新しい売り方の模索を続けるボルボ

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戦慄のゲンロンカフェ@VOLVO STUDIO AOYAMA

このエントリーの続きとなります。

ゲンロンカフェとのまさかのコラボレーションを打ち出した、青山に新設されるボルボの情報発信拠点となる『ボルボスタジオ青山』でありますが、その施設の詳細が発表になっておりましたので少しうぉちしてみることにします。


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ボルボスタジオは50人ほどが入場できるイベントスペース&カフェを兼ね備えた“コンセプトストア”という新しいスタイルの販売拠点と位置付けられています。

前回も話題にした2008年~2014年まで青山で展開していたフィアットカフェのようにカフェスタイルを採用したブランド発信拠点に非常に近いコンセプトであります。

フィアットカフェよりボルボスタジオがもう一歩踏み込んでいるのが、この場所での商談も含めたディーラーの機能も持たせようという点でしょうか。

新たな販売手法で売り方を革新
お客様の好みをお伺いしながら仕様を決定し、本社に発注する「受注生産」を基本としています。また、Eコマースによる車両の販売も開始いたします。専用サイトにアクセスし、内・外装、オプションを選びお客様だけのボルボをオンラインで注文することができ、「ボルボスタジオ青山」でしか手に入らない特別限定車も販売する予定です。また、「ボルボスタジオ青山」独自のパッケージ「CARE BY VOLVO」を提供いたします。

超高級車のようにカタログだけで商談するなんてことは以前からあったりしましたが、VR/ARがようやく実用的になってきたことで、オプション装着、内外装カラーの確認といったことがかなり精度の高いCGで確認できるようになってきたことから、受注生産による細かな要望に応じた販売方法もアリと判断したのでしょう。

ただし受注生産となると猛烈に納期が掛かるはずなので、この辺りを顧客側がどれだけ耐えられるのか?ちょっと興味がありますね。


また、先日打ち出した車両本体以外の諸費用も全てコミコミのリースプランである『SMAVO(スマボ)』についても訴求をしていくそうです。

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世の中の動きが「所有すること」から「(シェアを含めた)使用すること」ヘと移り変わっていく中で、必ずしも顧客への販売に囚われずリースでもいいから広くボルボを利用してもらおうという目論見は、“販売というビジネスモデルの緩やかな衰退”へのボルボなりの回答なのでしょう。



ボルボがこうした情報発信拠点の新設と新しい販売方法の模索を始めたのには理由があります。

話は3年前に遡ります。

ボルボはマーケティング方針の大転換として、世界のモーターショーへの出展を大幅に絞り込むという方針を打ち出しました。

東京モーターショー2015にボルボは出ないだろうという話


このエントリーでまとめましたが、モーターショーが必ずしも販売向上というもっとも重要な目的に貢献していないという声はボルボに限らず多くのメーカーが抱いているものです。

中堅メーカーのボルボは他社と同じことをやっていては成長が見込めない。
だからマーケティングの方針を切り替え、別のやり方で顧客への訴求をしていくという、自動車メーカーの動きとしてはかなりエポックメイキングな発表ではありました。

予告通りその後のボルボは世界のモーターショーへの出展を大幅に絞り込み、2015年の東京モーターショーへの出展も行いませんでした。

そしてその“別のやり方”の具現化が今回のボルボスタジオ青山である、と捉えると3年経ってようやく日本でもその戦略が動き始めたと理解できるわけですね。

ここまでだとボルボもしっかりした戦略を持っている…などと早合点してはいけません。


実は、上記のような大見栄を切っておきながら、2017年の東京モーターショーにボルボはシレっと出展するんですよね。

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「どのツラ下げて戻って来てんだよ!」

ってツッコミも入れたくなりますよ。

そして前回のエントリーでも触れたとおり、ボルボスタジオ青山は当初8月にオープン予定だったものが2ヶ月もズレ込む形となりました。

その背景には運営準備が相当手間取ったであろうことが透けて見えます。

スウェーデンブランドの訴求という本国マターと日本におけるボルボブランドの向上をどう演出するかという国内マターの調整に手間取っている感じも見受けられます。

カフェ、ライブ、ワークショップといった取り組みは無難ですが理解はできます。

しかし前回でも触れたとおり劇薬である東浩紀率いるゲンロン軍団とのコラボがボルボの客層と(現時点で)マッチしているとは正直言って思えません。

先日の「小説家の書いたカタログ」での取り組みなど知的な層を取り込みたいたいという目論見があまりうまく機能しているようにも思えないあたり手探り感がまだまだ拭えず、ボルボがどこへ行こうとしているのか?という若干の不安がつきまといます。

まぁ、やってみないことにはわかりませんから、まずは10月17日のオープンを楽しみにすることにしましょうかね。





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