天使はいなかった。


今日は会社の決算締日だ。
そして非常に天気がいい。
こんな日は会社を休むに限る。

ってなわけで、夏休み未取得分が消滅してしまうのも悔しいので、あえて休みを取ってみた。


せっかくの平日なんだし、有意義に過ごしたい。
そんなわけで国内某所にある室内プールに向かった。

僕だけの天使に会いに行くために。


天使といっても、世間的に言う養殖モノと天然モノに分類されるわけだが、養殖モノに関しては多種多様な天使がおり、確かに素敵だとは思うものの、心を奪われるほどではない。

やはり天使は天然モノに限る。

その天然モノの天使は、今年の春ごろ突然現れた。

・・・。

以下、当時書き止めた原稿から引用し、一部加工して掲載することにする。

普段は女性を性的な目線で見ることはあってもコトバにするのは変態紳士のすることではないというポリシーを持っており、そのポリシーから逸脱することになるが、書かずにいられないこの衝動はご理解いただきたい。

いや、ご理解いただかなくてもいいや。
とにかく、あの日の出来事を記録しておく意味は、自分的にはあるのだから。


とにかく、その天使は歳のころ20歳前後。
プール監視員と似たような競泳水着を着ていたので、監視スタッフなのだろうと思われた。

ひょっとすると大学の水泳部の選手がアルバイトついでに監視員をやってるのかもしれない。

まぁ素性はどうでもいい。

細い線の身体からスラリと伸びた脚が競泳水着で協調され、しかも競泳選手特有の肩肘に余計な筋肉がついておらず、大人の女性になりきるギリギリ手前の、見事なプロポーションだった。
(あえてイメージ画像は載せない。想像してごらん。)

当方は病後の体力回復のために延々と水中ウォーキングに精を出していたのだが、その天使はプールサイドをゆっくり歩きながら、プールを眺めつつ子供たちが走ってたりすると注意をしているようだった。

そして、たまにプールサイドに腰かけて、泳いでいる人たちに声掛けをしているようだった。

あんまり声掛けするスタッフって見ないよなぁ…

そんなことをボンヤリと考えながら50mプールの往路を歩く。
その天使を視界に収めることができるのは、50mプールの復路の方向を向いたときだけだ。

必然的に往路を進む速度が上がる。


誤解しないでほしいのは、変態紳士というのは、たとえそれが目を奪われるほど素敵なプロポーションであったとしても、わざとそちらへ近寄ったり、あからさまに凝視したりしてはいけない。

あくまで、視界に入っている時だけ、その素敵さを愛でる。

紳士たるもの、あくまで変態目線もスマートに。

まぁ、プールに入っている時はメガネを外しているので、実際にその天使はボンヤリとしか見えなかったのだが。

で、急いで壁まで辿り着いてUターンして復路を歩き始めた時に、衝撃の光景が目に入った。
その天使がプールサイドに腰かける際の姿勢が、いわゆるグラビアアイドルのよくやる両手を腿あたりにピッタリつけて前のめりの姿勢だったからだ。

プールの中の人に声をかけようとして、身体を乗り出しているため必然的にこういうポーズになるわけだが、それはすなわち胸が強調された姿になる。
(改めて。イメージ画像は載せない。想像してごらん。)

なんと無防備な…

ありがたやありがたや、と心の中で手を合わせ、そしてまた往路を歩く。

何往復かすると、今度はその天使がプールサイドの休憩用の段差に腰を下ろし、スイムキャップを脱いで髪を下ろしてくつろいでいた。

少しパーマを入れたショートボブぐらいの長さの髪が、水に濡れて健康的な色気を醸し出していた。

髪をかき上げながら少し上を向いている姿は、まさしく天然モノの健康的な天使そのもの。
(くどいようだが、イメージ画像は載せない。想像してごらん。)

あぁ、俺はもうこのまま死んでしまってもいい…


変態紳士たるもの、歩みを止めることは許されない。
その短い奇跡の瞬間を脳裏に収め、再び往路を歩く。

再び何往復かすると、今度は併設されているジャグジーに入っている子供たちに天使が声をかけている。

ジャグジーは先ほどの休憩用の段差よりまた少し高い位置にあるため、膝をついて乗り出すような格好をすることになる。

ジャグジーの子供から見れば同じ高さの目線でお姉さんが話かけてくれている、という光景になるわけだが、我々からするとその天使が、なんといいますか、その…

ヒップをこちらに向けたスタイルに見えるわけなんですよ。

雛形あきこの女豹のポーズを後ろから眺めている感じと言えば、わかる人にはどストライクではないかと…

しかも競泳水着。
無防備にもほどがある。


「こ、この娘は狙ってやっているのか…?」


そんな疑念を抱かざるを得ない、そんな状況に激しく動揺してしまった。
(分かっていると思うが、イメージ画像は載せない。考えるんじゃない、感じるんだ。)


残念なことにちょうど復路から往路にUターンしたばかりでしたので、その神々しい光景はほんの数十秒しか眺めることができなかったが、あぁこれはリアル天使のお迎えが近いんだな…などと思わせに十分な光景だった。


このプールは今回の天使だけでなく、上下さまざまな世代の女性が泳いでおり、あらゆる属性の変態紳士が合法的に健康的な色気を堪能するには最高の場所だったりする。

苦行とも思えるウォーキングを続けられるのも、こうしたご褒美があってこそ。

そして、こうして奇跡の天使に巡り合うことができたのは、神が病後の俺に与えてくれた希望なのだと勝手に解釈するようにした。

そして週末ともなれば、可能な限りこのプールに通うことになった。


あれから約半年。

あの奇跡の天使とは二度と遭遇することは無かった。


そして明日から、このプールは耐震補強工事のために半年間の休業となる。


最後の希望を抱いて、その最終営業日にもう一度プールに来てみた。
あの奇跡の天使にもう一度会えるかもしれないという淡い期待を抱いて。


…やはり、天使はいなかった。


しかし、最初は片道50mをウォーキングで歩くだけでもゼイゼイ言っていたのに、いつの間にか50mを足を付かずに泳げるようになり、そして今はクロールで2kmほどを1時間ちょっとで泳げるようにまでなった。

クロールで泳いでいると、さすがにプールサイドに天使がいても気がつかないかもしれない。

でも半年後に改装が終わったこのプールで、再びあの天使が無防備に健康的な色気を見せてくれる場面に遭遇するのではないか。

再びそんな奇跡の遭遇を夢見て、当面は近所のババァ…高齢な女性が邪魔な25mプールに通いながら体力を取り戻す努力を続けようと思う。



…何書いてんだ?俺は…?



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