カングージャンボリー2016雑感

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これは昨年のルノーのプレスリリースであります。

今年は速報値で昨年より一割以上来場者が増加しているようですので、イベントとしては成功であったと言えるでしょう。

公式に数字が発表になったら改めてエントリーを書こうと思いますが、ここではルノーがカングージャンボリーをどのように位置づけ、何を狙って開催しているのかを見ていこうと思います。


カングージャンボリーというイベントの特徴は、

“クルマのある生活を楽しむ”

ことをスローガンとし、主役はあくまで集うオーナーであってルノーはその交流を促す場を提供する立場に徹している事と言えるでしょう。

メーカー主催のイベントは概して商品のアピールに力が入り過ぎてホスピタリティが置き去りになっているケースも見受けられますが、カングージャンボリーに関しては限定車の発表や現行ラインナップの展示こそありましたが、それはあくまで会場の一角に場が設けられているだけという扱いでした。

出展ブースでもこの手のイベントにありがちなチューニングパーツなどの展示はほとんど見られず、むしろアウトドアやペット関連、雑貨などが大半を占めておりました。

家族連れやペット連れのお客さんが退屈しないようなアクティビティも充実しており、どちらかといえばフレンチ文化を楽しむフェスのような演出になっておりました。

“車を一台でも多く売る”ことが目的のインポーターが主催するには、あまりに商売っ気が無さ過ぎます。

このイベントでルノーが得るものは何でしょうか?

それは『ブランドイメージの向上』に尽きると思います。

フランスの自動車メーカーはご存知の通りプジョー、シトロエン(&DS)そしてルノーという3大メーカーがあるわけですが、その中でもっともフレンチな雰囲気の演出に長けているのがルノーであります。

これだけ自動車メーカーが存在する日本市場において、人と違ったクルマに乗りたいというニーズに対応するには、商品力もさることながらそのイメージというのも大切になります。

クルマは所有者の個性や願望を如実に投影するものであることは広く知られている通りですから、その願望をどのように叶えるかが商品購入プロセスにおいて大事な時代になってきているわけですね。

いわゆる“動機”の演出であります。

日本人のフランス文化に対する憧れとも言える感情を、ルノーはフレンチメーカーであることを最大限に利用することでうまく取り込んでいる。

これがルノーの、そしてカングーという車種の躍進の原動力であると言えるでしょう。

その培われたイメージを強固なものにするためにこうして毎年カングージャンボリーを開催しているのだと考えると・・・?

一見するとクルマを売り込む姿勢が希薄なように見えても、ルノーというブランドのイメージが大幅に向上ているのであれば投資に対する効果としては最も成功していると言えるのではないでしょうか。

ルノーのラインナップにおいてカングーは全体の3割程度を占めており、年間1500台ぐらい売れております。

新たにオーナーになった人がカングージャンボリーに来場してくれれば、トータルの来場者数はまだまだ右肩上がりで増え続けるのではないでしょうか。


そしてもう一つ重要な点があります。

ルノーはカングージャンボリーをルノー車のオーナーだけでなく、それ以外のメーカーのクルマに乗る人も広く受け入れる姿勢を示しています。

当方が昨年そして今年もプジョーさんで参戦しても、嫌な目に遭うようなことはまったくありませんでした。

同じように他のブランドの輸入車や国産車のオーナーさん達がフレンチフェスの感覚で来場していることもまた、全体の参加者が右肩上がりに伸びている理由だと思います。

この傾向は秋に車山高原で開催されるフレンチブルーミーティングにも言えることですが、楽しそうな雰囲気の場所に人は集まるものなんですね。

ですので、全体の参加者を増やすのはもちろんですがルノー車以外の参加者の比率を高くすることも、カングージャンボリーを持続させていくためには重要な指標になると当方は分析しています。

当然の話ですが、ルノー車以外の参加者はそのまま今後のルノーの潜在顧客予備軍となるわけですから。


懸念点があるとすれば、カングーと同等に売れるようになったルーテシアやキャプチャーなどのオーナーにどう楽しんでもらうか?という点ですかね。

そして一部のカングーオーナーに見られる他人を格付けして嘲笑するような雰囲気が広がらないことを願いたいところです。

ブサイクだったりダサかったりしてもカングーに乗っていいじゃないですか。

人の嗜好にケチをつけるのは、粋ではないですよ。

プジョー乗りとしては、ルノーオーナーにはある種の尊敬の念を抱いていますので、どうかその気持ちを冷めさせることが無いように願いたいものです。



この記事へのコメント

  • マサシI

    海鮮丼さんの鋭い洞察と的確な分析と読みやすい文章が好きで、いつも楽しく拝読させていただいています。
    メガーヌとキャプチャーに乗っています。

    カングージャンボリーは2012年から行き始めて今年で5回目になりますが、絶妙な緩さで居心地の良い空気感が気に入ってます。

    キャプチャーが多く集まるイベントは自分が知る限りカングージャンボリーだけで、去年で10台以上、今年はザクッと見渡した範囲だけでも20台はいたと思います。
    キャプチャーオーナーの交流は日本ではあまり見かけませんが、この日、7-8台のオーナーさんが空き始めた臨時駐車場の一角にキャプチャーを並べられていてお話しをされていました。私は今年はメガーヌで参加でしたので軽くお声掛けした程度でしたが、カングージャンボリーをフックにしてキャプチャーオーナーの交流があったことは嬉しかったです。

    それにしてもカングーというクルマは、あれだけ並んでいるのを目にしても食傷気味にならないのはなんでなんだろう?と毎年思います。不思議な魅力がありますね。

    ルノー系オーナー各位(主にメガーヌ系)と交流がありますが、分別を弁えた方が多く、そういう面からも長く乗って行きたいなと思うところです。

    一部のカングーオーナーの格付云々は状況が分かっていませんが、そういうことがあるとするとちょっと残念ですね。他人の趣味にあれこれ口を出すのは粋じゃないなと思います。

    長々と失礼しました。これからも更新を楽しみにしてますね!


    2016年05月17日 21:35
  • 海鮮丼太郎

    >マサシIさん

    ご丁寧なコメントを頂ありがとうございます。
    ルノーオーナーの方も当BLOGをご覧頂けているとはうれしい限りです。

    カングーのオーナーさんは、それぞれ確固たる個性をお持ちの方が多いんじゃないかと思いました。

    他人より自分が何をやりたいか。
    それが結果としていろんな人との繋がりに結びついていく、なんて循環があるように感じられました。

    恐らくこうしたカングーオーナーの方たちは将来的に今のキャトルクラブの方々のようにゆるーくつながり続けるのではないかな、と思いました。

    逆に言うと、キャトルクラブのような繋がりがあるからこそ、今のカングーがあるのかもしれませんね。

    なお、一部のカングーオーナー云々については、あまり気になさらなくてよろしいかと思います。

    誰でも表に出す表情とは別に腹の中で違うことを考えていたりするもんですが、要はそれを表に出さない大人の自制心があればすむ話ですので。



    私はどちらかというと「人が楽しんでる光景を俯瞰で眺めるのが好き」という天邪鬼な性格なものですからあまりイベント的なものに参加することは少ないのですが、カングージャンボリーとフレンチブルーミーティングは純粋に楽しいから好きなイベントになりました。

    フレンチブルーミーティングでは毎年駐車場を巡って各ブランドの台数をカウントするなんて変な取り組みをやってますので、見かけたらお声がけくださると幸いです。

    今後とも当BLOGをよろしくお願いします。
    2016年05月17日 23:19

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