富士スピードウェイで行われるフィアットのオーナー向けドライビングレッスン。ブランドプレミアムを高めるのにこういう施策って効果的よね。午前と午後で25名ずつ。参加費1万円だけど内容考えれば高くないと思います。|『FIAT SAFETY DRIVING』 https://t.co/Rig4sasBMP
— 海鮮丼太郎 the Junker (@kaisendon) 2018年2月16日
以前は専門店での展開だったアバルトをフィアット店でも売るようになったので対象を広げた感じですね。恐らく参加者の大半はアバルトオーナーでしょうけど、参加資格を広げてアピールすることには大きな意味があると思いますです。
— 海鮮丼太郎 the Junker (@kaisendon) 2018年2月16日
“モノ”から“コト”へ。
消費の形態において“体験”が重要なファクターになっている昨今、クルマのような消費財を売る際のマーケティングでも重要になってきているのがブランド価値の向上や体験の提供になってきております。
商品力を高めることは必要ですが、それだけで商売になるほど日本市場は甘いものではありません。
だからこそメルセデスは六本木に体験型拠点を、BMWはお台場に巨大ディーラーを建てたりするわけです。
ルノーは昨年の東京モーターショーではルノースポール(R.S.)ブランドに絞ってアピールし、サーキットイベントなども定期的に開催することで走りの楽しさを訴求しています。
フィアットグループ(FCAJ)においてはクライスラーの撤退こそあったもののアバルトやアルファロメオはその強烈なイメージ訴求により販売を伸ばし、JEEPに関してはSUVの商品力とイメージ戦略でアメリカンブランドで唯一国内で気を吐いております。
国産車に対するカウンターとして輸入車に求められる要素のかなりの部分に“走る楽しさ”がある以上、その要素を強めてやれば必然的に販売に結びつくことは当然どのブランドも意識しており、サーキットの走行イベントなども開催されるようになりました。
この辺りの流れは特に目新しいわけではありませんが、今回注目したのはフィアットです。
4月8日に富士スピードウェイで開催されるフィアットオーナー向けのレッスンプログラムでありまして、これによって「走る」「曲がる」「止まる」の基礎的な知識からショートコースでの走行体験まで自分のクルマで体験できます。
上記ツイートでしゅがりん氏(ex.106)が指摘してくれているように、元々アバルトオーナー向けに開催されていたレッスンプログラムが、昨年から対象をフィアット全車種まで広げて開催され始めました。
これによりスポーティグレードだけでなくノーマルグレードやあまりこの手のイベントに適さないパンダや500Xといった車種も参加が可能になりました。
対象が拡大したとはいえ、こういうイベントに参加するオーナーの大半がアバルトブランド乗りでありましょう。
しかし大切なのは、全てのフィアットオーナーに参加の門戸が開かれているという事実であるわけです。
たとえ詳しくなくても、体験から自分のクルマに対する理解と愛着が進むことで、そのオーナーにとってのフィアットというブランドのプレミアムは間違いなく向上します。
そういったことの積み重ねがオーナーの熱量を高めていくことになり、全体の底上げに貢献してくれるわけです。
フィアットはこうした走行体験型イベントと、『CIAO FIAT! 10th BIRTHDAY 2017』のようなファン交流型イベントによってソフトとハード両面でのファン獲得を進めています。
これはルノーが毎年カングージャンボリーとサーキットイベントによって支持を拡大している動きと同様であると言えます。
ルノーとフィアットは、先進安全装備でPCJ(プジョー・シトロエン・DS)に比べると商品力において一歩劣っています。
しかしこうしたイベントによってファンの獲得とブランド力を向上させることで、商品力をカバーしているわけです。
各社の戦略はいろいろあるわけですが、オーナーとして何が嬉しいかと考えると、フィアットやルノーの取り組みは間違いなく魅力的であります。
翻って我らがPCJさんは体験型やファン交流型イベントにはあまり積極的ではありません。
昨年は11月にPEUGEOT LION MEETINGの代わりにPEUGEOT LION RALLYが開催されましたが、仙台開催ということもあり参加台数は70台程度であったとのことです。
<プジョー>被災地で交流支援 全国から70台が集結
DSブランドのアピールとして開催されていたDS DAYに関しても2017年ってやりましたっけ?
昨今のPCJは先進安全装備やディーゼルの投入など商品力を高めることで販売数を増やす方針であり、実際それで前年比プラスで推移はしていますが、どうにもオーナー同士の交流があまり活発でないことがブランド価値向上の阻害要因になっている気がしてなりません。
昨今一部で見られる同じプジョーでありながらディーゼルオーナーのガソリンエンジンDISは不毛な領域に達している感もあり、空気の悪さといったものを感じます。
スタッフの人数も限られる中で全方位で顧客対応するのが難しいことはよくわかりますが“プジョー、シトロエン、そしてDSに乗る意味”をメーカー自ら提供していかないと、次の選択でオーナーは離れてしまいますよ。
それはすなわち、いつまでたっても顧客の獲得コストが下がらないことにも直結しますので、あまり効率の良い運営とも思えません。
って、フィアットの話をしてたのがいつの間にやらプジョーさんの話になってしまうのが当BLOGの悪いクセですね。
ってことで、フィアットさんはこの感じでオーナーの満足度向上を粛々と進めていっていただければと思います。
そういえば元プジョー広報の英さん、フィアットに行かれたのでしたよね。
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