プジョー世田谷店がなんかおかしい(2)


プジョー世田谷が千歳船橋から現在の尾山台のショウルームに移転した当初からマネージャーを務めていたS氏が突然退職して、なにやらゴタゴタしている世田谷店の話は前回のエントリーで触れたとおり。

それとは別に、整備工場についても何やら様子がおかしい。
というか、これは今に始まった話ではなく、少なくとも数年前まで話は遡る。

今回のエントリーについては個人的な事情が関与している部分があり、「それはお前が勝手にそう思ってるだけだろう?」という指摘を受けることは十分承知している。

ただし、一般的な客商売の姿勢(ビジネス慣習)からすると、やっぱり変じゃないか?と思うので、あえて触れてみようと思う。


まず、プジョー世田谷店の状況について改めて説明しておこう。

千歳船橋に店があった際は、整備工場とショウルームが同じ敷地にあった。
つまり、クルマを見るのも整備で入庫するのも、同じ店に行けばよかった。
そのため、オーナーは整備のついでにショウルームで新車を見たり試乗したり、営業マンと情報交換をしたりといったことが可能だった。

以前は目黒店、大田店の3店舗は日商岩井系列の運営だったところが、プジョージャポン直営店として生まれ変わり、その旗艦店としてショウルームを尾山台に移転した際に、整備工場は経堂駅から歩いて10分ぐらいの場所にプジョー世田谷サービスポイント(以下世田谷SP)として、別々に移転することになった。

つまり、オーナーは整備を頼む場合は世田谷SPへ、新車を見に行く場合は尾山台のショウルームへと、目的毎に行く場所を変えなければならなくなった。


そのために、

“整備のついでに新車をチェックする”

という、ディーラーを訪問する理由の大半がスポイルされてしまっている、不利な状況の店舗であると言える。

それゆえに、主にショウルームにいる営業マンと、世田谷SPにいるメカニックとの間で顧客の状況をきちんと把握し、情報共有を密にしなければならないのは当然の話だ。

現在の尾山台のショウルームは、元々はこの界隈の金持ちを相手にしたジャガーのショウルームだったところを、プジョーが後からテナントに入ったという経緯がある。

確かに田園調布など高所得者層の多いエリアであり、しかも周囲にはアウディやVW、BMWやアルファロメオなどのディーラーがひしめきあっており、ブランド戦略を考えるとこの場所にディーラーを設けること自体は間違ってはいない。

しかし整備工場の無い建物は、高級車であるジャガーを扱っていた際は、何か問題があるオーナーがショウルームにクルマを持ち込んで、営業マンが整備工場まで移送する対応をしていたであろうから問題なかったのだろうが、大衆ブランドであるプジョーの場合、そこまで丁寧な対応はしてくれない。

上お得意さんにはそういう対応をしてたのかもしれないが、基本的に「整備の用があれば自分で世田谷SPに行ってくれ」と案内されている。

新車のチェックや試乗はショウルームへ。
整備は世田谷SPへ。


ショウルームと世田谷SPとの距離は8kmほどあり、ついでに立ち寄るにはあまりに離れ過ぎている。

つまりどちらに行くにしても、明確な理由を作らなければならない。
意外とこの心理的な壁は高かったりする。

これがショウルームと整備工場が一体のディーラーであれば、こういう効果を見込む事ができる。


【ディーラーのメリット】
 ・オーナーは一定サイクルで整備をしなければならない
      ↓
 ・入庫で訪れた際にショウルームの新車に触れさせる機会を作れる
      ↓
 ・オーナーの状況把握や商談のきっかけを作ることができる


【オーナーのメリット】
 ・普段わざわざ新車をチェックしに行くほどの熱意はない
      ↓
 ・でも整備入庫でディーラーを訪れる
      ↓
 ・それを口実に新車をチェックしたり試乗したりできる
      ↓
 ・今後の買い替え計画を意識するようになる


ディーラーの営業はあくまで新車の販売がメインであり、既存オーナーにいかに乗り換えてもらうかというのは営業上とても重要なファクターだ。

たとえ試乗して商談にまで進まなかったとしても、新車に触れてもらったことで少なくとも頭の片隅にはそのクルマの存在を認知してもらえる。

また、具体的な買い替えという話にならなくても、営業マンがオーナーと話をする機会を作ることで、「クルマに対する満足度」を把握することができる。

裏を返せば「何か困っていることはないか?」を掴む事もできるわけであり、例えば気が付かなかった個所のメンテナンスやオプション品の追加で解決できることがあるかもしれない。

こうした機会の積み重ねが、オーナーとの長い付き合いを生んでいく。

だからこそ整備工場のメカニックと、ショウルームの営業マンは一体となって動かなければならないわけだ。

両者の物理的な距離が離れているならなおさらだ。



例によって話が長くなってきたのでつづく。


プジョー世田谷店がなんかおかしい(1)
プジョー世田谷店がなんかおかしい(3)
プジョー世田谷店がなんかおかしい(4)

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