2014年度のPSAのハイライトに関する動画についてご紹介しましたが、それでは実際にPSA(プジョー・シトロエン)は世界的にどれぐらいの販売台数があるのでしょうか?
まずは分かりやすいところから各ブランドの車種別の販売台数を2013年との比較で見てみましょう。
■PEUGEOT (モバイルの方はグラフが切れるのでコチラをどうぞ)
モデル名 | 2013年 | 2014年 | 前年比 | 内訳 |
iOn | 500 | 800 | 160.0% | 0.0% |
107 | 57,700 | 21,700 | 37.6% | 1.3% |
108 | 0 | 44,100 | - | 2.7% |
206 | 72,700 | 26,300 | 36.2% | 1.6% |
207 | 59,200 | 14,100 | 23.8% | 0.9% |
208 | 334,400 | 314,700 | 94.1% | 19.2% |
2008 | 74,400 | 204,600 | 275.0% | 12.5% |
301 | 72,200 | 110,400 | 152.9% | 6.8% |
307 | 15,900 | 5,900 | 37.1% | 0.4% |
308 | 240,700 | 296,600 | 123.2% | 18.1% |
3008 | 140,700 | 153,600 | 109.2% | 9.4% |
5008 | 44,400 | 35,800 | 80.6% | 2.2% |
407 | 0 | 0 | 販売終了 | |
408 | 83,100 | 78,000 | 93.9% | 4.8% |
508 | 89,500 | 74,300 | 83.0% | 4.5% |
807 | 2,800 | 1,700 | 60.7% | 0.1% |
4007 | 800 | 0 | 販売終了 | |
4008 | 9,100 | 7,700 | 84.6% | 0.5% |
RCZ | 9,200 | 7,000 | 76.1% | 0.4% |
Bipper | 22,700 | 18,500 | 81.5% | 1.1% |
Partner | 143,100 | 134,700 | 94.1% | 8.2% |
Expert | 26,100 | 30,200 | 115.7% | 1.8% |
Boxer | 53,500 | 54,500 | 101.9% | 3.3% |
合計 | 1,552,700 | 1,635,200 | 105.3% |
(「内訳」はプジョー全体に対するシェアを意味します)
プジョーブランド全体については新車効果もあり前年比105.3%と堅実に数字を伸ばしています。
特に208シリーズと308シリーズが堅調なのに加えてグローバル戦略車である2008が大幅に伸びております。
それに加えて中国および新興国向けに開発された301が好調といったところでしょうか。
そのおかげもあってプジョーにおける車種のシェアで見ると、208、308、2008で全体の49.8%を占めております。
それに対して3008が世界的に堅調ではあるもののモデルライフ末期となり、5008と共に販売を落としていますので早めにEMP2ベースの新型車に移行したいところでありますが、これらの登場は2016年以降になりますので今年は我慢の年になりそうであります。
また報じられているようにプジョーのスペシャリティカーとしてその役割を担ってきたRCZが現モデルのみで販売終了となります。
世界販売7000台というのは次期モデルを開発するには厳しい数字となりますので、2022年までにPSA全体で26車種まで削減を進めるPSAにとってはリストラの対象にせざるを得ないというところでしょうか。
その分スポーティモデルは既存のボディタイプをパフォーマンスアップすることにより対応することになります。
いわゆる、208の通常ラインナップに加えて 208GT ⇒ 208GTi ⇒ 208GTi 30th Anniversary といった感じでボディスタイルは共通ながら中身をチューンナップすることにより差別化を図るという方向性ですね。
三菱自動車からOEM調達しているiONは予定ではシトロエンC-Zeroと合わせて10万台の販売を目標としていましたが、実績としては惨憺たるものになっております。
とはいえ欧州でも充電インフラの整備が進んできたことでEVが徐々に売れ始めてはおりますが、iON(iMiEV)の基本設計の古さもありこのまま継続しても競争力を取り戻すことが難しい状況です。
そのためPSAではiONとC-Zeroの後継を自社開発に切り替えて2020年に投入予定であることを明らかにしております。
PSAのプラットフォームはEMP1とEMP2に集約されますので、小型車用のEMP1を使ってEV化をすることになるわけですね。
HYbrid Airのことは無かったことにされてしまいましたw
PSAとしては燃費を大きく稼ぐモデルとしてHYbrid Airにかなり期待を掛けていたところがありましたので、この大きな方針転換が実を結ぶのは当分先のこととなります。
そこまでの繋ぎとして、もう一度三菱自動車(≒NMKV)から開発中とされるiMiEVの後継車種をOEMで受けることになるかもしれません。
現状では欧州におけるEVは環境アピールと補助金目当てで導入されるケースが多く、圧倒的に法人需要となりますので自動車メーカーとしてEVのラインナップがあるというエクスキュースがあればいい、というところでもありますので。
自社開発のEVが登場する2020年頃には市場はどこまで広がっているでしょうかね?
その他のOEMである4008も1万台に満たない販売ということで流行のクロスオーバースタイルでありながらあまり販売に力を入れてない感じが見受けられます。
(キャラクター的にもサイズ的にも2008と被る部分が多いので売りにくいという面もあるのでしょうが、だったらなんで4007同様にアウトランダーのOEMにしなかったのか疑問が残るところでもあります)
(キャラクター的にもサイズ的にも2008と被る部分が多いので売りにくいという面もあるのでしょうが、だったらなんで4007同様にアウトランダーのOEMにしなかったのか疑問が残るところでもあります)
そんな感じのプジョー勢でありますが、販売の回復はモデルチェンジという新車の投入によるところが大きい部分がありました。
それに対して2015年は上記したように既存ボディのパフォーマンスモデルの投入や208のマイナーチェンジはありますが、新規のボディタイプの投入やフルモデルチェンジは特に予定されておりません。
本来ですとこのあたりで208ccなどのバリエーション展開があったりするのですが、208ccは既報の通り廃止。その代わりにソフトトップのオープンカーが登場予定となっておりますが、これももう少し先の話となります。
その意味で、2015年のプジョーはある意味我慢の年となります。
別の見方をすれば、既存モデルの商品力でどこまで売り伸ばしができるかを問われることにもなりますので、プジョーブランドそのものの実力が問われる年という見方もできるかもしれません。
こうしたワールドワイドの展開を押さえた上で日本市場ではどのような戦略を採ってくるのか、プジョーうぉっちゃーとしては非常に興味深いところであります。
【こちらもあわせてどうぞ】
【PSAの状況を整理してみる2015】どこで売れているのか?
この記事へのコメント