3台のPCを刷新する話(3)

EX945-GC-big.jpg

今まで嫁用PCとして稼働していたのは、2008年に組んだAopenのキューブ型ベアボーンの「XC Cube EX945-GC」だった。

これにCeleron E1400と2GBのメモリとIDE接続の250GBのHDDという最低限の構成で運用してきたものの、嫁の用途がネットとメールといくつかのソフトを使うぐらいだったので大きな不満は無かった。
しかし、やはりHDDのアクセスが遅いため起動に3分近く待たされるというレスポンスの悪さが課題だった。

今回はこのマシンをチューニングして、同じくネットとメールとデジカメの写真管理ぐらいしか使わない実家用マシンにリニューアルすることにした。

くどいようだがポイントは以下の通り。

 (1)ボトルネックはHDD
 (2)欠点を潰して全体のバランスを整える
 (3)枯れた技術は安い
 (4)不慣れな者にはWindows8.1

実家用といってもメインで使うのは高齢の両親なので、細かい操作を改めて覚えさせるのは難しいため、簡単な操作でやりたいことがやれるように極力シンプルなPCにしたい。

そこで考えたのが、OSを最新のWindows8.1を使わせるというやり方だ。

Windows8.1はメモリ管理が改善したためか、それほど高スペックのマシンでなくてもそれなりに快適に動くということと、やりたい作業に簡単にたどり着ける新たなUIが採用されたことでPCに不慣れな高齢者でもそこそこ使えるだろうという思惑があった。

単純にWindows8のライセンスがアップグレードで1200円で買える時に5ライセンスほど購入したものの使わずに余らせていたのでこれを流用したいという思惑もあるのだが。

Windows8.1対応のマシンに買い替えるとなると、最低でも5万円程度かかる。
しかもそこからレスポンスの良いSSDへと換装するとなると7000円ぐらい上乗せしなければならない。

これより大幅に安く済むのであれば、既存のPCをアップグレードする意味があるということだ。


さて、それでは具体的に6年前のCeleronマシンをWindows8.1の動くマシンにチューンナップ作業に入る。

まず導入するのはSSDだ。
これは一番最初のエントリーで書いたように、どんなに速いCPUや大容量のメモリを積んでも、HDDのアクセスがボトルネックとなって全体のレスポンスが低下しているという症状を劇的に改善させる特効薬だ。

使っているキューブ型のベアボーンはIDEx1とSATAx2という構成になっており、最大で4つのドライブを接続することができる。
HDDとCD-ROMはIDE接続でMaster&Slaveで接続されており、SATAがまるまる空いている。

そこでSATAにSSDを接続、HDDはデータ用ドライブとしてそのまま活かすことで無駄なく増設することができる。

メモリに関してはマザーボードの制約で最大4GBまでとなっているので、2GBのモジュールを2枚ほど調達。

CPUに関してもCeleron E1400という低スペック品なので、マザーボードで対応している最速のCPUであるCore2Duo E6700を中古で安く調達して差し替える。

SSDはADATAの製品がアマゾン様で7,980円。


メモリは安い業者の通販を使って3,800円。
CPUはヤフオクで中古品を落札、2,780円。

週末にはすべてのパーツが届いていたので、一気に作業開始。

とはいってもベアボーンのパーツ交換なんていうものはものの30分もあれば終わってしまう。

BIOSでIDEとSATAの両方を使用するように変更して再起動を掛けたらあっさり動いてしまった。

Windows8のインストールDVDを入れて待つこと30分。
こちらも滞りなくインストール作業が終了。

試しに電源ONからWindows8の起動画面が出るまでを計測してみると、17秒ほどで立ち上がった。

あの不快ないつまでもカリカリカリ…と続くHDDのアクセス音もなく、感覚的にはスマフォやタブレットのスリープを解除した時のようなレスポンスの良さだ。

SSDの威力は絶大すぎる。

インターネットへの接続や各種アプリの起動、終了がスイスイと行うことができて、これが本当に6年前のマシンで動いているのか?と疑いたくなるほどの快適さだ。

俺用メインPCだったInspiron1720で既にSSD運用をしていてある程度結果の予想は付いていたが、さすがにここまで劇的に改善されると感動すら覚える。

っていうか、iOSやAndroidが普及する前にWindows陣営はさっさとSSDを導入したPCをメインストリームにしておけば、ここまで苦境に立たされることもなかっただろうに。

ただし、Windows8.1の素の状態では使い勝手が悪いので、従来のWindowsXP/7風のUIに戻すカスタマイズなど、いろいろと手を入れる必要がある。

このあたりのカスタマイズについては、宝島から出ているムックが役に立つ。


一通り設定を終えて、ベンチマークを取ってみると少しビデオの値が弱かった。

普通にネット閲覧などをするには問題もないのだが、HDDに代わってビデオが全体の足を引っ張る格好になっているので、せっかくなのでビデオカードも調達することにした。

とはいっても最新のビデオカードはバカみたいに高性能化した代わりに2スロットを占拠したり、発熱が凄かったりするので、これも枯れた技術は安いの法則に従ってGeForce 8400GSの小型ビデオカードを導入した。

玄人志向ブランドで2,863円。


出力はアナログRGB、DVI、HDMIが可能なLowProfile仕様なので、コンパクトなキューブ型PCでも余裕で入る。

アマゾン様から届いて5分でセットアップ終了。

そして出来上がったのがこんな感じのバランス。

raderchart_XCCube.gif

やはりSSDの効果が圧倒的ではあるが、CPU、メモリ、ビデオともに大幅にチューンナップできたことになる。

かかった費用は流用したOSのライセンスを除くと18,123円。
入れても19,323円か。

上記した通り新品の安いPCを買ったとしても5万円近くするわけで、在りモノを使ってここまでできれば十分だろう。

ちなみに、Windows8.1のライセンスを新規で購入するとしたらDSP版でこんな感じ。

 

ノートPCの場合はそれなりの技術が必要だが、Core2Duoあたりのデスクトップであれば比較的容易にSSDへの換装ができるので、わざわざ買い替える前に一度SSD化にチャレンジしてみてもいいのではないかと思う。

おそらく世の中の需要の半分以上は、買い替えせずともSSD化で解決できる気がする。
 

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