンを解析してポートを新設しているため、ある程度は勝手にポート間での再配置が行われることによってうまく回るよう事業設計をしていますが、やはり人手を使って最適化を図らなければならない状況は変わりません。

コスト削減を進めるにはこの最適化をどれだけ効率化できるかに掛かってきます。


それともう一つの問題が自転車のメンテナンスです。

シェアサイクルの利便性が知れ渡ることにより利用者は増加の一途を辿っています。

それはすなわち売上の向上につながるので歓迎すべきことではありますが、シェアサイクルで使われているのは電動アシスト自転車です。

当然のことながらバッテリーを充電して差し替える必要がありますし、タイヤの空気を入れたり各部のメンテナンスは欠かせません。

充電の問題はポートに返却したら自動で充電できるようになればかなり改善されますが、現在のインフラではそこまで高度な仕組みにすることが出来ません。
(コストを掛ければ実現可能ですが採算が更に厳しくなります)


また最近は法人需要が増大したことにより、営業車の代わりとして使われることが増え、長時間占有されたり酷使される率が極めて高くなりました。

この辺りは料金プランの設定ミスな気がしますので法人の利用に関しては割高な設定をするなどしないと事業として継続するのが難しい気がします。

シェアサイクルは都内の移動の足として極めて高い利便性を提供してくれるインフラに成長したと思います。

でもいつまでも赤字で事業が成り立つわけがありません。

この辺り、なんとか状況が改善することを願って止みません。

今後はセブンイレブン&ソフトバンク陣営やその他の事業者が都内でのサービスを強化してくるでしょうが、将来的にポートの共有化などによって維持コストをどこまで下げられるかみたいな展開になることを期待します。

ドコモに限らず事業者各位にはもちろんきちんと利益を上げてほしいとは思いますが、移動のインフラを担うという覚悟も持ち合わせてもらいたいものです。

片手間で出来る事業じゃありませんよ、ホント。


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