7月です。
夏です。
キャンペーンの季節です。
そんなわけで、輸入車の販売は全体的に持ち直してきており対前年比プラスに転じるブランドも多い中、夏の書き入れ時を迎えております。
そんなわけで、何故か日銀の0%金利のニュースと関連して般新聞などでピックアップされたことで妙に知名度の上がってしまったPCJ(プジョー・シトロエン・ジャポン)の0%金利キャンペーンがまたまた復活です。
0%金利キャンペーンに関しては、以前以下のエントリーを書いていたりします。
行くぞ!捨て身の金利0%キャンペーン!
年度末の0%金利キャンペーンやってるよ
日銀の金利がマイナスだからといって一般企業が0%で商売が出来るかというと必ずしもそうではありません。
この部分のリスクはPCJのファイナンス部門が負う形になりますので、どちらかというと売り方としては禁じ手に近い方法であることは間違いないのです。
追従するメーカーがほとんど無いことがその証拠とも言えます。
しかしこういう販促策を採ることで…
顧客視点⇒支払総額を抑えることができる
企業視点⇒見た目の値引きは最小限に抑えられる
という双方にとってメリットのある戦略ということができます。
過去エントリーでも書きましたが、商談というのは支払総額をどう抑えるかが最大のポイントです。
仮に本体価格から値引きが得られなくても金利が0%であれば本来上乗せされるはずだった金利分を払わなくて済むことになり、結果として値引きと同等の結果を得られるわけです。
現金一括払いの場合はまったく関係ない話ではありますが、昨今流行りの残価設定ローンで購入する形になりますので新車を短期間で乗り換える人にとってはけっこうなメリットとなります。
メーカーにとっても値引きして販売してしまうとその後の中古市場での相場の値崩れ、そして下取り価格の下落を招くことになるため、可能な限り値引きせずに市場価格を高く維持したいので、市場価値に関係のない金利の部分を低くすることで実質的な値引きに見せるこの方法は魅力的であるとも言えるわけです。
で、そんなPCJの0%金利キャンペーンですが、本来はあまり好ましくない方法にも関わらず、今回はそれを開き直って宣伝キャッチを打ってきました。
“興味ゼロとは、言わせない。”
個人的にこういうコピーは大好きなんですが、ここまで挑戦的な言い方をしてしまうと“プジョーは金利0%で買うもの”、という変なイメージが付いてしまうことを若干懸念しております。
繰り返しますが金利0%は本来は禁じ手です。
いつまでも続けられる施策ではありません。
当方がお仕事方面で関わっているある電子書店(ホンマか?みたいな名前)では、客寄せのために割引クーポンを盛大に配っていたところ、逆にクーポンを配布しない時期はお客さんが買い物をまったくしてくれなくなって売上を落とした、なんてバカみたいな話もあったりします。
(割引クーポンは自腹を切って配っていたのでそう長くは続けられませんでした)
エサはある程度飢餓感を煽ることで効果を発揮するわけで、あまり乱発したり当たり前のようなイメージを植え付けるのは得策ではありません。
まぁ消費者サイドからしたら「もっとやれ!」とは思うわけですが、サスティナブルな事業展開を考えるのであればほどほどにね、とは言いたくなるわけです。
とはいえ、競合となるVWが弱っているうちに伸ばせるだけ伸ばしておきたい企業戦略として間違いではありません。
ボルボのように国産車からの乗り換えでは相場よりかなり高く下取を行ったり、VWと競合したら大幅値引きで対抗するといったインポーターもありますので必ずしもPCJの0%金利キャンペーンだけが悪いということでもないんですけどね。
買う側はじっくり攻めていくのがよろしいんじゃないでしょうか。
ボーナスをいっぱいもらった方々には日本経済の循環のためにも消費に貢献して頂くことを切に願う次第です。
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