千葉ならではの千葉ットマン

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(ほぼ)横浜生まれのヒップホップ育ち。
屁理屈多そうな奴はだいたい友達。

そんなわけで文化圏としてはハマッ子な感じで育っては来たものの、お出かけするのが好きなので関東の各地にはよく出没するのだが、意外と千葉県というのは知らないところが多かったりする。

東京寄りに近い部分はさておき、房総半島の方はツーリングで何回か訪れた程度だが、これが本当に東京都の隣の県かと思わせるほどのどかな風景とガラの悪いヤンキー文化が根強く残っている、なかなかおもしろいエリアだという認識だ。

で、そんな千葉では独特の娯楽と文化が根付いており、たまにビックリさせられることがあるが、先日話題になった千葉ットマンにはかなり驚かされた。

改造した3輪トライクに乗ったバットマンが高速道路を爆走していた、というアレのことだ。


TopGearのニュースでも取り上げられるなど、世界中にかなりのインパクトを与えたのは、その姿が中途半端なコスプレでなく、かなり気合の入った完成度だったからだ。


コスプレや改造バイク云々というのはまぁわからんでもないわけだが、これを自作して、バットマンになって、高速道路を疾走するというのは道楽としては最上級の遊びであって、誰でも真似できるものではない。

またこのご本人が完全に趣味の延長というか、半ばイタズラ半分でやっている辺りが好感が持てる。

最初からメディアで目立つことを目的にしていたら、もっと宣伝臭さのようなものを感じただろうが、そういう感じもしないし。

こういうのは心と懐が豊かでないとなかなか実現するのは難しい。
それに必要なのは以下の条件だと思う。

 (1)道楽につぎ込める財力と時間
 (2)作業を行うガレージや保管場所など十分な土地
 (3)ある程度のやんちゃが許される地域のモラル感
 (4)ある程度都会に近い

『アイアンマン』のトニー・スタークのように、ある程度の財力があって、自宅に工作のできるガレージや保管場所(=すなわち広い土地)があって初めて、取りかかることができる。

まさしくトニー・スタークがガレージでアイアンマンのスーツを自作しているような、そんな楽しげな光景が目に浮かぶ。


そして大事なのは、こうしたギャグのような乗り物を作って、バットマンの格好をして乗りまわしてもあまり文句を言われない、地域全体が許容できるようなゆるいモラル感といったものが必要だろう。

これが都心の住宅密集地などであれば、違法改造車を作ってる奴がいると通報されかねない。
(暴走目的の違法改造車はバンバンと通報するべきだが、ギャグとの線引きが分からずヒステリックに騒ぐ輩が都市部に多いのは残念ながら事実だ)

この辺りは千葉という都市部と郊外が妙なバランスで構成されているエリア特有の感じがしないでもない。

逆に条件的には似たような神奈川県の郊外でこうした事を道楽でやろうとする人が現れるだろうか?と考えると、意外と神奈川県からは生まれない気がする。


そして、せっかく作った改造バイク(トライク)とバットスーツに身を包んだら、やっぱり誰かに見て欲しいという欲求は高まるわけだ。

だからこそ高速道路を疾走して注目を集めようとしたのだろうが、この辺りも千葉県という離れた都市部を繋ぐ高速道路があるおかげで人目の多いところにアクセスしやすい地の利があると思う。

その意味で、千葉県というのは日本のシカゴやテキサスのように、エンジンの付いた乗り物をカスタマイズしたりして楽しむ環境が整っていると言えると思う。

中古車を解体してパーツ単位で販売するヤードも多く、部品の調達も意外と苦労しないといった環境も重要だ。
(ヤードに関しては盗難車が持ち込まれて海外へ流される犯罪の温床という問題もあるが)

そんな感じでいろんな環境が整っている千葉県というのは、今後もこうした変わった人たちが出てくる可能性もあり、意外と住んでみると楽しいところなんじゃないかという気にもなってくる。

当方もこういう道楽が出来る大人になりたかったが、残念ながら今の住まいや財力ではその芽はなさそうだ。

まぁとにかく、テレビで素顔が公開されたとかそういうことはどうでもいいんだけど、とにかくこうした道楽が出来る環境にお住まいの千葉ットマン氏には最大限の称賛を贈りたいし、今後も驚くような活躍をして欲しいと思う次第也。



この記事へのコメント

  • バット太郎

    私は(財力さえあれば)近代版のバットモービルが欲しいです。

    ベース車両に何を利用すればいいのかさえ、想像つきませんが。

    あ、仮面ライダー・ドライブはNSXがベースらしいですよ、余談ですが。
    2014年09月03日 22:30

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