はい、そんなわけで月末です。
予想通り新型308の国内発売に関するプレスリリースが発表されました。
しかも来年前半に導入と言われていた308swに関しても前倒しして同時発表です。
プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:上野 国久)は、洗練されたスタイリングと高いクオリティを両立させた新しいプレミアムモデル「プジョー308 / 308 SW」を、全国の正規販売店網「プジョー・ディーラーネットワーク」にて2014年11月5日より発売いたします。
308 / 308 SWは「クラスを超えた完成度」をベースにコンセプトを設定し、デザインや質感、利便性、テクノロジーを高いレベルで調和させたモデルとして誕生しました。その高い性能や品質はヨーロッパで高く評価され、308は本年3月ジュネーブ・モーターショーにて、欧州22 カ国のジャーナリストが選ぶ「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これまで発売以来、SW を含め14万台を超える販売台数を記録しています。
▲ご丁寧に欧州COTY画像までプレス向けに配っておられますw
新型308の特徴として挙げているのは以下の5点です。
1.エレガンスと力強さをあわせもつ流麗なデザイン
2.新開発プラットフォームにより大胆な軽量化を実現
3.PureTech ターボ付きエンジンと第3世代6速オートマチック・トランスミッションを搭載
4.直感的で操作性に優れた先進装備「i-Cockpit(アイ・コックピット)」
5.クオリティを大幅に向上させたインテリア
おや?と思ったあなた。鋭い。
「PureTech(ピュアテック)」の表記が復活してますね。
どうやらスズキとのゴタゴタは解消されたようです。
まぁ、話し合いで解決できる問題でしたので時間の問題とは思っていましたが、とりあえずこれで世界共通で新世代エンジンのことを「PureTechエンジン」と表記できるようになりました。良かったですね。
その他アイシンAW製の新型6速AT(トルコン式)やEMP2プラットフォームやその他のクルマとしての特徴についてはプレスリリースを見るなり当BLOGの過去エントリーを見るなりしてください。
それより重要なのはグレードと価格と装備です。
ん?と思ったあなた。
当方も同じ疑問を持ちました。
508においても、208においても、「Allure」というグレードはラインナップにおける一番下のエントリーグレードであり、真ん中のラインナップが「Premium」、上級装備が「Cielo(もしくはGriffe)」というのが今までの慣例でした。
それがひっくり返っております。
【従来(508や208)】
Allure < Premium < Cielo(またはGriffe)
【新型308】
Premium < Allure < Cielo
何の都合かは知りませんが、こういう混乱の元になるようなのはやめましょうよ…
細かく装備内容を見ていくと、Premiumに関しては308、308swともに必要最低限かつ時代に合わせたエントリーグレードといった趣があります。
プレミアムなのにエントリーグレード。
何かのギャグでしょうか?
ただし308sw Premiumに関しては、307swからの伝統でありアイデンティティでもあったパノラミックガラスルーフがとうとう標準装備から外れました。(308sw Cieloのみ採用)
その他の装備も見てみましょう。
いわゆる先進安全装備とも言える「ドライバーアシスタンスパック」はAllure以上で標準搭載ということになり、Premiumでは速度設定型クルーズコントロールなのに対してAllure以上ではACC(前車追従型クルーズコントロール)といった差別化が図られていますので、価格(+25万円)に見合った価値を見出せるならAllure以上のグレードを選ぶというのもアリでしょう。
ただし注意したいのが、308 Cieloと308sw Cieloは同じ装備ではない、という点です。
詳しくは装備一覧を見て比較して頂ければと思うのですが、308に比べて308sw Cieloではパークアシストやブラインドスポットモニターといった装備が付いていません。
つまり
「308sw Cieloは実質的に308sw Allureである」
ということです。
なんでこういう紛らわしいことをするのかはよく分かりません(とかいいつつコストとの兼ね合いでしょう)が、混乱の元になるのであまり歓迎できません。
グレード体系というのは、ヒエラルキーを表すとともに装備内容もわかりやすく分類して把握できることが大切ですので、検討される方は注意が必要です。
で、最後に価格ですが。
これについては頑張ったと言えるでしょう。
VWのゴルフが258.7万円~、ゴルフヴァリアントが280万円~という戦略的なプライスタグを付けており、308は多少の割高感はありますが旧型308に比べてほぼ同等の価格設定をしてきておりますので、良心的と言えば良心的な価格設定ともいえます。
その分装備内容で調整してきた感が否めませんし、先進安全装備は追加オプション設定ではなくグレードによってのみ選択可というのは、ボルボがV40でうまくやった成功事例があったにも関わらず、対抗できなかったのかなぁ…?と残念に思うところもあるわけです。
重量や燃費については現在国土交通省に申請中ということで、10月末までには判明するとのことですから、この辺りが出てきたらもう少し考察をしてみましょうかね。
[追記]
コメントにて教えて頂きました。
コンフィギュレータの仕様から燃費を確認できました。
308 16.1km/L(JC08モード)
308sw 16.1km/L(JC08モード)
ただし、常識的に見てハッチバックとさらに重量のあるステーションワゴンが同じ燃費というのは考えにくく、後で修正が入る可能性はありますね。
とりあえず、308もいよいよ新世代です。
プジョーも新たなステージに進むわけです。
11月発売開始ということは、ディーラー展示車は11月中旬ぐらいには届くと思われます。
この記事へのコメント
チョコバナナ
コンフィギュレーション後の「サマリー」を見ますと,JC08モードで16.1km/Lと表示されます。プレスリリース等では正式な燃費は案内されていませんが……
海鮮丼太郎
お、もうそこまでチェックされましたか。
忙しくて細かく見られませんでした。
情報ありがとうございます。
本文に追記しておきますね。
エディ
という順番になっているのは、最初は誤記かもしれないと思いましたが、
本当にこのネーミングなんですね。
エントリーグレードがPremiumという点も含めて、
ネーミングを決めた人は「アホ」としか言えません。
変なところに気を遣わせないで欲しいですよね。
海鮮丼太郎
ネーミングの序列をリセットするなら、Premiumグレードは最上位にするとかすれば良かったのに、とか思わないでもないですが、ひとつ思い当たるフシがあるとすると、
「一番下のグレードでもPremiumな内容なんですよ」
ということをアピールしたいのかなぁ、ということです。
プレミアム化路線を進める上で、グレード名にこういうメッセージを込めるというのも十分考えられます。
くま太郎
ややこしいグレード体系にするくらいなら、本国と同じようにアクティブ→アルーレ→フェリーヌみたいにすればいいと思います。
Premiumっていうグレードがあるから分かりづらいんですよね。
海鮮丼太郎
コメントありがとうございます。
グレード体系をどう命名するかはプジョーに限らず各インポーターが苦労してますね。
本国と同じ仕様で持ってくるならグレード名は同じにするといいんですが、逆に仕様が違うのに伝統的なグレード名を名乗られて失笑を買うケースもあったりして。
プジョーの場合、イギリス仕様をベースに日本向けの装備内容を決めている感じですので、あちらとの好みの違いとかがあるのでなかなかグレード名をそろえるのは難しいと思いますが、やっぱり今回の308のグレード体系は言葉から感じるイメージからすると逆のように感じられる気もしますねぇ。
Cielo→スペイン語で『空』
Allure→英語で『魅力』
Premium→英語で『高級』
うーん…