ローブがラリークロスにフル参戦

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モータースポーツはどのカテゴリーも全般的にあまり活気がありません。

特にF1のゴタゴタや、2017年から車両のレギュレーションが大幅に変更されるWRC(世界ラリー選手権)は、来年に向けて車両開発に集中するためシトロエンのようにフル参戦を取り止めるメーカーすら出てきました。

フォーミュラEのように今後を期待させるカテゴリも無いわけではないのですが、全般的にスポンサー獲得の難航で資金的に厳しいところが多く、バックに潤沢なスポンサーを抱えたお金持ちでなければ正式ドライバーとして採用されない(いわゆるペイド・ドライバー)問題もあったりして、無名でもテクニックのあるドライバーのサクセスストーリーといったものがなかなか実現しにくい状況にあります。

それではモータースポーツの裾野はなかなか広がっていかないですね。

ってそんな話をしたいわけではありません。

市販車をベースとしたモータースポーツとして比較的身近なカテゴリーであるラリーの世界においては、上記のようにWRCが来年に車両のレギュレーションを大幅に変更します。

そのため今年はどこのチームもあまり力が入っておらず、VWのオジェだけが気を吐いている状況となっております。

オジェが悪いわけではないのですが、興行として観ていてあまり面白いものではありません。

この辺り、一時期の

「ローブ死ね。氏ねじゃなくて、死ね。」

などと揶揄されたローブ無双の時期を彷彿とさせます。


モータースポーツの醍醐味はライバル同士の激しい競い合いにあるわけで、一人のドライバーが突出していい成績を挙げることは、むしろ観戦の醍醐味が失われてしまうことになるわけです。

難しいところですね。


では、そうしたライバル同士の激しい競い合いはどこで見られるのでしょうか?

それが2014年から世界選手権に拡大された、世界ラリークロス選手権(WRX)です。



プジョーさんはWRCから撤退後、モータースポーツの活動の場をWRXに移しました。

昨年こそチャンピオンにはなれなかったものの、『Team Peugeot-Hansen』として208WRXを駆って上々の成績を収めました。

ちなみに年間チャンピオンにはWRCでの活躍でもお馴染みのペター・ソルベルグでありました。

DS3を駆っての連覇ということで、改めてペターさんの実力を思い知らされます。

WRCではブドウ畑を突っ切って世界中の笑いを誘ったのと同じ人物とはとても思えませんねw

 

そんなラリークロスですが、元WRCドライバーのペターソルベルグやジムカーナでお馴染みのケンブロックといった競合に加えて、あの御仁がフル参戦することになりました。



年初のダカールラリーでは前半トップを快走するも、経験不足からクラッシュを喫してどうにか完走を果たしたローブさんですが、あらゆるカテゴリで抜群のドライビングセンスを発揮しているだけに、ラリークロスでどこまで活躍できるのか非常に楽しみであります。

トヨタのWRC復帰のエントリーでも書きましたが、WRCとWRXでは興行としての考え方に大きな違いがあります。

参戦車種はWRCに比べて多彩であり、なにより各チームの実力が拮抗しており、観戦が盛り上がることでも有名です。

今のところCSを含めて中継で観られる環境が整っていませんが、観戦しても楽しいイベントとしてのWRXの存在感は高まりつつありますので、このあたりでせめて中継してくれればローブの、そしてプジョーの活躍を観戦できて嬉しいのですけどね。

公式サイトでのストリーミングが充実していますので、興味のある方はまずそちらをご覧になってみてはいかがでしょうか。

プジョーさんもローブの活躍をうまくプロモーションに結び付けていって欲しいですね。

上野社長時代は、モータースポーツは販促に役立たないと否定的なコメントを出して、シトロエンがラリーで活躍してもそれを宣伝にまったく活用しないという信じられない施策を取ってましたから、体制が変わってそのあたりがどうなるのかも見どころであったりします。





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