ポップカルチャー枠で愛されて3万台

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日本において輸入車というのはある種の変わり者が選ぶもの、という捉えられ方は一定の真理であると思います。

そんな中でもポップカルチャー枠(≒キャラクター商品枠)とでも言う領域がありまして、“カワイイ”とか“ちょっとシャレてる”という個性を持ったクルマがこの枠を競い合っていたりします。

簡単に言えば女性にもウケるクルマという位置付けと考えればわかりやすいでしょうか。

この枠は必ずしも台数は多くなくても雑誌などのビジュアルを飾ったり著名人の愛車として知られていたり、デコレーションなどのカスタマイズで人々を驚かせたりといった、ポップカルチャー方面での影響力が強いクルマと言う事が出来ます。


1990年代中頃に輸入車市場が急拡大した時期がありましたが、その辺りからこうした枠の客層が広がりを見せてきたと言っていいでしょう。


古くはBMWに買収される前のローバー『MINI』(1959年~2000年)なんかが先行例であったと言えるでしょう。

その後この枠は

 ・スマート『スマート for two』(1998年~2007年)
 ・プジョー『206』(1999年~2007年)
 ・VW『NEW ビートル』(1999年~2010年)
 ・BMW MINI『MINI』(初代:2002年~ 2代目:2007年~ 3代目:2013年~)
 ・ルノー『カングー』(初代:2002年~ 2代目:2009年~)
 ・フィアット『Fiat 500』(2007年~2009年)

【番外編】
 ・オペル『コルサ(日本名:ヴィータ)』(1995年~2004年)

などが入れ替わり立ち替わりで人気を博していきました。

番外編のコルサ(日本名:ヴィータ)に関しては、キムタクと常磐貴子のドラマ「ビューティフルライフ」で常磐貴子の愛車として使われたことにより赤いヴィータだけが当時爆発的に売れた(ソース忘れましたが5ケタを超えたとか)なんてことがありました。

正確にはこれはポップカルチャー枠では無いですね。一応参考までに。



ここで注目すべきは、ほとんどの車種がモデルチェンジを行うとその座を他車に奪われているという点であります。

例外と言っていいのはBMW MINIとカングーぐらいのもので、スマートも206もビートルも、フルモデルチェンジで方向性を変えたことにより支持を失い、ポップカルチャー方面の枠から滑り落ちてしまっています。

で、2015年の今日においてその座を占めているのは『BMW MINI』『Fiat500』かろうじて『2代目カングー』が引っかかるぐらいでしょうか。

前置きが長くなりましたが、今日はFiat500周辺のお話などを。


2007年の登場から8年が経過したFiat500でありますが、巧みなマーケティングと少量の特別仕様車の投入により実質的に1車種だけでフィアットブランドを支え続けてきました。

もちろんパワートレインを刷新したり時代の変化に対応すべく商品力の向上を図ってきましたが、何よりその愛らしいスタイルは8年経過しても新鮮味を維持しており未だに高い支持を集めています。
優れたデザインは陳腐化しないというお手本のような車種でありますね。

そんなFiat500でありますが、さすがに特別仕様車商法も限界に近付いてきており、いよいよ最後のテコ入れとしてお値打ち感を前面に出した特別仕様車『500 SUPER POP TOPO』を出してきました。


輸入車にはお値打ち感をアピールできる価格帯というのがいくつかあります。

Cセグメントは300万円以下、Bセグメントは200万以下であれば国産車に+α程度の上乗せで手が届くというイメージを与えることができます。

Fiat500については発売当初は200万円台前半だったものの、2年後に200万を切ったことが話題になりました。

それが装備がいくつか省かれているとはいえ1,792,800円なんて価格で買えるようになったのですから、ずいぶんいい時代になったものだと思います。

「今までがボッタクリだっただけだろ!」

なんて言うのは簡単ですが、今までその価格に見合った価値を見出したオーナーが大勢いたという事実は変わりません。


では、その大勢のオーナーって具体的にどれぐらいなの?

それが今回の特別仕様車のリリースにおいてアピールされております。


「みんなに愛されて、500は2008年3月の発売以来、国内販売30,000台を突破!」


7年間でコツコツと積み上げてきたこの3万台はとても価値のあるものです。

商品としての品質や販売網の脆弱さなど、必ずしも順風満帆ではなかったフィアットブランドにおいて、この数字は見事なものだと言わざるを得ません。


かつてプジョーさんも206が同様にポップカルチャー枠として愛されたことがありました。

206は国内において累計4万9千台を超える販売を記録したんだそうです。

プジョー長崎さんのこちらの回想記事が面白いです。


ディーラーブログでもこうしてちゃんと読み物として書いて下さる方がいる限り、続けて欲しい取り組みですね。



こうして見るとFiat500とプジョー206は同じような支持のされ方なのかなぁ、という気がします。

アバルト仕様から179万で買えるお手軽仕様まで選択の幅が広いこと。

そして何よりそのキャラクターを愛してくれる人がたくさんいたこと。

今年も開催された FIAT BUON COMPLEANNO 500(旧:FIAT BIRTHDAY FESTA) の盛況っぷりからもそのあたりが伺えます。


Fiat500はマイナーチェンジで顔つきが少し変わりますが、全体のスタイルは現行のままでもうしばらく販売が続くことになりそうです。

206の5万台弱までは届かないかもしれませんが、国内でも引き続き愛されるブランドとして販売を続けていって欲しいものだと思います。

206がそうであるように、中古車市場に流れたFiat500をお手頃な輸入車として次のオーナーが愛着を持って乗ってくれることで、いつまでも存在感をアピールしていくことができるでしょうから。


さて。
Fiat500も後継を開発中であることは海外でも話題になっておりますが、フルモデルチェンジした時にまた支持を集められるかどうかは正直言ってわかりません。

ポップカルチャー枠を狙っていろんなクルマ(例:現行のTHEビートルとかup!とか…)がワナビーアピールをしておりますが、市場の評価はなかなか厳しいものがあります。

こうした失敗事例を参考にして、出来ることをチャレンジしていってもらいたいですね。

BMW MINIはそれができているわけですから、フィアットにやれないことは無いと思います。






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