手の届かないクルマにあまり興味は無いのですが、日本においては攻めの姿勢を取り続けるフィアット&アルファロメオの動きには注目しております。
で、フィアットブランドではFiat500が孤軍奮闘して実績を上げておりますが、新モデルの投入が久しく途絶えて精彩を欠いていたアルファロメオが起死回生で放つ新型車であるアルファロメオ 4Cのプレス向け発表会が5月27日に都内で行われました。
その際、見込み客になりそうな一般のお客さんを招いて発表会に同席してもらって、一緒にその発表の様子を体験してもらおうという趣向があったようなのですが、そこでお粗末な失態をやらかしたようです。
あ~…
やっちまいましたね、これは。
この手のプレス向け発表会に見込み客を同席させるという取り組みは、最近いくつか事例が出てきております。
話題になったところでは、メルセデスの新型Aクラスの発表会に予約者を招待したなんてことがありました。
【メルセデスベンツ Aクラス 新型発表】カーライフの早い段階で顧客に切り込む
上野社長は「今回、新型Aクラスの発表会では、お客様を会場に呼ぶという新たな試みを行なった。会場のお客様の笑顔を見ていて感じたのは、我々は取り組むべきことを、いつのまにか忘れてしまっていたのかもしれないということ。メルセデスの新しい取り組みにお客様がついてきてくれているということを実感できた」
こうした趣向を企画したのは、プレス発表会が一種のパーティのような様式になっており、それを予約した人にも一緒に参加してもらうことで、「体験」という新たなプレミアムな価値を提供しようという発想からであったことは社長のコメントからも明らかです。
この時は、発表会の場に一般のお客さんを引っ張り出して写真を撮ったりしてたみたいですが、なかなかこういうことは一般の人は体験できないことでもあり、「誰よりも先にAクラスを予約して買った」ということに価値を見出す理由づけになったと思います。
つまり、こうしたプレミアムな体験をさせることがそのクルマの注目を高め、早期の受注を集めるのにも効果的であると踏んで、アルファロメオも世界的に注目されている4Cの発表会で同様の企画をしたのでしょう。
しかし、上記の人のコメントを見る限りでは、肝心の発表会の模様をほとんど見ることができず、また「おもてなしのホスピタリティ」が大きく欠けていたという運営上の仕切りの悪さが垣間見られます。
フェラーリやアルファロメオなどを好むある程度裕福なオーナーさんたちは、こういった扱いをされると気分を損ねるでしょうね。
(しかもこれ、抽選による当選者だけを招待したそうなので、余計に問題です)
いや、大衆車のイベントであったとしても、気分のいいものではありません。
自分たちはいったい何のために呼ばれたのか?
こんな仕切りが悪いんだったら、プレス発表会と一般オーナー向け発表会を同日に別々の時間で開催すれば済んだ話だったと思います。
この辺の考察については、ルノーのルーテシアの発表会のエントリーで書いてました。
つまるところ、問題はこのイベントを仕切った代理店の手腕の悪さと、アルファロメオのイベント担当者の企画力の無さというところに行きつくと思います。
開場のスケジュール上の都合や費用の問題、ひょっとすると見込み客を呼ぶという企画が後から急遽立ち上がって準備の時間が間に合わなかったのかもしれません。
原因はどうであれ、せっかくいい思いをしてもらって気持ちよく4Cを買ってもらいたいという主催者側の思惑が、客の目線での対応を怠ったためにむしろマイナスに働いてしまったのでは意味がありません。
それでも買う人は買うと思いますが、変なところでケチが付いてしまいましたね。
P.S.
参加された方からコメントいただいておりますが、どうも様子が違ってたようですね。
モータージャーナリストの松下宏氏のところには招待状が届いていなかったりとか、どうも運営がズタズタだったみたいです。
名物女性広報だったサラ・セレリさんもいなくなって、今のアルファロメオがどういった広報体制でやっているのかは知りませんが、少なくともコメントして下さった方の印象からは、かなり慇懃無礼な感じにも見受けられますね。
フィアットの方は割とフレンドリーな広報マーケティング体制を取っているように思われますが、アルファロメオは高級ブランドとしてオーナーとは一線を引くような対応をしているといことなんでしょうか?
売れてるんだったら別にそういったスタンスでブランディングするのもわからなくはありませんが、アルファロメオの販売台数って右肩下がりなんですよね。
こんなことやってて大丈夫なんでしょうか?
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