新型308見てきた(1)

20141108_030.JPG

さて、11月5日より販売が開始された(ことになっている)新型308でありまして。

デビューフェアは11月中旬(来週末)ということになりますが、一部のディーラーには既にデモカーが配備されておりまして、プジョー新横浜から展示だけど実車があるよ、と教えてもらったので見に行ってきました。

新型308については過去に何度か書いておりますが、206から始まった独特のフォルムを捨て、Cセグメントハッチバック(HB)のトレンドに合わせる大きなデザイン上の方向転換を行いました。

角度によってはノーズが長く見えてBMWのようでもあり、また別の角度から見ると曲面の処理がアルファロメオを彷彿とさせるなど、なかなか写真だけではわからないデザインにも見えました。

それゆえに実車が早く見たかったので今日が待ち遠しかったわけですね。

で、ファーストインプレッション、というか直感的に感じたのが…

なんかVWゴルフみてぇだな。。。、というものでした。

これはポジティブにもネガティブにも捉えることができますが、それは後で改めて。

まず一発目に横から見ていただきましょう。

20141108_032.JPG

ゴルフと比べると前後の凝縮感というのが感じられますが、旧型308の流れるワンモーションな感じとは異なった、正統派HBであることがよくわかります。

vw_golf_history.jpg
▲歴代ゴルフのシルエット

308side.jpg
▲先代308

先代308よりAピラーおよびCピラーが立っているため後席の頭上はずいぶん余裕ができ、全体的にゆったりとした居住性を確保しております。

先代とのシルエットを比較するとこんな感じになります。

Compare_308.jpg
▲クリックで拡大

数字にするとほんの小さな変更ですが、このようにガラリと受ける印象が変わるというのがデザインの面白いところですね。

ゴルフのように見えるというのはハッチバックの基本を突き詰めた結果であり、307から先代308まで続いたフェリーヌ的な演出からの新たなデザインチャレンジということになるのだと思います。

308が登場した際の、あの大口を開けたデザインは賛否両論ありましたが、今回の新型308では、少なくとも理解できないデザインだとして批判されることは恐らくないでしょう。

逆に個性が失われたという見方もできるわけですが。


さて、あまり媒体が注目しない部分のディテールを見ていきましょう。
ふと目をやったワイパーに思わず目頭が熱くなりました。


そうです。

モデルによってはすでにいくつか右ハンドル対応のものもありましたが、307も先代308もワイパーは左ハンドル仕様のままであり、拭き残しが多くイライラとさせられておりました。
それがついに、右ハンドル仕様に改善です。

ワイパーブレードが少し安っぽく感じますが、役割を果たせばそれでいいのです。
これだけでも5億点あげちゃいます。


運転席に乗り込んで足元を見てみましょう。
EMP2プラットフォームとなって設計の柔軟性が高くなりましたが、ブレーキのマスターシリンダーはどこにあるのでしょうか?

この写真を見ればもうおわかりですね。

20141108_036.JPG

ということで従来通り、ブレーキのマスターシリンダーは左にあり、右ハンドル化にあたってはブレーキペダルの踏力をロッドを通して左のマスターシリンダーへ伝えるという従来通りの方法となっております。

20141108_038.JPG

そのため、ペダルレイアウトも若干オフセットしているところはそれほど改善されず、左にフットレストが付いておりますが全体的に足元の余裕というものは期待できません。
(狭いわけではないのですが快適ではない、というところでしょうか)

この部分でマイナス5億点。

右ハンドル仕様というのはイギリスや日本などを除けばそれほど市場のニーズは高くはなく、今後インド市場が盛り上がってくればそれなりに力を入れるのでしょうが、今のPSAにおいてはプラットフォームレベルで右ハンドル仕様をきちんと作りこむほどの余裕はない、ということなのでしょう。


エンジンルームを見てみましょう。
1.2Lターボエンジンということですが、それほどエンジンコンパートメントに余裕はありません。ちょっと意外でした。

20141108_016.JPG

エンジンには、消音用のパネルが貼り付けられており、3気筒の振動を抑えるのに意外と苦労しているのかな?とも思わせます。

20141108_017.JPG

これが上級グレードのCieloだけの話なのか、下位グレードのPremiumもそうなのかは気になります。


で、EMP2プラットフォームはエンジンマウントを低くすることで低重心を実現した、という宣伝文句がありましたが、確かにマウントが低くなっているような気もしますが…

20141108_019.JPG

こればかりは試乗してその真価を確かめてみるしかないでしょう。


主要諸元がFIXしましたのでトピックになりそうなところを挙げるとすると、例によって平成27年度燃費基準達成レベルのため、減税対象にはなりません。

20141108_025.JPG
▲撃墜マークの★は付いてません


燃費については、

308 Premium
308 Allure
308 Cielo   この3車種が16.1km/L


308sw Premium
308sw Cielo  この2車種が16.1km/L

を実現してきました。

え?

ハッチバックとワゴンが同じ燃費なの?

重量は

308 Premium  1270kg
308sw Premium  1320kg。

+50kgの差しか(これはビックリ!)ないわけですが、そうは言っても50kg差ですし、空力特性も異なるのに同じ燃費というのは、どちらかがサバを読んでいるとしか思えないんですが…

ってことで同じ右ハンドルのイギリス仕様を調べてみました。
同じPureTech 130 with EAT6の仕様で比較すると…

15/16インチタイヤ装着車 20.40km/L (欧州複合モード燃費)
17/18インチタイヤ装着車 19.23km/L (欧州複合モード燃費)

ということで、タイヤサイズによって燃費が違うだけで、HBとワゴンで違いはありませんでした。

感覚的にHBだったら最低でも18.0km/Lぐらいは行くかな、と思ってましたが控えめな数字ですね。
(日本仕様では308 Cieloが標準で17インチである以外はどれも16インチが標準。タイヤはGoodyearでした)


あと一つ、地味にうれしいポイントが。
前回、全幅が1800mmで行けるかも、なんて話を書きました。
確定した諸元上の全幅は1805mmなのですが、車検証上の記載では最後の桁は落として1800mmで行けるそうです。

全幅1800mm制限の駐車場などが多い中で、これは非常にうれしいポイントです。

BMWが3シリーズのドアハンドルを変更してまで国内仕様は全幅1800mmをキープしているのは、日本の駐車インフラがいかに1800mm制限が多いか、ということを表しています。

1800mmまでであれば、大抵の駐車場に入りますので、車庫証明を取るときに門前払いを受ける可能性も低くなりますね。


長くなったので以下に続きます。

この記事へのコメント

  • エディ

    旧308がワンモーションフォルム、
    新308がキャビン重視のフォルム、
    一瞥して明らかなのに、重ね合わせてみるとごく僅かな寸法差しかないことに驚きました。
    2014年11月09日 12:03

この記事へのトラックバック