「ヨーロッパは、征服してきた。」
おぉ…
いいコピーじゃないか。
そんなわけで、昨年末にデビューした新型308の、今週末に開催されるアンコールフェアのDMがディーラーから届きましたが、まず目に入ったのがこのコピー。
ずいぶん挑戦的ではありますが、いいコピーだと思います。
新型308に関しては、日本でどのようにプロモーションしていくかずいぶん悩んでいるようにも見受けられますが、一貫してアピールしているのが欧州COTYを獲得した、という点であります。
ゴルフ7がその前年の欧州COTYを獲得したことで、2014年はあまり目立った候補が無かったことから、どちらかといえばトータルバランスの取れた新型308が消去法的に選ばれた感じにも見受けられます。
選考員の得票を見てみると、スペインの変わり者一名以外は満点を付ける者はいないけど、20名が自身持ち点の中から最高ポイントを新型308に与えています。
それに加えて「0点=まったく評価しない」という選考員がいない事からもわかるとおり、
“際立って秀でているわけではないが、それなりに評価できるクルマ”
というのが全体の総意と見ていいでしょう。
これが当方が分析した受賞理由であったりしますが、際立って秀でているところが無くても、トータルバランスが優れているというのは立派な長所であることに変わりはありません。
ただ、商品をアピールする際にとてもやりにくいわけではありますが。
そんな背景もあってか、日本COTYでも欧州COTYを獲得したという点を武器にして猛プッシュしたことで最終選考の10ベストカーに選ばれるところまでは行くことができました。
しかし最終選考結果はかすりもしませんでした。
仮想敵であるVWゴルフやボルボのV40、メルセデスCクラスと比較しても、性能的に秀でているところが無い以上、わかりやすいアピールポイントとして現時点で掲げられるのは「欧州COTY受賞」という点であるのは致し方が無いと思います。
じゃあこれをコピーというコトバにどう落とし込むか。
それが冒頭の「ヨーロッパは、征服してきた。」になるわけですね。
これ、新型308の一番最初のプロモーションから使っていれば良かったのに、と思います。
(最初の広告では、これとは別のコピーが使われていたと記憶しております)
一番最初に注目を集めるためのフックにするためのコピーとしてはじゅうぶん挑発的であり、目に止まります。
実際の中身がそのコピーに相応しくなかった場合には叩かれる結果になったでしょうが、それでもまずは注目を集めることの方が大切です。
残念ながら発表から3ヶ月が経過し新規性が薄れたことで、受動的にこのコピーが世間を騒がせることはできないでしょう。
プジョー自らが大量の広告を出すことで能動的に騒がせないとならないわけですから、こんなDMのフレーズに使われるだけなんてなんだかもったいないなぁと思った次第です。
コピーがいいとか悪いとかでクルマの品質が変わるわけはないのですが、久しぶりにストンと入ってくるコピーを目にしたもんですからちょいと援助の意味も込めてピックアップしてみました。
今週末はお近くのプジョーディーラーへ行ってみてはいかがでしょうか。
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