3月商戦が熱い!
消費増税、年度末決算、(なんとなく)景気の上向きマインドなどが重なって、この3月の年度末商戦はどの業界にとっても書き入れ時と言えましょう。
特にWindowsXPサポート終了に伴うPC買い替えのニーズは、スマフォやタブレットに客が逃げたとはいえかなり大きな盛り上がりを見せており、一部ではもう新規オーダーをストップするか、納期を4月以降という条件で受注を取っていたりします。
この傾向は耐久消費財や高額品にも言える話でありまして、エアコンの買い替え需要などで取り付け業者のスケジュールがけっこう大変、なんて話もあるようです。
で、高額商品と言えばその筆頭に上げられるのがクルマであります。
全然関係ない前置きでしたが、要するに輸入車市場がおもしろいわけです。

ここ数年の輸入車市場全体を見ると、リーマンショック以前の水準に回復したどころか、さらに追い風に乗って右肩上がりに数字を伸ばし続け、2014年に入ってからは2月末時点で46,037台と、好調だった2013年同時期と比べても138.3%の伸びを見せております。
まさしく超追い風状態です。
そのうちドイツ勢だけで8割のシェアといういびつな状況ですが、その他のブランドも恩恵にあずかっており総じて好調でありますが、そんな中でいまいち波に乗れないフレンチ3がここにきて面白い動きを見せております。

好調時には
Peugeot 81%:Renault 13%:Citroen 6%という大きく開いた3社間のシェアが、直近の2013年の実績では
Peugeot 47%:Renault 30%:Citroen 23%とかなり拮抗してきております。
(グラフを見て頂ければわかるとおり、プジョーが台数を激減させているだけなのですが…)
で、直近の数字を見るとさらにおもしろい事態になっております。
| 2013年 年間実績 | 2014年 1月実績 | 2014年 2月実績 |
Peugeot | 5,970 | 331 | 508 |
Renault | 3,771 | 338 | 444 |
Citroen | 2,947 | 161 | 185 |
2月末現在の数字でプジョーとルノーの販売台数の差が50台前後まで接近しております。
過去にもモデルライフの関係で両社の月間販売台数が逆転するようなことは何回かありましたが、3月に関しては…
プジョー:
208マイナーチェンジ、2008新発売ルノー:
新型ルーテシア快調、キャプチャー新発売シトロエン:
C3マイナーチェンジ、DS3マイナーチェンジ
ということで、
商品ラインナップ的にかなりイーブンに近い条件であると言えます。
話題の少ないシトロエンは置いといて、実質的にプジョーとルノーの一騎打ちの様相となってきました。
戦力的にも
『新型208 vs ルーテシア』、
『2008 vs キャプチャー』という感じでまったく同じコンセプトの新型車同士がガチンコでぶつかり合うという、近代稀にみるマッチメイクであるわけです。
ルノーには他にもカングーという売れ筋がありますが、プジョーも細々と売れてる3008/5008/508がありますので、この辺りの条件も互角と言えるでしょう。
販売拠点については
全国66店舗のルノーに対して、
全国109店舗(中古車店、サービス工場26店舗含む)を擁するプジョーでは、販売力という意味ではプジョー有利であります。
しかし、これだけ戦力差がありながら直近の販売台数では拮抗しつつあるというのは、個人的には
ルノーの商品力&マーケティングにおける頑張りが大きいものと感じております。
残る要素としては、どれだけ売るタマを用意したか?というインポーターのセンスの問題です。
売るための在庫が潤沢にあれば販売台数を伸ばせますが、売れ残った場合には3月末締め決算では在庫が逆に重荷になります。
だからといって弱気の在庫で販売の機会を逃せば、それはまたそれで売上に悪影響を及ぼします。
どこまでアクセルを踏んで、どこでブレーキを踏むのか。
まさしくチキンレースというわけですね。
果たしてこれが3月という一大決戦の場でどういう結果をもたらすのか。
各社の状況も気になるところですが、今月はプジョーvsルノーのバトルをうぉちしてみるのが面白いでしょう。
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