私は今、猛烈に興奮している。
先ほどアマゾン様では在庫すら持ってもらえず、しょうがないのでhontoでオーダーした一冊の本が届いた。
▲「ホンダ、フォルクスワーゲン プジョーそしてシトロエン 3つの国の企業で働いてわかったこと」 上野 国久
企業トップが自分のキャリアを振り返りつつ自伝的な本を出すのはある種のステイタスであるわけで、上野社長もここぞとばかり頑張って書いたのだろう。
この、いかにもグローバル企業でのキャリアをアピールするようなタイトルから漂うある種の地雷臭。
そして、ある種の意図をもって書かれたような、いかにもな感じのカスタマーレビュー。
事故物件には自ら体当たりするのが本分である当方にしてみれば、振られたネタに対して受けてたたねばというある種の使命感にも似た感情に突き動かされた気がする次第だ。
現在のプジョーシトロエンジャポン社長である上野国久氏については、就任時から当BLOGで触れてきた。
それは、日本市場を知っている人がトップに立つことで、少しでも状況が改善するだろうという期待を込めてのものだった。
しかし、結果だけで判断すれば、一時期のシトロエンの復調があったものの、リーマンショック以降の日本の輸入車市場において、プジョーとシトロエンはそのシェアをどんどん下げている。
つまり、うまくいっていないということだ。
現状が本国の指示によるものか、上野社長の手腕によるものかは、現時点で当方が判断するだけの材料を持ち合わせていないので断定はできないが、期待はずれであるのは事実だ。
普段この手の本は買わないのだが、
「なんでプジョーがこんな状況になってしまったのか?」
そのヒントが得られるかもしれないということでオーダーしてみた。
で、冒頭に戻る。
私は今、猛烈に興奮している。
プジョーの社長が、セガを語っているのだ。
なんのこっちゃ?と思った貴方、つい数時間前まで当方もなんのことだかさっぱり意味がわからなかった。
上野氏は1982年に自身のキャリアをホンダからスタートし、販売部門でのキャリアを積み上げいった。
当時ホンダには入交昭一郎という人がいたが、社内の社長昇格レースにおいて川本信彦氏に敗れ副社長に就任したが、2年後にその職を辞してセガへ転身した。
当時このニュースをゲーム業界側から見ていた当方は、なんでこんな畑違いの人がセガに来るんだろう?などと感じたことを思い出す。
その後、入交氏に誘われる形で8名がホンダからセガに転身することになるのだが、その中に上野氏も含まれていた。1995年の話だ。
1995年当時のセガは中山隼雄社長のワンマン体制の元、アーケードゲームを席巻し、家庭用ではセガサターンを発売してソニーのPlayStationと激しく市場を争っていた頃だ。
セガに転身した上野氏はこのセガサターンおよび後継であるドリームキャストのマーケティング総括責任者だったそうだ。
つまりアレだ。
我々セガマニアが一番イライラしていた、サターンおよびドリキャスのヘタなマーケティング戦略を、上野氏が40名ほどの部下を率いて指揮を執っていたということだ。
何か因縁めいたものを感じさせるじゃないかw
この著書の中でセガでのエピソードについて、上野氏は22ページを割いている。
非常に興味深い話が語られているので、セガに関する歴史を補完する資料のソースとして、セガマニアはこの本を押さえておくべきかもしれない。
恐らく発行部数はそれほど多くは無いはずだ。
プジョーの話そっちのけで、次回もその驚愕の中身を見て行こうと思う。
この記事へのコメント
がぬっち
で、ドリキャスのマーケティング総括責任者・・・うーむ、ですね。
ところで
三栄書房「プジョー308のすべて」でのインタビューは
上野社長ではなく「PCJ営業部長 加藤泰敬」いう方でした。
去年11月発売「シトロエンC4ピカソのすべて」の
インタビューは上野社長でしたが。
これは、希望的深読みすると人事フラグだったりして。
ma
買おうかどうか迷っていましたが、内容はどうであれ、PCJの「中の人」の言葉は現状を解釈する上で貴重ですので、買ってみようかな。
海鮮丼太郎
コメントありがとうございます。
ね?
うーむでしょw
インタビューに応えたのが広報担当ではなく営業部長というのがちょっと興味深いですね。
新型308のすべては買ってなかったので、ちょっとチェックしてみます。
まぁ、あまり人選に深い意味はなさそうですがw
>maさん
PCJの中の人の話、という意味ではお金を払ってきちんとチェックするのもアリかと思います。
意外な発見もあったりしますし、上野氏がどういうことを考えているのかを知る役には立ちましたが、結論として今のプジョーの状況があるということを考えると、「うーん」という気にさせられてしまいました。
お買い上げの際は上記アマゾンのリンクを踏んでから買って頂けると幸いですw