“砂漠のライオン”が3008DKRに進化

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今年のダカールラリーで圧倒的な強さを見せつけ26年ぶりの総合優勝を成し遂げたプジョーさん。

過去のエントリーでも触れましたが、他のメーカー系ワークスチームがそうであったように、歴史ある競技で優勝したらさっさと撤退するのかと思いきや、来年もやる気満々で新型車のお披露目となりました。



名称や写真を見てわかる通り、今までベース車両が2008であったのが、今回から新型3008へと変更されています。

“ベース車両”という言い方をしていますが実質的に中身はまったくの別モノであり、正確な表現をすると“3008のようにも見えるラリーカー”といったところでしょうか。

まあとりあえずこの建前を前提に今回のエントリーを進めることにします。

なぜベース車両が3008に変更されたのでしょうか?

これはダカールラリーがメーカーにとってプロモーション活動の一環であることが大きな理由になっています。


これは過去になぜ2008がベース車両に選ばれたのか、ということを書いたエントリーでも触れています。

プジョーが2015年のダカールに参戦

2008は世界戦略車として欧州だけでなく道路事情の悪い中南米など新興国におけるセールスが重要となります。

ダカールで活躍することで主戦場の欧州だけでなく新興国でのプロモーション効果も期待できるというわけです。

あれから2年が経過して今回その役割を与えられたのが新型3008であるということです。

つまり参戦のベースとなる車種は極端な言い方をすればその競技に必ずしも適した車種ではなく、プロモーションの都合で決められるというわけですね。

この点については我々プジョーうぉっちゃーからすると、かつてWRCに参戦していた頃307ハッチバックではなく307cc(クーペカブリオレ)をベースとしたWRカーを投入して大惨敗したという苦い思い出が蘇ります…

さすがにダカールラリーと新型3008の組み合わせはあれほど酷いわけではありませんが。

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では、3008DKRからどのようなメッセージが読み取れるでしょうか?

ダカールラリーは新規約により車両の設計変更を余儀なくされており、それに対応するためにベース車両を変えた…というのは名目として理解しやすい理由ではあります。

しかしこれは表向きの話であって、本当の理由は新型3008のプロモーションにあります。

ご存知の通り新型3008は初代のMPVっぽいスタイルからよりSUV的なスタイルへと変貌を遂げ、プラットフォームも新世代のEMP2をベースとして開発された、プジョーさんにとっては今後一番力を入れていきたい車種であります。

2008はBセグメントSUVの世界戦略車として位置付けられていましたが、新型3008はプジョーさんが従来よりプレミアム路線へと移行する上で重要となるブランドイメージ向上の役割を担うことになります。

10月に開催されるパリモーターショーでの正式デビュー&販売開始となるため、3ヶ月後のダカールラリーで活躍することができればメディアでも広く取り上げられることになり大きなプロモーション効果を見込むことが出来ます。

奇しくも新型3008の日本での発売も2017年1月ですからPCJ(プジョーシトロエンジャポン)としては絶好のタイミングですね。


新型車のプロモーション方法はいろいろあるわけですが、イベントなど単独でプロモーションを行うには莫大な費用が掛かるため費用対効果の点から使えるお金は限られてきます。

しかし世界を転戦せず短期間で終了できるダカールラリーのようなモータースポーツイベントに参戦する体を取れば

 “3008という新型車”
 “プジョーというメーカー”

この2つを世界に向けてプロモーションすることができます。


しかし参戦しても活躍できなければ映像に映る機会も少なくなり、「勝てなかった」というネガティブイメージに結び付く懸念もあります。

だからこそ2017年のダカールラリーでは2016年と同じ布陣、すなわち


 ステファン・ペテランセル(ダカール2016年優勝)
 カルロス・サインツ(ダカール2010年優勝)
 セバスチャン・ローブ(WRC年間チャンピオン9連覇)
 シリル・デプレ(ダカール2輪で5回の優勝)

という4名の有力ドライバーでの参戦となります。
ドリームチームふたたび、という感じですね。


2015年は準備不足で惨敗した経験から、3008DKRに関しても事前のテストをしっかり行い万全を期す体制のようで、10月1日~7日まで開催されるモロッコラリーにて実戦デビューを果たすようです。

こうして事前に耐久性をテストしてネガを潰し、ドライバーも経験を積むことで本番となるダカールラリーで圧倒的な強さをもって優勝を狙うという目論見でしょう。


個人的に期待するのがWRC王者セバスチャン・ローブのダカール優勝であります。

2016年はステージよっては圧倒的な速さを見せつけるシーンもあったものの、途中でダカールの洗礼を受けてクラッシュし優勝を逃してしまいました。
(ダカールで勝つには瞬発力でなく安定して走り続けるスキルが大切であることがよくわかる事例でした)

しかしあれからいくつかのラリーにも参戦しており、キャリアとしても十分な経験を積んでいます。

次回こそはWRCの時に見せてくれたような「死ねっ!」と捨て台詞を吐きたくなるぐらい安定した強さを見せてくれることを期待したくなるわけです。

WRCではあれだけ憎むべき存在であったのに舞台が変われば熱烈に応援したくなるとは、我ながら一貫性が無いなぁと思うわけですが、とにかく2017年はローブ推しです。



ってことで2017年ダカールラリーは2017年1月2日~14日に開催されますので、ネット中継なりスカパーのJ-SPORTSを契約するなりして3008DKRの活躍を見守りましょう。

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