自らの壁を打ち破るために修行に励む。
前に進む努力こそが、人を成長させる。
だから、おいらは灼熱の業火に晒されながら、己の悟りを開くべく修行に励んだ。
そして、突然だが神はいた。
灼熱の修行部屋において、神は少しでも我々の苦しみを癒すためだろうか、修行僧十数名の前に、あるビジョンを映し出してくれた。
その神の名はエンタ。エンタの神様と仰られた。
それにしても、神は気まぐれ、というかかなり意地悪である。
よりにもよって、このレベルのお笑いを我々にお与えになるとは…
灼熱に耐えるだけでもかなりハイレベルな修行であるにも関わらず、併せて精神力をも試されることになろうとは。
ひょっとすると、神は我々に癒しではなくさらなる苦行を課せられたのではないか?
修行僧の間に妙な猜疑心が生まれるのがハッキリと感じられた。
アフレコでかぶせられた不自然な笑い声。
完全にパターン化された小ネタの連続。
わかりやすいというより、無いに等しいオチ。
これで笑うことは、自らの堕落を証明するようなものだ。
無言の刻が流れる。
かすかに笑い声を上げた男を、周りの僧達の刺すような視線が襲う。
ここは、笑うべきところではない。
修行僧の中にも、鍛錬を重ねたものから新参者まで様々なレベルが存在する。
普通であれば10分以上平気で修行部屋に留まることができるであろう、屈強な肉体を持つ僧が、だいたひかるを前にして頭を振りつつ出て行った。
デッカチャンとかいう芸人のタイコの音に合わせて、5名の修行僧が耐え切れずに出て行った。
入ってきてから1分もたたずにで出て行く僧もいたことから、エンタの神様の与える試練は灼熱に耐えることより更に高い修行のレベルが求められるようだ。
そして、そんなおいらもアクセルホッパーが出てきたあたりでギブアップした。
決して熱さに耐えられなかったわけではない。
しかし、こんなものを見せられるぐらいだったら、おいらは名誉ある撤退を選ぶ。
こうして、おいらはエンタの神様が与えたもうた試練に敗れた。
しかし、サウナ室から出てきたおいらは清々しい気持ちだ。
エンタの神様で一度も笑わなかったのだから。
この記事へのコメント
ノ~○ロムゲスト
海鮮丼太郎
俺ってすごい。マヂですごい。