自粛ムード漂う輸入車ブランドのエイプリルフール

[14:25 UPDATED]

さて、新年度です。

ついでにエイプリルフールです。

ってことで、輸入車ブランドのエイプリルフールネタはどうなんでしょう?
ってことでうぉちしてみましたよ。

ちなみに昨年度の状況はこうでした。

主要輸入車ブランドのエイプリルフールネタ

VW、Audi、BMW、BMW MINI、VOLVOがいろいろと仕込んでくれて、それなりに盛り上がりましたね。


で、2016年の状況はというと…



Mercedes-Benz ×
VW ×
BMW ×
Volvo ×
Jeep ×
Porsche
Fiat ×
Peugeot ×
Renault ×
Ford ×
Land Rover ×
Alfa Romeo ×
Citroen ×
ABARTH ×
Maserati ×
Jaguar ×
smart ×
DS ×


上位20ブランドで見てみましたが、アウディだけとアウディとBMW MINIだけという惨憺たる状況です。

VWは不祥事の清算がまだ終わっていない状況で自粛であることは容易に想像ができます。
っていうか、昨年に大はしゃぎし過ぎた分、そのギャップが激しいですね。

それ以外のブランド、この手の話題では率先してはしゃぐ傾向のあったBMW MINIですら今年は沈黙です。


MINI_20160401.jpg

ボルボも昨年は歩きスマホ用エアバッグといった凝ったネタで笑いを誘ってくれたものの、今年は沈黙を守っています。


もともと高級ブランドはこの手のネタに乗るのはブランドイメージからすると逆効果ですので理解できますが、VWから輸入車No1の座を奪い取ったメルセデスでさえも沈黙しているのは、輸入車業界全体がはしゃぐことを憚られるような、妙な自粛ムードめいたものを感じます。

そのムードの元凶は言うまでもなくVWの不祥事であります。

同じ不祥事を起こしたVWグループのAudiだけがエイプリルフールに乗っかってきたのは意外でしたが、こっそりネタを仕込んでおいて、自然に話題になるのを待っていればよかったものの、

「ソーシャルメディアで話題にしてください!!」

という前のめりな姿勢がむしろドン引きであります。

プロモーション効果を最大限に高めるためにソーシャルメディアで話題にしてもらうというのは、効果測定として非常にわかりやすいものであるため、そうしたアピールをしたい気持ちはわからなくはないのですが、なんていうか、余裕が感じられないんですよ。

ユーモアっていうのは、そういうことではないでしょう、と。

ブランドイメージを大切にしてきたAudiなのですから、変にがっついた姿勢というのは見ている方にネガティブなイメージとして映りますよ。

やっぱり、なんつーか全体的に余裕が無いんだよなぁ…

基本的に、活発な市場というのは企業がさまざまなチャレンジをして賑わうことが重要です。

リーマンショック以降の輸入車市場は右肩上がりで成長を続けてきただけに、昨年まではどのメーカーも市場を盛り上げようという姿勢が見られました。

エイプリルフールの仕込みもその取り組みの一環なわけです。

翻って今年の状況を見ると、各社の取り組みが明らかに昨年より冷え込んでおり、市場の様子を見ている感じに見受けられます。

その一因としてフォード撤退の衝撃もあったことでしょう。

今のところ今年の輸入車市場は前年比98.5%で推移していて、極端な落ち込みを見せているわけではありませんが、成長という意味では相変わらず年間30万台の壁を突破できていません。

輸入車の魅力を伝えるべき自動車ジャーナリストの組織であるAJAJも内紛によって混乱しています。

果たして輸入車メーカーはこの日本の市場状況をどう見て、どう取り組んでいくつもりなのでしょうか?

2016年はそういう根本的な部分に注目すべき年になるのかもしれません。

そんなことを各社のエイプリルフールの取り組みから感じたのでありましたとさ。


一方国内メーカーでは日産、日清、NISSENという3社のベタなプロモーションが話題になっています。

NISSANNISSINNISSEN_20160401.jpg


これも一つの戦略ということで言いたいことはいろいろありますが、嫌いじゃないです。

願わくば、クルマより話題作りに力を入れる日産の姿勢そのものを何とかして欲しいと思わんでもないですが。



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