フランクフルトショーを控えて欧州各社がアップを始めておりますが、ここ数年は経営立て直しのためにあまり大風呂敷を広げることの出来なかったプジョーさんが久々にやらかしてくれました。
そんなわけで、『Peugeot Fractal concept』であります。
これで何がわかるんやっ!っていうティーザー映像が公開されるなか、あっけなくその素性がすっぱ抜かれてしまいました。
まぁこれもリークの一つではあるのですが。
「フラクタル」というのはマンデルブロが考え出した幾何学の概念の一つであり、説明するのがなかなか難しいのですが、90年代にマンデルブロ集合をCGを使って描いたり、シグノシスが『フラクタルエンジン』と名付けた描画エンジンによりゲームにおいて高度なCG表現が可能になった際にその名を覚えた人も多かろうと思います。
まぁそんなわけで幾何学の概念から描かれたデザインを踏襲したコンセプトカーではあるのですが、そのルーツは先日GranTurismo6用に提供されたバーチャルコンセプトカーである「Peugeot Vision Gran Turismo」にあると言えます。
小型のオープンスポーツカーを基本コンセプトとし、ハッチバックのようなスタイルのハードトップが着脱可能になっていたりすることから、207ccとRCZを足して2で割ったようなイメージと考えるとわかりやすいかもしれません。
207ccもRCZも後継車種は発売されない(208はソフトトップのオープンの噂があるが)ため、プジョーとしては両者の良いところを合わせたようなデザインスタディで市場の反応を伺うつもりではないでしょうか。
従来のプジョーさんのデザインフィロソフィーである曲線を基調とした有機的なデザインから、大胆な直線を組み合わせた高度なデザインへ転換しようとしているのかもしれません。
CGで描く場合は直線基調の方がポリゴン数が少なくて作りやすいなぁ、などと思ってしまったりしますが、個人的にこのデザインの路線は嫌いではありません。
うまく実現できれば非常に知的なイメージを与えることが出来ますので、市販化を目指すのであればぜひこの路線を崩さずに行って欲しいものです。
パワートレインに関しては現在の時流に則り電化技術(EVまたはPHEV)が用いられ、高い環境性能を実現することでこの手のクルマの存在意義を見出すつもりなのでしょう。
市販化を考えると解決すべき問題が多々あるため、今回の発表はあくまでコンセプトとして考えるべきではありますが、従来の市販化とは程遠いコンセプトカーに比べるといくぶん現実的ではあると感じさせます。
欧州のトレンドとしてピュアスポーツの復活を掲げるメーカーが増えてきたことからも、PSAとしては今回のフラクタルコンセプトでその存在感をアピールしたいってことなのかもしれません。
もうちょっとしたら正式発表になりますので、改めてそのコンセプトが意味するところを考えてみましょうかね。
P.S.
・・・と思ったら発表されちゃいましたよ。
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