Volkswagenがオーナー向けのイベントを6年ぶりに開催

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6年ぶりに開催決定!日本最大級のカスタマーイベント

走行体験とか一部イベントの申し込みがあと数日なんだけど、一応ご案内。

VWが富士スピードウェイを借り切ってオーナー向けの大規模イベントを開催するんだそうだ。

VWってエコドライブトレーニングとかは頻繁に開催しているものの、お祭り的なものをあまりやらないな…と思っていたら6年ぶりに開催だそうで。

イベント内容を見ると、走行体験あり、所ジョージなど有名人ゲストあり、キッズ向けのイベントありと、VWというブランドを共有する者としてみんなが楽しめるイベント構成になっているようだ。

これほど大規模なイベントを開催するためには、それなりの費用と人手が必要になる。

そのためには十分な利益が出ていて、販促費にある程度の余裕がなければならない。

しかし、オーナー向けのイベントというのはそのブランドに対する親近感、忠誠度を高める効果があり、結果としてブランドのプレミアム価値を高める効果がある。
また、忠誠度の高まったオーナーはエヴァンジェリストとして周りにVWの魅力を布教してくれる。
それを聞かされた者は結果として数多の選択肢の中から、「●●さんがいいと言っていたから」という理由でVWを選ぶ可能性が高くなる。

ソーシャルメディア云々が言われる時代ではあるが、こんなのは昔から商売をやる上での基本中の基本だ。

だからこそ商品そのものの満足度を高めるのは当然として、その商品を所有する理由まで踏み込んで魅力をアピールする必要があるのだ。


またVWとしても、オーナーと触れ合うことで彼らがどういったことを考え、何を望んでいるのかをダイレクトにヒアリングすることができる、マーケティング活動を行うには最適な場所でもある。

つまり、オーナーとの触れ合いの場を持つことは、オーナーにとってもメーカーにとっても相互にメリットがあるわけだ。

その意味で、VWにとってはこれだけの規模のイベントを実施するのは単なる顧客サービスではなくマーケティング活動の一環であり、今後さらに販売シェアを貪欲に奪っていくためのしたたかな戦略と見るべきだろう。

そう考えれば費用が掛ろうが人手が必要であろうが、こうしたイベントを開催する意義は十分にあると言える。


当BLOGでよく引き合いに出すが、この手のオーナーイベントに積極的なのはルノーだ。

ルノーはVWや同じフレンチ勢の中でもプジョーより販売台数はかなり少ないが、それでも熱心にファンの獲得のためのイベントを開催している。

それがファン同士の繋がりを生み、フレンチカーとして独特の文化を育んでいる。
そして、そうしたファンの声を集めた結果として昨今の魅力的な車種の投入による数字の好調に繋がっている。

VWも6年ぶりにオーナーイベントを開催するというのは、当然ルノーの手法を参考にしているであろうし、そうしたことが必要だと判断したからに他ならない。

フィアットも青山にフィアットカフェを作ったり全国キャラバンをやったりしている。
高級ブランドがそれなりにきめ細やかなオーナー対応をするのはそれだけ利益が出ているからだが、利益の少ない大衆車メーカーでも好調なところはオーナーと向き合う機会を積極的に作っているという点は興味深い。

商品力やディーラー網を整備するだけで売れる時代ではない。
要は、そういうことだ。


2014年も輸入車市場は絶好調に推移しているが、波に乗れていないプジョー&シトロエンに目を向けると、極度にオーナーとの接点を持つことを避けているとしか思えない。

ディーラー主体でショッピングモールでの出張展示などを行って、それなりに効果を上げているという話は以前の上野社長のインタビューで触れられていたが、そこで当方が指摘した

「プジョーに乗る理由」

というブランドアイデンティティは未だに育っていない。
それが他のブランドに比べて徹底的に弱い部分なんじゃないですかね?


ということで、最後はVWと何の関係もない話になってしまったが、VWオーナーは是非ともこういうイベントを楽しんだりオーナー同士の交流を深めたりしてみるといいだろう。

そのブランドの持つ文化みたいなものに触れると、いろいろと新しい発見があるものだ。

ってことで当方もイベントに潜入してみようかと思ったら、

「参加資格はVWのオーナーであること」

…まぁそりゃ当然だな。
誰か連れてってくれ…


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