FBM2015勢力分布の話(1)

IMG_4506.JPG

昨年に続き見事な天気に恵まれたフレンチブルーミーティング2015ですが、今年はさらに爽やかな風が吹いてお祭りを楽しむにはベストコンディションでありました。


抜けるような青い空。
鮮やかな紅葉。
そして色とりどりのフレンチカー。

昨年も使ったフレーズですが、

これ。
これですよ。
これでこそ、フレンチブルーミーティングですよ。


そんなわけで会場内を行ったり来たり、11kmほど歩いて各駐車場のクルマやそれを楽しむ人々の表情を観察しながら歩き回っておりましたよ。


そんなわけで、今年で5回目となりましたフレンチブルーミーティング(以下:FBM2015)の調査報告であります。

改めてこの調査の概要をご説明しますと、FBM2015の来場車をプジョー、シトロエン、ルノー、そして今年からシトロエンより独立したブランドになったDS、その他のメーカーを5つに分けてカウントし、各陣営がどれだけの比率だったかということを調べてみた、というものです。

きっかけは以前に書いたとおりであります。

今年の感想としては、

フランス車のお祭り感が戻り、シトロエンが好調。

といったところでしょうか。
要点だけ先に書いておきますね。

■サマリー
 ・今年も見事な晴天と紅葉のベストコンディション。
 ・駐車場が埋まるのには意外と時間が掛かったが、参加台数は増加。
 ・紅葉を見に行くためか、早めに帰路に着く人が目立った。
 ・シトロエン&DSの参加者が大幅に増えた。
 ・ルノー、プジョーともに参加台数は増加。
 ・各陣営ともに旧車、新型車ともにバランスよく参加。
 ・逆に2000年頃の車種が目立って減少。
 ・その他メーカーは昨年に比べて減少。早めに帰路についたか?
 ・なんちゃてシトロエンなどギャグに走るクルマが増えた。

今年はDSを別カウントするために機器も集計マシーンも大幅にパワーアップ。
電子カウンターを装備してさらにコンパクトになった『カウンター君2号』により、作業は大幅に楽になりました。

しかし、なんちゃってシトロエンを見つけたらtwitterにアップとかしていたおかげで意外と時間を食ってしまいました。


毎年9:00頃から集計をスタートするのですが、今年はドミニクさんのお店でカヌレを買うために行列に並んでいたらスタートするのが遅れてしまいました。

IMG_4453.JPG

では、内容を見ていくことにしましょうか。
まず、駐車場の場所から確認です。

P5とP9はディーラーやオーナーズクラブ単位でのグループ駐車場になっております。
ハイランドホテル前の駐車場と、その近くにSpider専用駐車場があるという配置です。


FBM_parking_color2015.jpg
▲クリックで拡大


ってことで結果を見てみましょう。

駐車場名調査時刻RenaultCitroenDSPeugeotOthersTotal
P110:0923272221387
P210:09121648?1353
P3a9:46512743225139
P3b9:5818204311285
P3c10:23372262128114
P510:4141100244
P611:151364111044
P711:1011406324
P811:00725395527216
P910:572863122220145
P1012:30735776069266
P Ground11:45131162107633412
Spider専用11:209001111
ハイランドホテル前11:251315381049
Total 532473653532661,689

■注意点
?・9:00~12:00までの一番賑わってた時間帯の調査であり、
  参加者全台数カウントしたものではありません。
 ・4ブランド以外のメーカーはOthersに分類しています。
 ・旧シトロエンDSは、シトロエンブランドでカウントしています。
 ・P4はクルマがありませんでした。
 ・駐車場外にあった展示車などは含んでいません。
 ・Spider専用以外の各ホテル前駐車場は含んでいません。
 ・なんちゃってフェイク系は敬意を表してその意向のブランドでカウントしています。
 ・結果は各ブランドの優劣を競うものではなく、あくまで考証のための切り口とお考え下さい。

それでは各勢力の構成比を見てみます。

Renault 31.50%
Citroen 28.00%
DS 3.85
Peugeot 20.90%
Others 15.75%


補正要因としては、一度駐車場に入れたものの知り合いを見つけて場所を移動したりして、満車のはずのパーキングに空きが目立ったとか、カウントしている最中にもけっこうな台数が帰路についていたため、傾向を100%正確に把握できているわけではありません。

しかし、現場で感じた印象と数字は概ね同じ傾向を見せていることから、今年も比率としてはほぼこの内容で合っているかと思われます。

では、ここ5年の推移を比較してみましょう。

調査年
RenaultCitroenDSPeugeotOthers
2010年
36.90%25.60%Citroen
に含む
25.82%11.68%
2011年
31.01%28.13%Citroen
に含む
24.95%15.90%
2012年
28.95%29.87%Citroen
に含む
24.64%16.55%
2013年未調査未調査未調査未調査未調査
2014年31.73%28.48%Citroen
に含む
21.61%18.18%
2015年31.50%28.00%3.85%20.90%15.75%
前年比
-0.23%-0.48%3.85%-0.71%-2.43%

という具合になっており、前年までDSブランドをシトロエンに含んでいたことから昨年と同じ基準で考えると、シトロエン勢(シトロエン+DS)だけで+3.37%と大幅増になっていることがわかります。


■シトロエン勢の増加
今年はシトロエンDS 60周年、C6 10周年のお祝いだったから…ということも影響したのでしょうか?
PグラウンドにはたくさんのDSとC6が勢ぞろいして会場を賑わしていました。

今年から新規でカウントを開始した新世代DS Lineですが、全体の3.85%となっております。
発売から5年が経過したこともあり、DS3あたりはもう少し多く参加しても良かったのでは?とも思いましたが、今後どのように推移していくかも含めて注目していきたいところです。

いっぽうのシトロエンに関しては、相変わらず2CVを代表とされるレアな旧車勢と、最近のCシリーズがバランスよく構成されております。

渡辺自動車のブースをはじめグループパーキングも盛況で、いつものシトロエンらしい光景が繰り広げられていました。

20151018_104804.jpg

また、話題になりながらも正規導入が一向に進まないC4カクタスですが、並行輸入されたかなりの台数がFBM会場内を賑わせていました。

20151018_091502.jpg

会場に出展していた並行輸入業者の中にもC4カクタスを何台も持ち込んでアピールする姿が目立ち、感度の高いフランス車好きの興味をビシビシと引いていた印象です。

並行輸入業者の方にお話を聞いたところ、結構な台数をすでに販売しているそうで、かなり大きなビジネスチャンスになっているようであります。

正規導入は2017年とアナウンスされていますので、それまで待てない方は平行輸入業者をあたってみてはいかがでしょうか?
一部の業者さんでは受発注ではなく在庫として何台か確保しているタマがあるそうですよ。


さて、シトロエン増加要因の続きですが。
なんちゃってシトロエンの増殖という理由もあったかと思います。

正確に全数を把握しているわけではありませんが、当方の観測範囲ではなんちゃってシトロエンは20台近くを確認しています。

これは昨年の倍近い台数です。

なんちゃってシトロエンがその他メーカーの参加者のモチベーションになっているのだとしたら、それはそれで結構なことだと思います。


■ルノー勢は多種多様
では次にルノーを見てみましょう。

比率的には微減となっているルノーですが、昨年とは誤差に近い範囲ですので例年通りの参加者だったと見ていいかと思われます。
あのおもちゃのゴーカートのようなSpiderが、今年はタイミングが悪かったのか例年に比べて台数が少なかった感じです。

天気も良かったのでSpiderの参加には絶好の条件だったのですが・・・?

昨年お邪魔した際に五平餅をご馳走になったルノーキャトルクラブの駐車場は例年通り皆さんご健在のようで、眺めていてこちらも笑顔になってしまいました。ただ、五平餅を作っていた方が今年は用事があって参加できないとの連絡を事前に頂戴しており、少し残念ではありました。

20151018_111926_Spider_masked.jpg

その方とはひょんなことから川村かおり好き、ラジオ好きという共通の話題ができてしまったこともあり、機会があれば夜通し語り合いたいと思った次第であります。

話が逸れました。

これは個人的な印象なのですが、ルノー車に関しては平行輸入車が比較的多いのかな?という感じがしました。

クリオエステートやトゥインゴ、モデュス、セニックやラグナセダン、ダチアロガンなど正規では入っていない妙な車種を会場内で多く見かけました。

一時期に比べてクルマの故障が減ったこともあり、平行輸入車の敷居は意外と低くなっているのかもしれません。

また、並行輸入をしてでも欲しいという車種がルノーに多いのか、ルノーオーナーが並行輸入に抵抗がないのかはわかりませんが、妙に印象に残りました。


■復調の兆しを見せるプジョー
漸減傾向が続くプジョーですが、ようやく復調の兆しを見せてきたという感じです。

今年は珍しく504など珍しい旧車が何台も参加されていたり、新世代(208や新型308)での参加者が目に見えて増加しており、新旧広い層の参加者が揃った感じを受けました。

新車の販売が今後好調に推移すれば、こうしたイベントへの参加者は自然と増えていくのではないでしょうか。

逆に207や307、407といった旧車とまでは言えない中間世代が激減していました。
世代交代が進んでいるのだと思いますが、このあたりは日本でも多くのオーナーがいただけに、一抹の寂しさを感じたりもしました。

シトロエンやルノーはグループパーキングを利用して多くの台数が一同に集まっていましたが、プジョーではそうした動きは特には見られませんでした。

しかし309や106などがこうした小集団で集まっている光景を見ると、プジョーにも結束の硬いオーナーさんがいるわけです。

こうした輪が広がっていくと、プジョーを取り巻く雰囲気も変わっていくんじゃないでしょうか。

20151018_095010_masked.jpg

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そういえば。

唯一、"なんちゃってプジョー"をやる人を見かけなかったのが残念でなりません。

プジョーはギャグの対象には成りえないのでしょうか?


■その他メーカーのオーナー、大きく減少
一点意外だったのが、フレンチ4ブランド以外(Others)の参加者が大きく減少しています。

フランス車のお祭りだというのに、ここ数年ずっとその他のメーカーの参加者が右肩上がりに増加しておりましたが、今年はガクンと減少しました。

原因はまったく思いつかないのですが、上記したようになんちゃってシトロエンやなんちゃってルノーとしてカウントした台数がそれなりにあったことが多少は影響しているのかもしれません。

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全体の来場者を増やすこと、また潜在的なフランス車の見込み客を増やすためには、その他メーカーのオーナーを取り込みたいところですので、FBMがお祭りとしての演出にもう少し力を入れてみるといいかもしれません。

『楽しそうな祭りに人は集まる』

の言葉のように、フランス車のオーナーである我々がFBMを楽しんでいることが伝われば、必然的にその他メーカーのオーナーも増えるのではないかと思います。


総評ならびになんちゃってネタ関連については、続きのエントリーにて書きたいと思います。
まずは速報でございました。

続きはこちら。

FBM2015勢力分布の話(2)

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