初代はあらゆる面で衝撃的だった。
二代目は”わかりやすいハイブリッド”として進化することで数を売ることを目指した。
そして現在OSがバージョンアップするかの如く、常に進化を求められるプリウスの三代目が開発中だったりする。
次世代プリウスは、より普通車のように使え、特別なクルマとしての意義をさらに薄めるコンセプトで開発が進められているが、中身は飽くなき技術的チャレンジを続けている。
で、ハイブリッドという仕組みにおいて、劇的な技術的革新が起こるとすれば、それはバッテリーの最適化が進むことだろう。
より大容量に、より軽量に、そしてより効率的に蓄放電ができるようになると、ハイブリッドのパフォーマンスはさらに高まることになる。
その目玉というか、他にわかりやすいアピールポイントも見当たらないためか、三代目のプリウスは従来のニッケル水素から、いよいよリチウムイオンへと搭載バッテリーが変更されることが早くから噂されていた。
しかし、リチウムイオン搭載を見合わせなんていう報道が出てきた。
やはり昨年話題になったリチウムイオンの膨張・発火問題などの影響がこんなところにも波及してきたということなんだろう。
初代プリウスだったら、何から何まで初めてということもあり、仮にリチウムイオンに問題が発生したとしても、多少大目に見てもらうことはできたかもしれない。
しかし、あれから10年が経過し、世界一の自動車メーカーになったトヨタに科せられた責任からは、どんな些細な問題も起こしてはならない安全策を求められるわけで、今回の話は慎重に慎重を期した結論なんだと思う。
ニッケル水素からリチウムイオンへの変更は、単にバッテリを載せ換えるだけではダメで、制御ソフトからハイブリッドの機構まで大きな変更が必要になる。
この報道が本当ならば、ハイブリッド車にリチウムイオンが搭載されるには次のモデルチェンジであるさらに4年後を待たなければならない。
これはバッテリ業界にとっても、自動車業界にとっても大きな影響が出てくることになる。
ってことは、次のプリウスは特に技術的な見どころもなく、中途半端な存在のOS、Windows Meのような存在になるんだろうか?
クルマとしての見どころが少ない故に、そんな思いが頭を駆け巡る。
そして、こんなトヨタの話を対岸の火事と見るのか、突っ走り始めたら止まれないチキンレースに突入するのか。
日産、リチウム電池をグループ外の富士重に供給
なんて話も出てきていたりして。
果たして日産、ルノー、フォード、スバルの車種が燃えたりすることはないんだろうか?
P.S.
それにしても、街中で初代プリウスを目にすることがほとんどなくなってしまったのは残念なことだ。
通常の自動車としてのメンテナンスの他に、バッテリーのメンテナンスを必要とするプリウスだが、数十年経った後も名車として語り継がれることになると思う。
しかし、メンテの部品が確保できないからという理由で泣く泣く手放さざるを得ないなんていうことがないように、トヨタとしては永続的な保守体制を構築してもらいたいもんだ。
自ら胸を張って世界に誇れるプロダクトなんだからさ。
この記事へのコメント
デンジン
量産自動車用の動力源としてだと、当然使う量が半端じゃないでしょうし。
一世代遅らせても、普及材料で実現できる蓄電技術が出るのを待とうという考えかも。
海鮮丼太郎
しかし、松下と合弁でバッテリーの会社立ち上げたりもしているわけで、その割にはチキンな気がしないでもないです。
影響は結構デカいものになりそうっすねぇ。
おづら