エサとしての認定中古車ってどうかね?

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プジョーというブランドが日本においてどのように評価されているか?

いろんな観点から分析できるが、少なくとも新車販売においてはなかなか好転せず厳しい状況が続いているが、だからといってプジョーのクルマを欲しがる消費者がいないのか?というと実はそうでもない。

ソーシャルメディアなどでプジョーに関する話題をいろいろ拾っていくと、ブランドとしてのプジョーに対する憧れは根強く、ラリーで活躍した205や106、206辺りの中古が安く買えることもあって、それなりに盛り上がっている感がある。

一部の好事家を除いて彼らは好き好んで古いプジョー車を乗っている訳ではなく、自分の経済力で維持できる手頃な外車がプジョーだったという側面もあるわけで、ちょっと背伸びして買えるんだったら最新のプジョー車に乗ってみたいという願望はそれなりにあるわけだ。

そこで中古車という選択肢が出てくるわけだが、プジョーの中古車については新車の販売が減少したことにより買い替えも進まず安くて程度のいい中古のタマがあまり出てこないという構造上の問題がここ数年見られている。

ディーラーで試乗車として使われていた走行距離の極めて少ないもの(いわゆる試乗車上がり)が認定中古車として流れてくることが多く、それが割高感を演出している感も否めない。

とはいえ、中古車と言えどもディーラーにとっては重要な収入源であり、中古のサイクルが回り始めると新車の販売にも良い影響が出てくることから、認定中古車に対する戦略というのもインポーターにとっては重要であったりする。

そういうところに目を付ける専門業者というのがいるもので、認定中古車ドットコムがプジョーシトロエンジャポンと6月30日までの期間限定金利も2.39%と比較的低い設定で、なおかつ返済途中に支払条件を変えられる「バリアブル・プラン」のキャンペーンを行っている。

支払条件を変えるというのは、大抵の場合毎月の支払額が思ったよりキツかったので返済を先延ばしにするケースが該当し、必ずしも消費者自身にとって良いこととは言えなかったりもするが、それでもちょっと手を伸ばして認定中古車を買いたい!という動機付けにはなり得るかもしれない。


こういった買い方の選択肢が広がる中で、あとは肝心の認定中古車にどれだけ魅力的なタマを用意できるかという点も重要だ。


メーカーにとっては中古車であっても値段の下落が少ない方がブランド価値が高いと考えており、認定中古車については特に市場価格より高い設定をしがちだ。

それが消費者側から見ると割安感が希薄に映る。

歴史的に輸入車、特にイタフラ車と呼ばれる大衆ブランドはナンバーを付けただけで市場価値は60%などと言われるほど値落ちが激しいとされてきた。

当然中古車を狙う層はそうしたことを知識として知っており、いくらメーカーが認定中古車で価格を高めに設定しようとしても、様子見をされてなかなか売れないという事態を招く。


今のプジョーを取り巻く環境からすると、暴論だがちょっと背伸びして輸入車を買いたいと思ってるような層に対してエサを撒く意味で208 Allure(MT)や高年式207に限って認定中古車を安く大量に投入するような施策を打ってみるといいんじゃないだろうか。

高価格を維持したいメーカーの思惑に逆行することになるが、手っ取り早く国内でプジョーオーナーの絶対数を増やしたいと考えるならそこそこの程度でも良いので戦略的な価格で認定中古車を大量に市場に投入するのもアリだと思う。

キャンペーンが終了したら値段を上げればいい話だしね。

特にMTモデルに関しては国産に選択肢が少ないこともあるので、ディーラーに208 Allureの試乗車を配備し、一定期間を経たものを差額をPCJ側で補てんすることで戦略的な価格の認定中古車にするというやり方であれば、ディーラーの負荷も少なくて済むだろうし。


オーナーの絶対数を増やすには販売のサイクルを回さなければならないが、エントリークラスに相当するラインナップが無いプジョーにとっては、こういった施策を以って客を増やす戦略はそれなりに効果を発揮できると思う次第。

208 Allure(MT)はもっと売れていいし、エサとして使うにも魅力的な車種であることは間違いないのだから、求められる形で市場に流すっていうのは重要ですよ。


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