輸入車の保有台数から見えるもの



お盆進行を前に現実逃避でデータを漁っていたら面白いのが出てきましたのでご紹介です。

新車販売だけではわからない、日本における各ブランドの保有台数データとなります。

この数字から読み取れるのは、過去の車種も含めてどれだけの台数が国内に現存しているか(書類上はナンバーを付けて走れる状態)を表すものであります。

新車販売台数-登録解除(≒廃車)=保有台数

という考え方ですね。


輸入乗用車保有台数(2014年3月末現在)
Brand20132014前年比(%)
BMW(MINI含む)654,190682,500104.3
VW656,161677,688103.3
Mercedes-Benz611,322623,115101.9
Audi193,183213,601110.6
Volvo187,018188,275100.7
Nissan156,918183,856117.2
Peugeot102,91299,02296.2
Chrysler78,58279,887101.7
Honda89,61577,36286.3
Toyota77,53372,09793.0
Porsche62,81166,910106.5
Ford61,43859,52196.9
Alfa Romeo55,69554,92598.6
Fiat42,13948,475115.0
Rover51,76548,05592.8
Jaguar44,86343,00695.9
Renault33,61235,992107.1
Chevrolet33,29831,41894.4
Citroen28,82730,218104.8
Mitsubishi21,04030,118143.1
Opel29,47423,29879.0
Land Rover15,53617,971115.7
Cadillac16,39115,82796.6
Suzuki15,39015,544101.0
smart13,50713,865102.7
Ferrari11,01111,472104.2
Mini9,4058,94395.1
Lotus7,8438,104103.3
Saab9,4718,05885.1
Subaru6,9935,61580.3
Hyundai7,1415,61478.6
Maserati4,9875,602112.3
Others4,5315,186114.5
Lancia4,4224,25496.2
Bentley3,4023,672107.9
Isuzu4,2963,43680.0
Hummer3,2343,19498.8
BMW Alpina2,9413,142106.8
Pontiac2,5302,45897.2
MG2,3372,342100.2
Lamborghini1,9822,167109.3
Buick2,1492,01293.6
Rolls Royce1,8531,936104.5
Aston Martin1,6751,843110.0
GMC1,1461,07994.2
Morgan748786105.1
Autobianchi72671798.8
Saturn71956578.6
DAEWOO24618876.4
GMDAT21317280.8
Maybach166171103
Ssangyong977476.3
Kia444090.9

BMWはBMW MINIを含んでいますので、感覚的に-10万台ぐらいが実数に近いといったところではないでしょうか。
(BMW MINIの新車累計販売台数は約17.6万台)

こうして見るとドイツ御三家はやはり強いですね。

新車の販売も好調ですが、登録年数が経過しても第二、第三のオーナーの元で乗り継がれている個体が多いのでしょう。


前年より数字を落としているブランドは新車販売が不調か、経年劣化が進んで廃車が増えているのかもしれません。

ぶっ壊れやすいというイメージのあるイタフラ車を見てみると、プジョーは新車販売以上に数字を下げていますので廃車になった台数が多いことがわかります。

ルノーとシトロエンについては台数が大幅に増えていることから、廃車になる個体は一通り廃車になってしまい、残った個体をオーナーさん達が泣きながらメンテして維持しているのでしょう。

特に旧車のオーナーが多いこの2つのブランドですが、その光景を想像するとなんだか微笑ましい感じです。

フィアットについても同じ傾向ですね。

アルファロメオは新車販売が不調でもあるため数字を落としています。
アルファ156あたりは多く売れましたが、そろそろ維持するのも限界に近い個体が多いことから、その辺が減少に拍車を掛けているのかもしれません。


オペルやサーブなど前年比で大きく数字を減らしているのは、国内での新車販売が終了し残った個体が徐々に減っていっていることを意味します。

まさに絶滅危惧種です。

残されたオーナーさんたちはしっかり維持して、そのブランドの火を消さないように頑張って頂きたいものです。

他人事です。すいません。


さて、保有台数を減らさないようにするためには何よりも整備できる環境(部品供給そして整備工場)の存在が欠かせません。

正規ディーラーでのメンテを受けられない人のために整備工場が日本にもたくさんありますが、その腕前の善し悪しがイマイチ一般には伝わりにくいという問題があります。

個人で多くのノウハウをお持ちの方もおられますが、整備工場の方はとにかく多くの情報発信をして頂きたいと思います。

facebookやみんカラなどを使って修理の事例を多く開示すればするほど、必要な人に情報が届く確率が高まり、そしてそれが顧客として定着する可能性も高まるわけですから。


新しモノ好きでなおかつ国産車贔屓だった当方ですが、ディスカバリーchなどでやってる『名車再生!クラシックカーディーラーズ』などの影響で、今ではすっかり旧車も悪くないなと思うようになりました。

気に入ったものを長く使い続けられる環境が整うことが何よりだと思います。

そんなわけでちょっといつもと違ったデータのお話でしたとさ。

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