kaisendon / 海鮮丼太郎 the Junker
さて春も近づいてきたので久し振りにバイクでも洗おうかと近所のコイン洗車場に来てみたら潰れてた。
自分で車洗うという行為も好き者の文化になってしまいましたかね?
週末はそこそこ賑わってますけど平日とか客ほとんど見なくなったし。 at 02/27 20:29
月末は仕事もひと段落するので早く帰ってきてバイクの洗車をしに行ったんですよ。
細かい部分は後日改めてバケツに水入れて家の近くでやるとして、とりあえずドロドロに汚れた状態をコイン洗車場の高圧洗浄で洗い流そうと思いましてね。
で、当方の住んでるエリアはまだまだ自家用車の所有率も高く各ブランドのガソリンスタンドが結構あり、コイン洗車場も3km圏内に点在しております。
で、冬もそろそろ終わりに近づいてきたということで洗車場に行ったらこの有様ですよ。
なんでも
「23年間営業してきたけどもうおしまい。」
ってことらしいです。
設備がそれほど古くなったわけでもなかったので、純粋に経営判断というところでしょうかね。
上記ツイートした通り、最近コイン洗車場でクルマを洗っている人を見かけることが少なくなりました。
要因はいくつか考えられますが、
・クルマが嗜好品ではなくなった
・クルマに対する相対的な関心の低下
・ガソリンスタンドなどの全自動洗車機の性能向上
・塗装、コーティング技術の向上
このあたりでしょうかね。
クルマが嗜好品であった時代は、クルマは常にピカピカに輝いていることに大きな価値がありました。
週末になればガレージで洗車してワックスを丹念に塗りこむ光景がそこかしこで見られましたが、昨今はそういうのも少なくなりましたね。
クルマ離れなんて現象が進む状況も相まって嗜好品から日常の道具へと位置付けが変化したことが、洗車に対する関心の低下を招いているともいえます。
一方で、技術的な進化の側面も見過ごせません。
ガソリンスタンドなどに設置されているゲート型の全自動洗車機も、昔は回転するブラシの品質が悪く洗車後に細かなキズが付くことが多くクルマ好きからは敬遠される存在でしたが、昨今は材質や洗車方法も大きく改善し、余程のことがない限り十分なクオリティでクルマをきれいにすることができるようになりました。
全自動洗車機が嫌いでも、洗車のクオリティを維持したいような人向けにKeePer技研のような洗車だけをサービスとして提供するプロショップも出てきて、所得に余裕のある人はそういう店舗を利用することにより洗車時間をお金で解決するという選択肢も増えてきました。
また、ボディのコーティング技術によってそもそも汚れが着きにくくなり、ちょっとした水洗いで汚れが落とせるようになったことも、コイン洗車場をわざわざ使う必要がなくなった要因の一つといえます。
かくいう当方もプジョーさんに関してはガラスコーティングを施していることもあり、たいていの場合はガソリンスタンドの洗車機で水洗いするだけで大抵の汚れが落ちてしまいます。
冬シーズンの終わりなどは全自動洗車機で洗った後コイン洗車場へ行って下部や見えないところの細かい洗浄を行いますが、それ以外でコイン洗車場を利用することはほとんどなくなりました。
上記のように、バイクだけはそのメリットが大きいので2ヶ月に1度ぐらいのペースで利用しています。
そんな状況ですからコイン洗車場の経営というのもなかなか厳しいのかもしれません。
時間がなくてコイン洗車場の市場規模や推移のデータを発掘することはできませんでしたが、少し古いデータでおもしろい調査がありました。
コイン洗車場利用状況&今後の意向調査(J-Net21)
2009年の調査ですから、更に9年経過した現在のマインドは恐らく利用しない方向へ下振れしている可能性があります。
その意味で、自分でクルマを洗車するという文化は一般的なものからクルマを趣味とする人だけのものに徐々に推移していると見て間違いはないでしょう。
では、それで経営的に成り立つのか?というのが下記のシミュレーションです。
業種別開業ガイド:コイン洗車場(J-Net21)
● 売り上げ洗車機の利用料金は、水洗車、シャンプー洗車、ワックスがけなど、メニューにより異なる。<コイン洗車場の料金体系例>シャンプー&ワックス 800~1300円シャンプー洗車 600~900円水洗車 500~800円ブロー 400円車内掃除機 100~200円マット洗浄 100円●洗車1台当たりのランニングコスト1台の洗車機で月間450台程度の利用を目安にする。しかし、洗車場の規模や地域により、その台数にはばらつきがある。コイン洗車場のランニングコストは、水、電気、洗剤などを全て含め、車1台当たり150円程度が目安となる。●年間収支例収入(利用料)、ランニングコストをもとに、洗車機利用による年間収支を算出すると次のとおり。・利用料金:1台650円(洗車:500円、バキュームクリーナーや消臭等の付帯売上:150円)・月当たり洗車台数 450台・収 入:450台×650円=29万2500円(月当たり)29万2500円×12カ月=351万円(年間)・支 出:450台×140円=6万3千円(月当たり)6万3000円×12カ月=75万6千円(年間)・年間収支:351万円-75万6千円=275万4千円※計算は1台当たり。自店に当てはめる際には、台数に応じて年間収支に設置台数を乗じ、そこから人件費、洗車機リース料金、洗車機以外の光熱費、消耗費、税金、金利負担等の諸費用を差引き算出する。
最初の設備投資が重いですが、遊休地を活用できるということもあり一度開業してしまえばそれなりの利用者があればけっこう儲かるビジネスのようにも見受けられます。
ただしそれも利用者があってこそ、の話です。
日常的にコイン洗車場の前を頻繁に通りますが、週末こそそれなりの賑わいを見せていますが平日の稼働率は極めて低いイメージです。
また当然のことながら雨天の場合稼働率は限りなくゼロになってしまいます。
上記したような要因もあって利用者が劇的に増加する可能性も低い中で、コイン洗車場をどう経営していくのか?
洗車場がクルマを洗うだけでなくお互いの愛車を披露しあう社交の場としても機能してきたことを考えると、この文化が絶滅するとは思いませんが、何かもう一つブレイクするような要因がほしいところですね。
個人的には、車内を掃除するためのツールの拡充を望みたいところです。
大抵の洗車場には掃除機が配備されていますが絶対的な数が足りません。
また、掃除機のノズルが使いづらく、細かい汚れを取るのに難儀します。
娘さんの食べこぼしなどで車内が汚れることが多くなった当方としても、この辺りが改善されれば割とマメに洗車場に足を運ぶようになるかもしれません。
関係各位にはご一考いただけると幸いです。
この記事へのコメント
みやむー
私の場合は、利用料金が高くなってしまったことです。
具体的には500円 8分→5分 100円追加 2分 → 90秒と時間が減り、以前は1000円未満で洗車出来たのが、2000円近くまで掛かるようになってしまいました。
無賃洗車をする方が洗車ブースに入っても洗車機を使わず、拭き上げブースにある水道から水を汲んで洗車したり、水ものを掃除機で
吸うなどのマナー違反の方達が多くなってきた時期と重なるように思います。
その後拭き上げブースの水道が使えなくなったりと、利便性が悪く成り、足が遠のきました。
仰るとおり洗車機の性能も上がりましたので、一生懸命手洗いするより、お手軽で傷もつきにくくなっているため、利便性とお財布事情を考えると洗車場に向かう理由が無くなったというのが現状です。