さぁ、ますますおかしなことになってまいりました。
独フォルクスワーゲン(VW)の日本法人フォルクスワーゲングループジャパンの庄司茂社長(52)が7月31日付で退任することがわかった。スヴェン・シュタイン副社長が8月1日から社長を兼務する。庄司氏は日本自動車輸入組合理事長も務めていた。
同社では「本人から退任したいとの意向があり、受理した」としている。
庄司氏は伊藤忠商事などを経て、平成24年6月にVWに入社、同8月に日本法人社長に就任した。販売店改革などを進め、25年から2年連続で過去最高の販売を達成。今年春からは「ゴキゲン♪ワーゲン」をスローガンにブランドイメージの向上に取り組んでいた。
今年上期はメルセデス・ベンツに16年ぶりに輸入車販売首位を奪われたが、7月中旬に新型「パサート」を発表するなど、巻き返す構えをアピールしたばかりだった。
まさに『フキゲン♪ワーゲン』な感じですw
今年の3月にプジョー・シトロエン・ジャポンの上野国久社長が退任(実質的な解任)の話題がありましたが、それに続いていろんな意味で衝撃的なニュースであります。
庄司社長は2012年8月1日にVGJの社長に就任していますから、ちょうど3年での退任となりますのでこれが「突然の退任」なのか?「既定路線」だったのか?というのはちょっと判断に迷いますが、少なくとも4月に大きなマーケティング方針転換をしていること、そして現副社長がスライドして社長へ就任したことなどを考えると、やはり円満退任ではないであろうことが想像できます。
引き抜きとか移籍とかいろんな言説が飛び交ってますが、退任の主な理由は明白であります。
『販売不振』
この一言に尽きます。
ここで言う販売不振というのは、いわゆる「販売が低迷したことによる引責」ではなく、「販売が計画通り伸ばせなかったことによる引責」と考えるべきでしょう。(もしくは達成のメドが立たないと悟って庄司氏が逃げ出したか)
確かに2015年のVWの販売台数は前年割れをしており、(一見すると)VWほど販促に金を掛けているようには見えないメルセデスが販売台数でVWを上回るという怪現象が発生していることから販売の低迷という見方も出来なくはありません。
その目標に対して実績との乖離が大きく、メルセデスにも販売で抜かれるという事態においては、本国も黙って見ていられないということだったのでしょう。
その意味では本国からの強いプレッシャーに耐えきれず退任したのかも…と同情の声もあるかと思います。
しかし庄司氏は10万台という目標があることを知ったうえでVWの社長に就任したわけですし、当然それに見合った報酬も得ていただありましょうから、それが達成できなければ責任を取ることになるのは当然かと思います。
しかし突然VW社長を退任するだけでなくJAIAの理事も必然的に辞することになるわけで、日本の輸入車市場を取りまとめる役割まで放棄したことは評価できません。
VWは長らく日本の輸入車市場のトップを走ってきた会社であり、日本の輸入車市場を引っ張っていく役割と責任を担っていたわけですから、これで輸入車市場に水を差すようなことがあれば、あたしゃ許しませんよ。
さて、なぜかVWに関する内情というのは自動車メディアではあまり報じられてこなかったわけですが、今回の騒ぎでVWの国内戦略や日本の市場の閉鎖性とかなんとかいろんな話が出てくるような気がしないでもありません。
個人的にDSG騒動についてダンマリを決め込んだ各種メディアがどう手のひらを返すのか興味津々でありますw
ってことで、月初で仕事が忙しいのですが、時間があれば庄司社長の3年間を振り返りながらVWの国内戦略についてちょっと考えてみることにしましょうかね。
この記事へのコメント
みつ
色々な情報を載せて頂き、感謝してます。
ところで今週号の週刊現代には庄司社長の紹介記事が。。。
なんというタイミングなんでしょうか。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44573
訂正も間に合わなかったのでしょうね。