「負けるもんか。」のCMが不快な理由というエントリーを書いたところ、何故か当BLOGの人気エントリーとして細々とアクセスが続いておりますが、さすがに2年前の話だから当方もすっかり忘れておりました。
それがここ数日、またアクセスが増えており少々困惑しておりました。
「負けるもんか。」で検索するとGoogleさんもYahooさんもgooさんまでも、絶賛する他の記事より上位に表示されるため、中には残念な思いをされている方もおられるかと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
とはいえ、当方が言いたいことは当時となんら変わりありませんし、このエントリーで言いたいことをは文中にきちんと表現しておりますので、脊髄反射的な煽りコメントにはそれ相応の対応をしますのでそのつもりで。
もちろん、あのCMをどう感じるかは人それぞれなので、当方と違う感想を持つことを否定するものではありません。当然ですが。
ただ一つハッキリさせておきたいことは、当方はアンチホンダではありませんし、単なる懐古厨でもありません。
現在もホンダのバイクに乗ってますし、フィットは革命だと思ってますし、3.11の際にインターナビのデータを迅速に活用した「通行実績情報マップ」でどれだけの日本人を助けたことか。
だからこそホンダという企業に対しては最大限のリスペクトをしているからこそ、姑息でつまらないことをやった時には遠慮なくその点を指摘しているに過ぎないわけです。
で。
つまらないホンダに対して楽しいホンダがあるわけですが。
昨年インターナビの販促としてホンダが打ち出した、「Sound of Honda」というキャンペーンの中で、アイルトン・セナが記録した世界最速ラップのテレメトリーデータを活用し、現代の技術で蘇らせるという試みをやっておりました。
その一連のキャンペーンが、カンヌでグランプリを受賞するという快挙を成し遂げました。
っていうか、これがカンヌを取らなきゃなんのクリエイティブのフェスティバルだよ、ってところですので納得の受賞でありますが。
こうして見ると、ホンダというのは技術の会社であり、その活用方法がたまたまレースであっただけなのだという思いを強くします。
“レースで技術を磨き、それを大衆車にフィードバックする”というのは、ある時代においては方便ではありましたが、確実に活かされている技術もあるということですね。
テレメトリーデータという走行データを活用してクルマがどのように機能し、パフォーマンスを発揮しているかを分析することは、民生利用においてもエコドライブおよび安全運転サポートという面で大きな可能性を秘めていたわけです。
その先にあったものがインターナビであって、今でいうビッグデータの活用を単なる商利用ではなく公共のメリットとして初めて活かしたのがホンダであった点は見逃せません。
これからの時代は、クルマも単に商品としての自動車だけではなく、インターナビのような快適走行のためのインフラ提供や安全運転サポートといったソフト面でのサービスも含めた、トータルでの快適な移動手段の提供という要素が強くなっていきます。
だからこそ、「Sounf of Honda」のキャンペーンはホンダ車の販促ではなく、インターナビの販促であったわけで、そこにアイルトン・セナのテレメトリーデータという有無を言わさぬ説得力のある素材を最大限に活かしたプロモーションは、久々にホンダらしいメッセージ性にあふれたすばらしい取り組みだったと思います。
願わくば、セナという過去の資産に頼らずとも、新たな試みでもこうした説得力のあるキャンペーンを展開して、カンヌで賞を取ってもらいたいと思う次第であります。
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