公開当時はそれなりに話題になったものの、以降その話題に触れるのがタブーかの如く皆が口にすることのなくなった小栗旬主演の『実写版ルパン三世』でありますが。
その映画の中で重要なアイコンとして登場したのがご存じフィアットのチンクエチェント(Fiat500)であります。
とはいっても現代の映画ですので、登場するのは初代ではなく現行型のチンクであったわけで、フィアットもノリノリでコラボレーションをやっておりました。
その一環として、青山にあるフィアットカフェが9月1日付けでルパンに盗まれた!という体のラッピングを施して一時閉鎖と相成りました。
てっきり一時的な改装期間なのかと思っていたら、その後動きがなく、ルパンのラッピングも剥がされ、フィアットカフェであった痕跡も無くなっておりました。
▲2014年11月にはこんな感じ
その後半年経ってたまたま前を通りがかったら、冒頭の画像のように「FOR RENT」と掲げられ、内装を解体、搬出作業が行われておりました。
要するに、そういうことですな。
確かに青山の一等地に常設カフェを出展し続けるのは莫大な固定費が発生するわけで、どこかのタイミングで撤退の時期を図っていたということなのでしょう。
それがルパンに盗まれた!(という体)であったのは、演出としては悪くなかったと思いますが、「今後の展開にご期待下さい」という割にその後のオチの付け方が中途半端な感が否めません。
閉鎖するならもう少し明確なメッセージを出して欲しかったですね。
で、フィアットカフェの公式サイトにはこのような文言が掲げられております。
人生を味わう尽くすイタリアのライフスタイル。
2008年以来このイタリアのカルチャーを発信してきたFIAT CAFFEの
新プロジェクトが始動。
東京・青山の地を飛び出し、日本全国の地で、
イタリアのカルチャーが日本のカルチャーと出会いコラボレーション。
生きる歓びに満ちあふれた国と、おもてなしの国が触れ合うことで、
人生に楽しむ新しいSMILEを日本中にお届けしていきます。
フィアットクライスラーグループとして中期的に年間30000台の国内販売を目指すという戦略を掲げたことで、今後は東京だけではなく地方まで広くプロモーション活動を行っていく必要が出てきたため、フィアットカフェの維持コストをそうした方面へと振り替えるという判断なのでしょう。
確かに話題になったオープン時からあの場所で6年間もやってきたことで、じゅうぶんその役割を果たしたとも言えますし、逆に6年経過したことで施設としての鮮度は落ちてきたとも言えますので、合理的といえば合理的であります。
フィアットのディーラーもカフェ風のレイアウトを採用するなど、フィアットカフェで培ったノウハウをきちんと活かしているとも言えます。
ただ、何かこうモヤモヤとしたものが残ります。
この手の仕掛けはオチが大切なのでありまして、ルパンに盗まれた!というのであれば、最後に
「ごめんなさい、盗まれちゃったので閉店です。」
ぐらいのメッセージを最後に掲げて欲しかったなぁ、と。
結局のところ、単なるコラボの域を出ずにネタとしてきちんと消化できてないなぁ、というのがこのモヤモヤの理由なんだろう、と思いましたとさ。
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