東京ガスのCM。
電気やガスといったインフラ系のCMは、商品力をアピールする性格のものではないため、必然的に生活に根差した表現が多くなる。
東京電力のCMではお金を払ってCM枠を買ったうえで、「電気を大切にね。」という表現で自らの商品を使うな、と宣伝した。
東京ガスに関しては、ガスのある日常に焦点を当て、その中で人々がどのように生きているかを表現している。
その中でこの一本は昨今の厳しい就職活動の事情を表現しつつも、それを支える母親の姿に胸を打たれる。
ガスはあくまで脇役。
しかし、希望を抱かせる内容になっている。
就職活動の辛い経験を思い出させるからという理由でこのCMに文句をつける者がいるらしい。
己の感受性や多様な視点を持てないセンスの無さを棚に上げ、見たくないものを排除したいという思考停止の人間の苦情なんざ、聞き入れる必要などない。
そもそも、東京ガスはこのCMを作った時点で当然こうした声が一部からでも出ることを想定していたはずだ。
そういった声に左右されるぐらいだったら、最初から作らなければいい。
いや、こういう騒動が起こることで議論と話題を喚起するのが狙いという可能性もあるか。
理由はどうであれ、こうしたツラい現実を描きつつもちゃんと励ます内容になっている良いCMは、もっと積極的に流すべきだ。
いい時も悪い時も、いつも暮らしの中にガスはあるのだから。
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