10月の輸入車市場にVWが与えた影響とは?

そんなわけで、改めてTOP20ブランドの10月実績を見てみましょう。

2015年10月度輸入車登録実績(TOP20)
ブランド名10月前年同月前年比
Mercedes-Benz4,1094,28196.0%
VW2,4034,62052.0%
BMW3,1902,899110.0%
Audi1,4031,98770.6%
BMW MINI1,4751,461101.0%
Volvo970806120.3%
Jeep551469117.5%
Porsche444262169.5%
Fiat505420120.2%
Peugeot369248148.8%
Renault347338102.7%
Ford399323123.5%
Land Rover252220114.5%
Alfa Romeo9970141.4%
Citroen13989156.2%
ABARTH588469.0%
Maserati10812685.7%
Jaguar13568198.5%
DS88 0.0%
Ferrari364383.7%
合計17,44619,35790.1%

まず注目すべきは合計台数の前年同月比です。

日本の輸入車市場はリーマンショック以降右肩上がりで回復を続けてきており、VWのスキャンダルが発生する9月までは、VWの落ち込みはあったものの全体で見れば前年比を上回るペースで推移していました。

しかし、10月実績は前年比90.1%と大きく落ち込む結果となりました。

VWが激減するのは想定の範囲内ではありましたが、その分が他のブランドに流れたというより、その分の需要が全体で凹んだ格好になったと考えるべきでしょう。

ブランド別で見れば上記のツイートで指摘した通り漁夫の利を得たと思われるブランドもありますが、需要全体がシュリンクしている感は否めません。

輸入車販売は基本的に国産車からの乗り換え層を顧客として拡大してきたので、そういった層がVWのスキャンダルによって輸入車全体に懐疑的な目を向けていると見るべきではないかと思われます。

昨日こんなツイートをしましたが…
これは冗談ではなく、ガソリンエンジンまで不正が発覚してしまうなど事態がどんどん動いていますので、全容が解明されるまでは輸入車に対するある種のレッテルが貼られるのは覚悟しておく必要があるかもしれません。

問題の当事者であるVWグループはその自らの行いによって失地回復を図らなければなりませんが、他のブランドはどうするべきでしょうか?

国産車からの乗り換え層が冷え込む事が想定されるとなると、やるべきことはVWオーナーの乗り換え需要を剥ぎ取ることであります。

これはもう、やったもん勝ちです。
仁義なき戦いです。

手段によってはひんしゅくを買う可能性もあり得ますので注意が必要ですが、見方を変えれば千載一遇のチャンスでもあります。

VWとは違う商品の魅力をアピールして、VWオーナーが乗り換えてもいいと思える条件を提示すれば、うまく巻き取ることが出来るかもしれません。

VWとしても顧客流出は避けたいでしょうから、さらに大幅値引きなどの乱売に走ることは目に見えていますが、何を選ぶかは消費者の判断次第です。

こんなくだらないことで輸入車市場を停滞させてはなりません。

各ブランドならびに輸入車販売に関わる全ての人の奮起に期待します。


それにしても…
VWグループでありながら、ポルシェの勢いだけは揺らがないのよねぇ。
これはもう、別の力学で動いているとしか思えませんねwww




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