PSA復調の兆しの先に見えるもの

 
仏、車販売の回復鮮明に ルノーは13年増・PSAも10~12月増
PSAの13年通年の販売は前年比5%減の282万台。中国は26%増を記録した一方、主力の欧州で7%減少したのが響いた。ただ10~12月は「中国での好調に加え、欧州も徐々に販売が戻った」(広報)ため、前年同期比4%増。若者向けに発売した小型SUV(多目的スポーツ車)「プジョー2008」などの販売が堅調だった。
欧州メーカーの中でも立場が微妙なフランス勢も、回復の兆しが見えてきたようです。

PSAに関しては昨今のゴタゴタと新車投入のタイミングの悪さから2013年は前年割れということで一人負けのような報道もされておりますが、中身を見れば直近の四半期では持ち直す傾向にあることなど、好材料も見えてくるわけです。

特に昨年投入されたコンパクトクロスオーバーである2008に関しては、欧州だけでなく世界での展開を見込んで開発されていますので、それが順調に販売を伸ばしているというのは明るい兆しと言えますね。

で、ポイントになるのはやはり欧州外販売比率でしょう。

以前も書きましたが、2013年1月~6月期においてPSAの欧州域外の世界販売が41%に達しており、2013年の年間を通じて42%まで増えていることから、2015年に50%を目指すという目標へ向けて着々と進んでいることが見てとれます。

で、その目標達成のカギとなるのが中国・アジア市場であります。
前年比+26%も増えているという状況からどれだけ中国市場に依存しているかというのがよくわかります。
東風汽車からの出資受け入れに関しても、今後のこうした面での効果を期待してのことでしょう。

逆に言うと、当然ながら中国・アジア市場を重視したクルマ作りをすることになりますので、いわゆるイタフラ車的なエッセンスというのは今後ますます希薄になっていきます。

シトロエンは独自の立ち位置がありますが、プジョーに関しては最近ではグローバル路線が強くなってきたので“イタフラ車”というある意味ノスタルジックなイメージとは距離を置いてきた感があります。
ではそれに代わる個性をどのように演出するのか?というのが今後の最大の課題ではないかと思われます。

要するに、「プジョーを選ぶ理由」という演出があまり上手くいっていない点をどうするか?ということです。

PSAとしては、ブランドの再構築として従来はプジョーより多少プレミアム感のあったシトロエンC Lineを、プジョーより安めのバジェットブランド化する方針です。

同時にDS Lineをよりプレミアムな方向へシフトさせることで中国などの富裕層を狙うとされています。

そうするとプジョーの立ち位置というのは、コストパフォーマンスに優れたブランドという位置付けがより強くなります。

言うまでもなくVWを始めとした欧州競合メーカーに加えて、世界各国のメーカーと正面から戦う必要があるわけです。


上質な質感と優れた走行性能、充実の安全装備と高い環境技術。

言葉にすると陳腐ですが、まさしくレーダーチャートでどの要素もバランス良く評価されるような車種が求められることになります。
これがシトロエンだとDS Lineはプレミアム感、C Lineはコスト感で突出したチャートになるわけです。


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※あくまでイメージです

そんなわけで、コンパクトなクルマが求められる日本市場との食い合わせが今後悪くなることが予想されますが、それでもB/Cセグメントあたりならまだまだ何とかなりますし、デカくてもうまくやれば一定のポジションを築くことができるのが日本市場の特殊性でもあります。

ようは、商売はやり方次第でどうにでもなるということですね。

変化なき者に未来はない。
ならばその変化が良き方向に進むことを願うことにしましょう。
 
 


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