雪の日に思う。








そんなわけで久しぶりの大雪だそうだが、そもそもこんな日に出かける方がどうかしている。
どうかしているのだが、受講料を払ってしまったのだからしょうがない。
そんなわけで、嫁が講座を受けに行くので、最寄駅までクルマで送っていくことにした。

朝の時点で積雪は10cm以上に達しており、こんな状況であればスタッドレスタイヤを装着していても無理な走りはできない。

最寄駅はけっこうな上り坂の中腹にあり、どこからアプローチしても坂を使わなければならないのだが、毎年雪が降ると必ずと言っていいほどノーマルタイヤで坂を上がろうとして立ち往生しているクルマに遭遇する。

今日も真っ赤なBMWの5シリーズが坂を上れずに滑りまくっている横を、当方はスイスイと上がって嫁を駅で降ろして家に帰ろうとした。

個人経営の貨物車がこっちに向かって滑り落ちてくる。
あぶねーなバカ野郎。

軽くクルマの向きを変えてやり過ごすと、その貨物車は坂の下までそのまま落ちていき、赤信号でも止まりきれずに交差点中央まで滑っていった。

こいつは職業ドライバーとしては失格だ。
個人経営である以上、すべてのリスクは個人で負う覚悟で仕事してんだろ?
だったら雪の日にスタッドレスタイヤを装着するか、せめてチェーンぐらい巻いたらどうだ。
プロだったらプロらしく、責任もって仕事しろ。

そして先ほどのBMW。
同乗者が下りて後ろからクルマを支えている。
まだ上るつもりでいるのかコイツは。

斜めになって道を塞いでいるので

「ぜってー無理だし危ないからさっさと坂を下りろ」

と叫ぶと、後ろで支えているというオヤジは

「下りようとしてるんだ。滑るから後ろで支えているだけだ。」

などと言う。
頭おかしいのかこいつは?
スリップで滑り落ちてきて轢かれても知らんぞ。

BMWとか乗るような奴でも、冬にスタッドレスタイヤに交換する程度の手間をケチるのか。
高級車の名が泣くぞ。


この日は関東各地で事故やケガのニュースが相次いだが、その中でも取るべき対策を取らずに引き起こした事故が多かった。

それでも気象庁が何日も前から大雪になることを予測し、予め警戒を促す報道を続けていたからこの程度で済んだという見方もできる。

いずれにしても、3年前の出来事で学んだ「備えること」の大切さを忘れてなければ、どうにでも対策がとれた話だ。

しかも今回は地震と違って、予めこうなることがわかっていたのだから。

坂の途中で制御不能になったクルマはそのまま止まれずにぶつかったり、歩行者を跳ね飛ばす危険がある。

自分だけケガする分には勝手にすればいいが、一歩間違えば殺人になりかねない道具を操っているという自覚を持てないのはいったいどういった神経なんだろうか?

クルマの運転は誰に強制されるものでもない。
自分の意思でハンドルを握るわけだ。
それであれば、十分な備えをするのも自分の意思だし、
危険ならあえて乗らないという選択をするのも自分の意思でできる。

これもひとつの危機回避能力だ。

危ないと思ったら乗らない。
そんな当たり前のことぐらい言われなくても判断できるようになろうよ。

などといい歳したオヤジが必死の形相でBMWを支えてる姿を思い出しながら綴ってみたのだった。
 


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