そもそも論として、ジャニーズ所属のタレント(以下ジャニタレ)というものが生理的に受け付けないという男性は多いと思う。
それはジャニーズ事務所が市場を独占し、あらゆるコンテンツにゴリ押しのように入ってきて、その割に歌も演技も素人レベルなものを見せられる不愉快さに依るところが大きいと思う。
要は
「イケメンなだけで肝心の芸能に関しては何の才能も無いじゃないか」
という半分やっかみではあるのだが。
そんなわけでジャニタレの出ている番組は基本的にスルーし、巷のその手の話題にも極力首を突っ込む事を避けてきた。
繰り返すが、若手のジャニタレは歌もダンスも演技も世界のトップクラスから見ればお遊戯のようなレベルであり、見るに堪えない。
プロの技を持ちつつイケメンであるというのであれば、何の文句も無い。
そこが逆転しているのが若手のジャニタレに共通して言えることだ。
しかし彼らもまた芸能人としての研鑽を怠っていないということも頭の半分では理解しているつもりだ。
SMAPが未だに歌がヘタであるのは変わらないが、一方でスマxスマで見せる多彩な能力を見せられるにつけ、
「てめーらズルいよ」
の思いを強くさせられる。
イケメンで、しかも芸達者ときたら、こちとら何にも反論できないじゃないか、と。
そんなわけで、途中で人気が無くなったり脱落する者がいる中で、それなりに生き残ってきたジャニタレに対しては、過去の嫌悪感が薄れむしろ親近感が沸くことがある。
そんな中でもTOKIOというグループに関しては、親近感どころか見ているとなんだか頬が緩むような、なんとも言えない気にさせられる。
もちろんそのイメージの大半は「ザ!鉄腕!DASH!!」における芸達者(というより番組を通して自らのスキルを高めている)によって培われたものであることは間違いない。
最近は農業タレントとして才覚をメキメキと発揮している様子は、何気にテレビを見ただけでも唸らされるものがある。
本来TOKIOというグループはロックバンドの体を成している筈なのだが、最近は農業従事者としてのイメージが強くなりすぎて、バンドとしてテレビに出たりするとまじめにやっているのに笑いを誘うという、なんだか妙な感じになっている。
この辺り、大先輩でありたのきんトリオの中で最も将来を危惧されていた野村義男が、ギタリストとして能力を発揮し、活躍し続けているところにも通じるものがある。
象徴的だったのは今年のサマソニにTOKIOが初出演し、追っかけでステージが埋め尽くされてその他の参加者が苦々しく思っていた…というわけではなく、そのステージパフォーマンスを褒めたたえる意見が多く聞かれたことからも、TOKIOというグループがミュージシャンとしてもきちんと評価されたことは、非常に好ましいことだったと言える。
何より本人たちが楽しそうだったのが印象的だ。
さすがに各メンバーが中年の域に差し掛かり、ビジュアル的な魅力は衰えつつあるものの、本業も、そして芸能人としても他のジャニタレとは異なった魅力の溢れるグループに成長したことは見事と言うしかない。
で、そんなTOKIOのリーダー城島茂が今年の24時間テレビで101kmマラソンのランナーに抜擢されたという話は、その発表における微妙な感じを伊集院光が語っていたが、当方もそれ以上の興味は大して沸くことはなかった。
実は例年、24時間テレビのマラソンコースが我が家のすぐ近くを通ることもあり、ランナーを見に行こうと思えばいつでも見られるシチュエーションではあったものの、そんなものを見に行くような興味は無い。
今日も朝からマンションの総会を終えて家で一休みしていると、城島リーダーがそろそろ近所を通るという。
なんだか急に見てみたくなった。
そんなわけて思い立って嫁を連れて近所の日産ディーラーの日陰で座って待つことに。
最近は途中経過twitterや追跡組がいるおかげで大体の見当がつくようになった。
すぐそこまで来ている筈なのに一向に現れないのは休憩しているからだ、なんてことまでわかってしまうw
近づいていることがわかるとそれに伴い沿道はだんだんと人が増えてきて、以前エド・はるみが走った年にたまたま買い物で沿道を通りかかった時に比べると、3倍以上の観客が集まってきているようだった。
城島リーダーの人気というのは全世代的なものになっていたんだな、と。
これがお笑い芸人なんかだったらここまで集まりはしなかっただろう。
トータルで待つこと40分。
先導の自転車が近況を伝えながら歩道を空けるようにアナウンス。
なぜか地球連邦軍の旗をなびかせている。意味がわからん…
そしてスタッフ車と中継車がやってきて、城島リーダーがヘロヘロになりながら走ってきた。
確かにツラそうではあるが、沿道から声援が上がるとその都度手を挙げて応えるなど、芸能人としては見事なものだと思った。
当方もついつい声援の声が大きくなる。
その後城島リーダーがいつゴールしたかは知らない。
番組のエンディングには間に合ったらしいというところはなんとなく知った。
それだけのことだったのだが、なんだかいいものを見させてもらった気分だ。
やっぱり城島茂という人物はスゴいね。
こういうのを見せられるとジャニタレに対するスタンスを少し変えようと思う。
芸の未熟なジャニタレは相変わらず嫌悪の対象。
ゴリ押しされたジャニタレの出る番組は基本的に見ない。
ただし、TOKIOは例外。
こんな感じだ。
毎年24時間テレビに対する批判を目にするし、そのあざとい番組の構成に嫌気もさすもんだが、一方でこうした経験もできたことは良かった。
何のために24時間走るのか?
バケツで氷水被ることと大して意味は変わらない。
掛かった経費を寄付に回せばもちろんもっと多くの額を寄付できるはずだという指摘も正論そのものだ。
しかし、チャリティの本質っていうものはこういう賑やかしを使ってでも話題を喚起することにあるわけで、その意味で24時間マラソンというコンテンツそのものに意味を求めてはいけないということなんだろう。
とはいえ、来年また沿道に見に行くか?と問われれば、誰が走るかによるとしか答えようがないし、番組の方もたぶん見ないとは思うが。
ただ、24時間テレビはこのままずっと続いてくれればいいな、とは思う。
気持ちだけミニストップに小銭を入れてきた。
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