元々の予定では2016年にパサートのクリーンディーゼル仕様の投入が予告されていたわけですが、世界規模のディーゼルゲート事件の発覚を受けて計画は大幅に狂ってしまいました。
その後いくつかの観測報道が成されてはいたものの、一年遅れでようやく日本への導入が正式に発表になりました。
まさか自動車ジャーナリスト諸氏は、VWのクリーンディーゼルが不正によって成り立ってたなどとは思いもよらず、一斉に口をつぐんでいたのはいたのは記憶に新しいところですね。
で、その後も世界中で騒ぎになったわけですが、先日発覚したメルセデスの不正に関してはことさら販売にも影響は見られず、結局のところ一番最初に発覚したところが一番叩かれるというだけの話であったわけです。
(メルセデスのメディアに対する消火活動の賜物とも言えるかもしれませんが)
ってことでそんなメルセデスの動向を見極めて大丈夫だろう、という判断が働いたのは容易に想像がつきます。
で、そんな満を持して日本に導入されるパサートのクリーンディーゼルですが、こちらは新世代のもので日本のポスト新長期規制にも適合している旨を謳っております。
世界的にもっとも厳しい日本のポスト新長期規制排ガス規制に適合
(日本仕様の 2.0 TDI は、排ガス後処理システムに EGR、酸化触媒、SCR、DPFを標準装備)
この辺りはコスト要因になるものの、絶対に不正は出来ないことから万全の体制で臨むのでしょうね。
で、リリースの中で導入の背景についてこう語られています。
近年、日本のディーゼル乗用車市場は拡大しており、今年上半期では、前年同期比で 1.2 倍、その中でも、ディーゼル車のバリエーションが多い輸入車が注目されています(同 2 倍以上)。ディーゼル車が伸びている背景には、経済性(燃油代)、パワフルな走り、環境への貢献(低い CO2 排出量)などへの理解が広がり、今後も一定の需要が見込まれています。VGJ では新たに「TDI」モデルを追加導入することで、ディーゼル車に関心が高いお客様のご要望にお応えしてまいります。
おいおい、今の日本のクリーンディーゼル市場を切り開いてきたのはメルセデスやマツダ、BMWなどの地道な努力があったからじゃねーか。
本来市場を切り開くのはリーダーの役割であったわけですが、VWグループは諸事情によりずーっと静観してましたね。
そこに半ばフリーライドの形で参入してくるんだからもう少し謙虚な姿勢を見せても罰は当たらないと思いますよ。
で、気になるのがこの先の展開であります。
パサートはDセグメントの主力車種ではありますが、いかんせん販売のボリュームは少ない状況です。
クリーンディーゼルの特性を活かすにはSUVやMPVへの展開が想定されますし、販売ボリュームを稼ぎたいならゴルフシリーズへの導入が必須となるでしょう。
とはいえ日本でクリーンディーゼルは本当にクリーンなのか?万全を期したとはいえVWとしても気がかりではあると思います。
その意味でパサートで少量販売して様子を見て、大丈夫そうであれば順次ラインナップを拡大していくという本心ではないかと思われます。
とはいっても2019年にはPHEVの販売が本格的に始まります。
次の輸入車の主戦場もPHEVへとシフトしていくことでしょう。
(特にドイツ勢は早めにシフトしたいという思惑が強くあります)
その意味で、VWのクリーンディーゼル車が日本で販売される期間はそれほど長くはないかもしれない、などと個人的にはちょっと思っております。
大衆ブランドでクリーンディーゼルを展開してきたボルボ、そしてプジョー&シトロエンの動きが注目されますが、こちらも同様に2019年を目標に電化を進めていますが、こちらはむしろクリーンディーゼルとは違う客層を狙えるのでガソリン、クリーンディーゼル、PHEVと3つのパワートレインで勝負を掛けるのではないかと思われます。
各社思惑がいろいろとありますが、(法規にきちんと対応した)選択肢が増えることは、日本市場にとってはプラスの出来事ですのでVWのクリーンディーゼルの今後に注目していくことにしましょう。
ところで。
改めてプレスリリースを見てみると、「クリーンディーゼル」って表記が見当たらず、ただの「ディーゼル」って表現になってますね。
まあ言えるわけないですが。
“ディーゼル車が伸びている背景には、経済性(燃油代)、パワフルな走り、環境への貢献(低い CO2 排出量)などへの理解が広がり…”
ってお前が言うかw
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