国沢光宏の居場所

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日本の自動車ジャーナリズムのレベルを象徴するような人物としてたびたびやり玉に挙げられる国沢光宏という人物がいる。

評論家としての検証を十分に行わず、思いつきで書いたんじゃないか?と疑われても不思議でない記事を雑誌やBLOGなどに書き殴っていることから、どちらかというと自らも公言しているように評論家よりヒョウロンカというネタ要員としてアンチも含めたうぉちの対象となっている感は否めない。

当方も国沢光宏は下品なので基本的に好きではない。こんなエントリーを書いたこともあるし。

日産LEAFを改造して国内ラリーに出場したりと、それなりに面白い取り組みも行ってはいるものの、参加するにあたり前例が無いことを逆手にとって自分に有利なようにレギュレーションを解釈するなど、目立つためならフェアな精神とかそういうことについてはあまり頓着しない性格のようだ。

そのあたりが嫌われる最大の要因だと思われる。

ただし一方で、オートックワンの連載「社長に訊く」におけるトップからの話を引き出す術などは、この人物ならではの才能とも言える。

この相手の懐にズケズケと入っていく姿勢は、こうしたトップなどの人材からうまく話を引き出すうえではプラスに働くのではないか?
そう思わせたのが昨日放映されたJ-SPORTSでのラリーモンテカルロ生中継におけるトヨタの章男社長との掛け合いだった。

ラリー経験者としては上記のとおりあまり褒められたものではないし、むしろ出演すること自体がラリーファンに対する冒涜とも言える。

しかし、ラリーを語る上での最低限の知識と、ゲストに招いた章男社長をいじりながらトークを引き出すという役割についてはきちんと演じられていたと評価する。


トヨタの章男社長は、トヨタというつまらないクルマばかり作っているという世間一般のイメージを払しょくして、少しでもクルマ好きの人たちの支持を得られるように、自ら「モリゾウ」などと名乗って必要以上にクルマ好きというキャラを演じている。

昨今のメディアやイベントへの積極的な出演は、そうしたイメージを作るためのキャラであって、経営者として非情な判断を下す本業の顔とは別のものだ。

章男社長がそういうキャラを演じたいというのなら、そのキャラを立たせてやるのが周囲にいる者の役割だ。
お笑い芸人よろしく、いじられるのを待っているのだから遠慮なくいじってやればいい。

国沢光宏がズケズケとツッコんで話を広げたのは、そういう章男社長のキャラを立たせることが大事だと考えていたからだろう。

世界一の会社の社長を前にして、キャラを立たせ膨らませてトークを引き出すことのできる自動車評論家って他に誰がいる?

同業者の中には悔しい思いや嫉妬心を抱いている者もいるだろう。

しかし、

「じゃあ貴方が国沢光宏の代わりに章男社長からうまく話を引き出して、番組として面白く成立させることはできますか?」

と問いたい。

残念ながら、当方が思い浮かぶ中で代わりになる人材は見出せない。
代わりがいないということは、それだけで国沢光宏の存在意義があるということだ。


自動車媒体が軒並み廃刊やコストカットに走る中、仕事の先行きを不安視する評論家も多いことだろう。
しかしそんな中で、国沢光宏はうまい具合に自身の居場所を確保したな、という感じがした。

もう少しきちんとした検証力とロジック、そして品行方正さを身につければ、国沢光宏という自動車評論家は日本の自動車ジャーナリズムにおいて役に立つ存在になれるんじゃないかと思った次第也。

まぁ、それを求めるのが一番難しいということも同時に理解しているのだがw
 
 

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