クルマのかほり

魅力的なクルマとは何か?
デザインや質感、カラーリングやパフォーマンスなど、あらかた議論し尽くされた感があるものの、変わった方面からのアプローチの話があった。

自動車メーカーが取り組む「香りの誘惑」、販促の新分野

記事の中でも触れられているが、クルマのにおい(臭い、匂い、香り)というのはかなりセンシティブな問題だったりする。

一般的に新車の香りは生産ラインで組み上げられて素材が発するにおいがベースとなっており、それを心地よいと感じるか不快と感じるかは人によってさまざまだ。

高級車であれば革製のシートやインパネのにおいが必然的に強くなるため、そこに一定のステイタスを感じられる要素がある。

対して大衆車などはゴムやプラスチックパーツ、接着剤が多様されることからどうしてもそうした合成部品特有のにおいが強くなりがちになる。

ここにあえて演出を加えるという考え方は、悪いものではない。


「顧客に車の購入を促す香りはまだ特定されていない」

と認めているように、何が人に心地よい、好意的な印象を持つにおいなのかを突き詰めるのは非常に難しい。
性別、年齢、人種、気候、それら様々な要素の中からベストな嗜好を見出すことなんて、実際のところは無理な話だろう。

さらに

「においが強すぎると快適レベルも下がる」

という研究結果もあったりすると、単に良さげだからといってにおいを強くするわけにもいかず、この部分をアピールするかというのは難しい課題ではあると思う。

とはいえ、プジョー&シトロエンについては、「パフュームディフューザー」というオプションを早くから採用しており、エアコンの吹き出し口にアロマオイルのユニットを装着して車内に香りを行き渡らせる仕組みだ。

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市販の芳香剤とやってることは大して変わらないが、メーカー自らこうしたオプションを設定して専用の取り付け口を用意してたりするのは、それなりに画期的なことだったとは思う。

言うなれば、先代のVWビートルが、ステアリング付近に一輪挿しを設置していたのと同じセンスの良さを感じさせる。

その割に、宣伝においてこのオプションをアピールすることはあまりなく、最近では設定そのものがなくなってしまっていた。

女性層を狙いたかったらこう言う部分は手を抜かない方がいいんだけどねぇ…


しかし、来年には新しい新しい芳香剤のディスペンサーを開発中だというので、どういった提案の装備になるのか、個人的には非常に楽しみにしている。



ところで。


車内のにおいという話題に触れるのであれば、忘れちゃならないのがファブリーズの名CMだ。

「でも臭いよ。」

この哲学的なメッセージが意味するところを、今一度頭に刻み込んでおこうじゃないかw



この記事へのコメント

  • ablamcer

    いつもブログ楽しく拝見しております。

    香りについては歴史が浅く、まだわからない事がたくさんあります。

    香りを測る装置なんてものもあったりします。
    その装置、元々のベースはフランス製の自動車のレザーシートの香りを分析する装置がベースとなっております。今はフランスはやめちゃったかなと。

    香りを真剣に分析しようとする発送がフランス流ですが、面倒くさいとわかると、とっとと撤退するのもフランス流なのですかねえ、

    日本でも新車納車のタイミングで悪臭のクレームに悩まされるなどと聞いたりもするので、案外面白いテーマです。
    2015年03月09日 21:44

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